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一章:魔法使い、付与の見学。1

休日ではあるが、それでも冒険者が来店することがあるとの事。そんな冒険者達に対応するための店番担当として、レディトラスが残り。残り全員で応接室に行く。

応接室に行くと、素敵なレースの掛かったローテーブルの上に、何らかの箱と魔石、何かの液体の入った頑丈な箱が置いてある。推定、結界の魔道具のガワと、トロパ鉱の液体が入った箱なのだろう。

じゃあ、これから作ってみせるからねー、とヘルロットがぺたりとソファーとローテーブルの間の隙間に座る。椅子とかに座ったままでやると少し高さがあるから難しいのだろう。床にはカーペットが敷かれており、木製の床に直接座る事にはならないので、まぁ、体への負担は少ないだろう。


「これがー、結界の魔道具の外側の箱だねー。こっちはー、マナを込めて溶かしたトロパ鉱ー。魔石を核にしない場合はー、液体状のトロパ鉱にー、使えなくなった魔石を砕いて粉末状にしたものを混ぜる必要があるんだー。で、これは2級の魔石ー。それなりに大きいよー。そしてそれなりにお高いー。」


にこにこ笑顔で、ヘルロットが準備したものを一つずつ指差しながら説明してくれる。昨日〈丸壺〉で買った結界の魔道具よりも二回り以上箱が大きい。恐らく、昨日購入した魔道具は全部核なしの魔道具なのだろう。

また、2級の魔石は、1段の魔石よりは小さいけれど、十分大きめの範疇である。ちなみに、準備された魔石は、スカーレットレッドの綺麗な魔石である。

結構いろんな色をしているのが、魔石である。〈闘魂熊〉の魔石はオパール色だしなぁ。まじまじと魔石を見ていて、ふと、思いついた疑問があるので、ヘルロットに聞いてしまおう。


「魔石の色で、向き不向きな付与の傾向とかってあるの?」

「そういった傾向は特には無いかなー。おんなじ種類の魔獣を倒してもー、解体して出てきた魔石の色は違うー、ってよく聞く話だねー。」

「成程ー。」


色による付与の向き不向きの傾向はないのか。それなら何でそんなカラフルなんだろうねぇ、魔石。誰か研究してないのだろうか、と、ミルキィが今度魔石についての論文がないか探してみようと考えている他方で、ヘルロットは魔道具になる予定の箱の中をキュウヤ達に見せていた。


「今回はー、核がある種類の結界の魔道具を作るよー。核がある種類の魔道具はー、まず核を入れて固定できるようにする必要があるかなー。今回のはー、上から部品を被せて固定する種類にしてるよー。」

「核が動いてしまったら、回路が寸断される、って事です?」

「そういう事ー。そうなったら魔道具として使えなくなっちゃうからー、ちゃぁんと核を固定する事って大事なんだよー。」


被せる部品はこれー、と木製のパーツを片手に持って旅人達に見せるヘルロットの言葉に、ルディが気になったことを口にする。

ゆるんゆるんの口調で、丁寧に説明していくヘルロットは、次にスイッチと思われるパーツを指差して説明を続けていく。


「でー、これが魔道具の稼働状態を制御できる部品でー、稼働状態にすると回路が繋がるようにー、回路を書かないといけないのー。

こっちは燃料になる魔石の投入口でー。燃料として使える様に回路を書かないといけなくてー。使い終わった魔石を取り出しやすくするのもー、大事な工夫だよねー。

これはねー、ここから魔石を入れてもらってー、この奥の小部屋で燃料として魔石の中からマナを吸い出してー。魔石を使い終わったらー、ここの稼働状態を切り替えれる部品の横の赤の灯りが着く様に回路を書くからー、赤く光ったらここの部分を手前に引いてー、魔石を取り除くんだー。」


いろいろ工夫して魔道具の箱部分を作っているんだなぁ、というのがわかるヘルロットの説明である。昨日の〈丸壺〉で購入した魔道具は、魔石の投入口は手前側左にいくらか凹んだ窪みである。使い終わったらそのまますぐに取れる形であるが、等級が低い魔石しか窪みに入らない。また、魔石が使えなくなったのをお知らせしてくれる機能もない。それを考えると、投入口がそれなりに大きく、魔石の入る場所が確保されており、使えなくなったらランプが赤く光ってお知らせしてくれる機能付きはなかなかにユーザーフレンドリーなのではないだろうか。

魔石は等級が高くなると大きくなるがその分燃料として長く使えるのだ。ずっと入れっぱなしでいいなら、等級の高い魔石の方が頻回に入れ替えなくていいので楽と言えば楽である。それなりにお値段はするが。


「でー。核のある魔道具を作るために最初にするのはー。2級、あるいは1級の魔石を用意しますー。

わたしは2級の魔石しかつかえないからねー。今日も2級の魔石だよー。」


ヘルロットによる、作成手順の説明が始まった。片手に2級の魔石を、片手に何かしらのペンを持って、ヘルロットの説明は続く。


「核がある魔道具の付与はー、マナをたくさん込めたら溶ける性質のあるトロパ鉱でするんだー。これは液体化したトロパ鉱専用の万年筆だねー。先を液状化したトロパ鉱につけてー、補充していくよー。」


ちゃぽん、と、何の抵抗もなく万年筆の先が液状化したトロパ鉱の中に沈む。つるっつるの、銀の水面が揺れた。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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