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一章:魔法使い、文言を解読する。

自前能力で〈翻訳〉、スキルで〈鑑定〉、〈解析〉あたりを使用すれば、文言に関して全文解析可能だと思われる。やった事ないから断言はできないけども。でも、多分できるだろう。


「はー…魔法使いってすごいんだねー。」

「いや、普通の魔法使いはいきなりこんなに色々できないぞ。」


感心した様に息を吐いたヘルロットに、魔道具の核を取るのに苦戦しているテオラルテが冷静なツッコミを入れた。

まぁ、一般的な魔法使い…地球出身者は基本的に、冒険者に保護されてから色々学んだり訓練したりして、魔法の使い方を習得しスキルやアビリティを習得していくルートになるのだろう。地球にダンジョンがある地球出身者は例外的に戦う技術が身に付いており、また、地球出身者以外は、初めからある程度は戦えるのが一般的になる様だが。

ちなみにミルキィ達は、いわゆる最初からレベルカンスト済みである。既に色々できるのだ。


「つまり、すごい人たちー?」

「うーん、どうなんだろねぇ。」


ヘルロットがきらきらとした瞳でミルキィを見て、視線を受けたミルキィは苦笑しながら首をかしげる。

一方で、よーし、取れそうなのだ!とシルトが声を上げながら手を動かして。かちゃり、一つ目の魔道具の核が剣から引き抜かれた。


「よっし、一つ目取れたのだ!ミルキィ、解読は任せるのだ!」

「よろしくー!」


にっこにこな笑顔で、スノゥがミルキィに魔道具の核を手渡す。ころり、手のひらの中で転がった魔道具の核の中で、文字が舞う。

舞ってる文字…少なくとも、この領域の言語ではないな?


「それは何の核になるのー?」

「んー、《貫通力増強》の効果の付与権の核だね。」


さくっと〈鑑定〉して、ヘルロットの疑問に答える。文言の存在を知ったからわかるのだが、ざっくり効能まとめてませんか、〈鑑定〉よ。

…さて。では、ちょっと真面目に解読しましょうかね。

その前に、ミルキィは確認を取るために、ルディに声をかける。


「ルディ、文言を口頭で解説したものを記録できる?」

「もちろん、可能です。」

「よっし、じゃあ記録よろしく。」


はいっ、と良い返事をして。ルディが〈収納〉から記録する為の道具を引っ張り出した。

…それじゃあ、解読をはじめよう。

ミルキィは魔道具の核を右の手のひらに乗せて、腕を伸ばす。ゆらり、マナが踊り、空気が揺れる。


ー〈翻訳〉、〈解読〉、〈解析〉のスキル三重起動開始。対象を魔道具の核に設定。

スキルのマナに照らされて、ディープブルーの魔道具の核が鈍く光る。

ミルキィの周囲に、他の人から見えない半透明の画面が、いくつも浮かんで文字が流れていく。


「序。

この核の埋め込まれた武器を当該武器とする。

当該武器にマナを注いだものを起動者とする。」


平坦な声で、ミルキィは解読した結果の文言を告げ、その言葉をルディがさらさらと書き続ける。


「当該武器に核が与える効果は、刀身部分に重力操作を加え、攻撃対象に対し突き刺しやすくなる様に貫通力を上げるものである。」


重力ってまた、えっらい効果付いてるね?と、スノゥがポツリと呟いた。

これが一本いくらで売られてたのか…とトゥエラが遠い目をして。その横で、文言を聞いてみると、結構とんでもない事が書かれているんだねぇー、とルビナが感心した様に呟いて。付与剣すげぇ、とアトラが何回も頭を縦に振っていた。


「起動者がマナ量2を注いだ時、当該武器に核が与える効果を起動する。

当該武器にマナを注ぐ場所は○で示す。」


マナ量…?とキュウヤが呟き、トゥエラが、後で教えますね?と即座に反応した。

やっぱりー、マナを注ぐ場所の指定模様あったかー、とヘルロットが感心した様に呟いた。


「当該武器に規定のマナ量以上を注いだ時、マナ量5までは貫通力増強の効果を更に強化する。マナ量5でマナ量2の時の三倍の効果とする。

結。」


終わりを告げる言葉で締める。

ー〈翻訳〉、〈鑑定〉、〈解析〉の起動終了。

スキルの起動が終われば、ミルキィの周囲に展開していた他の人に見えないモニターが消えていく。

鈍く照らされていた魔道具の核は、マナの光ではなく、室内の灯りに緩く照らされた。


「うん、ちゃんと解読できたね。」

「魔法使い、すごぉい…。」


ミルキィがにっこりと微笑み、ほわー、とヘルロットが感嘆の声を上げた。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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