1-24. 初投入/観測ドローン
協会・綾芽ラボ。
午後。
机の上には、小型ドローン。
試作機。
完成したばかりだった。
「……よし」
魔法少女端末と連動。
変身検知で自動起動。
追跡。
観測。
音声操作対応。
完璧とは言えない。
でも――実戦データは取れる。
そのとき。
協会内に警報が鳴った。
綾芽、止まる。
端末表示。
【市街地外縁・妖魔出現】
待機魔法少女チーム、出動。
一拍。
綾芽はドローンを見る。
少しだけ迷って。
結論。
「……テスト、今しかないな」
端末操作。
「観測機ドローン、起動」
静かに浮上。
自動航行開始。
綾芽はラボに残る。
モニター展開。
映像接続。
「頼むぞ」
――現場。
梓が端末を見る。
「通報確認。林沿い」
凛はすでに構えている。
すずの笑顔が消える。
雫は静かに周囲を確認。
「視界が悪い」
その瞬間。
端末が光る。
【観測ドローン接続】
一拍。
画面右上に識別表示。
【端末登録:AYM-LAB】
梓が瞬きする。
「……ラボ登録機?」
凛が即答。
「ラボの子だ」
すずが苦笑。
「また何か作ったね、あの子」
雫、小さく頷く。
「でも……助かる」
梓。
「映像出す」
画面に俯瞰映像。
林。
逃げ遅れた男性。
妖魔三体。
雫が小さく息を飲む。
「位置、全部見える……」
梓。
「侵入ルート確定」
「凛、右」
「すず後方」
「雫、救護優先」
即行動。
――綾芽ラボ。
モニター越しに戦闘を見る。
手は操作端末。
呼吸だけが静か。
「高度維持」
「対象追跡」
ドローンが滑らかに動く。
妖魔一体が林の奥へ逃げる。
綾芽、即断。
「ライト照射」
白光。
位置が浮かぶ。
凛の一閃。
終わり。
綾芽、小さく息を吐く。
「……よし」
数時間後。
協会・受付。
四人が戻る。
雫が言う。
「……助かったね」
すず。
「これ欲しい」
凛。
「同意」
梓。
「量産希望」
そのとき。
受付の端。
柱の影。
小さな黒髪。
綾芽。
実はずっと見ていた。
データ回収のため。
完全にバレている。
梓。
「そこ」
綾芽。
「はい」
出てくる。
すずが笑う。
「見てたの?」
「ログ取りです」
正直。
凛。
「無断か?」
「試験運用です!」
雫がしゃがむ。
目線を合わせる。
「ありがとう」
綾芽、止まる。
「……役に立ちました?」
雫は即答。
「すごく」
「本当に助かった」
綾芽、少し赤くなる。
雫、軽く頭を撫でる。
一瞬だけ。
「でも次は」
「ちゃんと許可ね?」
「……はい」
反省はする。
後悔はしていない顔だった。
すず、小声。
「かわいい」
凛、小声。
「聞こえてる」
梓がまとめる。
「ラボへ正式報告する」
すず。
「主任、寝れないね」
雫、くすっと笑う。
綾芽は思う。
(まだ足りない)
(もっと作れる)
空を見る。
守るには、まだ弱い。
だから。
次を作る。
協会・非公式ログ。
※ラボの子、また何か作った。
今回は助かった。
追記:
受付チーム「常備希望」
協会は今日も――
少しだけ、騒がしかった。




