表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/74

一章:魔法使い、付与の見学。2

セリフ内のカタカナ表記は、人名・地域名、固有名詞以外は基本勇者や魔法使いから広まった別世界の言語になります。

結果、昨日の話でスイッチという表記が使えなかったという状態に。

「トロパ鉱って、液体になるけど毒性はないのだ?」


万年筆の様な道具にトロパ鉱を補充している時、こてり、と首を傾げてシルトが疑問を口にした。水銀みたいに見えるからねぇ…。そう言えば、熱して有毒性のガスが出るっていう性質があると、魔剣製作する上ではとってもデメリットが大きいのだが。

ふむ、とテオラルテが髭を撫でながらシルトの疑問に答えた。


「基本的にトロパ鉱は無害じゃぞ。液体状になっとるもんを飲むとかしなけりゃ、何の問題もないな。」

「トロパ鉱の採掘現場でもー、トロパ鉱が原因の健康被害は起こってなかったはずだねー。公害とかもなしー。

普通に金属としても使えるけどー、そんなに硬くないかなー。軽いしー。研いでも切れ味すーぐ落ちるしー。加工はしやすいけどー、そもそもそんな事に使うぐらいなら魔道具製作に回ってくるからねー。」

「あー、武器に向かない系鉱物…。」


テオラルテとヘルロットが口々に毒性について話してくれるが。テオラルテの話し方的にまさか液体状のトロパ鉱飲んだ人がいるのだろうか。体内でマナと反応したらヤバそうな気配しかしないのだが。

ヘルロットの説明に、ノートがぼそりと呟いた。若干アルミ合金の様な性質ですね?

万年筆の様な道具へのトロパ鉱の補充が終わったのか。ヘルロットは静かに、ペン先を液体状のトロパ鉱から引き上げた。ペン先から一滴のトロパ鉱がぽとりと、銀色の水面に落ちて、揺らす。


「それじゃー、まずは魔石を魔道具の核にする作業からしていこっかー。」


がしり、と左手で手のひらよりもやや大きめの魔石を掴み、ヘルロットは万年筆の様な道具のペン先を魔石に向けた。


「魔石を魔道具の核に加工するためにはー、何をその魔道具に求めるのかー、その内容を簡単に、簡潔に、わかりやすく、液体化したトロパ鉱で書かないといけないのねー。

ちなみに魔石に書き込む言語は特に決まってないからー、いつも使ってる言語で問題ないよー。後期アトガキ語でも、勇者の故郷の言語でもー、好きな言語を使ったらいいかなー。ただ、内容を書いている途中で他の言語を混ぜることはできないかなー。言語が混ざっちゃうと魔道具の核にはならないから要注意だねー。」

「つまり、やろうと思えば英語でも魔道具の核を作るための文言を書けると。」

「そういう事だねー。

魔道具師は、使いやすい文言が見つかればー、それを他の魔道具師に解明されない様にー、後期アトガキ語とかー、話者が少ない言語とか古代の言語を使ってたりもしてたんだってー。少しでも性能良い方が注文してくれる人が増えるからねー、使いやすい性能が良くなる文言は財産だったんだよー。ご飯の種になるからねー。」


ヘルロットの説明にアヤナが軽く頷いて。アヤナの言葉に、更にヘルロットの説明が重なっていく。

確かに、同じ様な値段なら少しでも性能のいいものが欲しくなるわなぁ。

そうなると、どんな言い回しで、どんな簡素な文で欲しい魔道具の効果が得られるか。その知識が財産になる事は間違いない。…ヘルロットの説明的に、こっちの技術でも魔道具の核になった魔石に書かれた文言を何、かしらの方法で確認することができるのだろうか。それなら多少でもすぐにわからない方が、少しでも財産を守るためには有効な手段だろう。

疑問が脳内を巡るので、ミルキィはさっくりヘルロットに聞いてみた。


「わざわざ難しい言語を使う、って事は。魔石に書いた文言って解読できるの?」

「魔道具師はねー、魔道具の核に書かれている内容を読むのもまたお仕事だからねー。

道具を使って例えばー、ダンジョンから出てきた壊れた魔道具や付与剣から、魔道具の核だけ回収してからー、魔道具の核になった魔石に何が書かれているのかー、って解明していくのもお仕事だねー。

魔道具の核に書かれた文言の解読に関してはー、おっきな研究所が王都の方にあるんだー。」

「…今は、文言を色んな人と共有してる感じ?」

「ものによるかなー。魔道具師の秘伝とかになるとー、門外不出の情報があってもおかしくないかなー。

今回作る結界の魔道具の核はー、主な部分は基本の文言なんだけどー、お知らせの明かりともしたりするのはわたしの独自性も盛り込んだんだー。頑張ったんだよー。」


にこにこと、笑ってヘルロットはミルキィに告げる。なるほどー、ありがとう、とミルキィもにこりとヘルロットに返す。

文言は研究されてて、その研究結果である魔石に書き込む文言は一般の魔道具師に開示されているのだろう。そこから各地の魔道具師が各自でアレンジしているのだろう。他に魔道具師の師弟で受け継がれている文言もあると。

ある程度画一化されている部分がある方が、魔道具の品質が一定以上の水準を保てるのだろう。

魔道具作製にも、色々あるんだなぁ。


「文言書く時はー、最初に始まりを意味する言葉を書いてー、文言終わる時は終わり、あるいは締める、っていう意味の言葉を書くんだー。

それじゃあ、この魔石に文言を書いていくねー。」


ヘルロットは、旅人達を見回した後、万年筆の様な道具を右手に持ち魔石にトロパ鉱で文言を書き始めた。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ