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一章:魔法使い、勇者の帰還について考える。

今日は二話更新しますー。

クロムの薬師のおばば様への交渉が成功し、おばば様への報酬となる〈大緑化人〉の解体はまた後日、となって。〈緑化人〉系統の魔獣と〈砂丸亀〉の解体を見守っていると、トラおじじのところに行っていたルディとロヴェルが解体部屋にやってきた。


「お疲れ。伝言とかありがとう。」

「いえいえ。いろいろとお伝えしてきました。」


キュウヤがルディのことを労い、ルディは笑顔で返す。


「あ、ルディも気になるんでない?製薬。」

「え、ボクがいないところで、どんな話になってるんですか。

行きたいですっ。薬師のおばば様のところですか?」


スノゥがルディに、クロムが纏めてくれた製薬見学について声を掛けると、ルディは目をキラキラとさせて笑顔で参加希望を告げる。

あー、この子もかい、という視線で、薬師のおばば様がルディを見る。


「そうだね。はー、あんたら何人いるんだい。」

「13人ですね。」

「それで、全員そうなんだろう?今回はまた、たくさん迷い込んできたんだねぇ。」


薬師のおばば様の問いに、キュウヤが答えると。微妙な表情でキュウヤを見た。迷い込んできた、という薬師のおばば様の言葉に今度はキュウヤが苦笑いを浮かべた。

…ごめん、旅行なんです…依頼付きの旅行なんです、別に迷い込んできたわけではないんです…。実は、普通に帰ろうと思えばいつだって帰れるんだよなぁ。


さて。異世界転移に巻き込まれたら普通は一方通行、という認識になるだろう。そういう話はいくつか聞いてきたし見てきた部分もある。この領域で勇者や魔法使いが元の世界に戻ったという話を今の所聞かないあたり、この領域でもそうなのだろう。

難題とされる異世界からの帰還である。何故ならば、帰還するためには、エネルギー源としてマナは大量に必要になるし、そもそも帰るために元々いた世界の座標軸も必要になる。なんだったら帰る時間流の調整だって必要になるだろう。帰れても、帰ったら千年後の世界でした、となったらそれはまた別世界のようなものである。帰った意味がなくなるだろう。

この場合、一番問題になるのは帰還先の世界の座標軸だろう。勇者召喚する際に転移前の座標軸を記録するシステムを組んであるなら、それの記録を使えばいいのだが。そもそも勇者を帰還させる、という考えがないとそんなシステムを組まないだろうし。そもそも、転移前の座標軸?なにそれ?とりあえず異世界の人を召喚できたらいいよ!というパターンだった場合、アフターケアがあるかどうかすら怪しくなってくる。こういうパターンの異世界召喚だと、空間の揺らぎ発生への対策が取られていない事が多々あるので、結果的に異世界に迷い込む存在…魔法使いも出てくるだろう。

魔法使いに至っては、異世界に迷い込んでいるので転移前の座標軸記録なんて出来ないだろう。そもそも亜空間に迷い込んだとか、時空断裂に呑み込まれたとか、空間の揺らぎに巻き込まれたとかで、何の前触れもなく世界を超えているようなものである。勇者召喚ならまだどの世界に繋がっていたか、が明確であるだろうが。魔法使いの異世界転移は、どこの世界に繋がっていたかもわからないだろう。

このあたりの事情もまた、勇者や魔法使いの本来の世界への帰還が難しくなる要因であろう。


ところで、と薬師のおばば様が話を続ける。


「今の所、問題はないんかね?」

「今の所、特に問題はなさそうですね。お金稼ぎもできてますし、ノルキスタという寄る辺も出来ました。対人関係も良好ですし、新しい技術も学べそうです。」

「それ、うちでの学びも入ってるんだろうね?」

「もちろんですよ!」


にこにこ笑顔のクロムが答える。

明日は付与を学ぶ予定があり、そのうち四人が製薬技術学ぶ予定である。スノゥに〈収納〉している薬草を出してもらうか、シルト筆頭に作るだろう肥料を、人数増えた分の手土産にするのもいいかもしれない。それに、そのうち魔剣の修復もするだろう。ああ、そうだ。手習いで作成した回復薬を第三者に使用しても大丈夫なのかを確認してもらわねば。売買を成立させるのは流石に何かしらの免状がいるだろうか。この辺りも要確認である。

四人が製薬技術を学んでいる間に、森で魔獣を狩ったり、薬草とか採取したり、ルビナリオに行くための買い出しをしたり、資料室で情報収集したり、〈森の輪〉にこの領域での常識を学んだり。やる事は色々あるのだ。

魔獣がいろいろと解体されている横で、話は進み、予定が仮組みされていく。


「おばば、〈緑化人〉系統の製薬素材は全部買取するんか?」

「そのつもりだよ。」


エヴァリオスに問われ、薬師のおばば様が頷いた。にぃ、といい笑顔でエヴァリオスに告げるのだ。


「そもそもこちらの希望数出してもらってるものだしね。

それにしても、〈大緑化人〉と〈精鋭緑化人〉の素材が手に入るのはありがたいねぇ。探索には何かと使える薬だろう?」

「あー…確かに?」

「間違いなくお高いけど、性能のいい回復薬があるとあると便利だよねー。」


薬師のおばば様の言葉に、アトラとルビナが頷いて。そういう薬が買えるように、怪我なくしっかり稼がないとな、とトゥエラが続く。

またそのうち、〈緑化人〉系統の素材解体買取希望しにきますね、とゆるっとキュウヤが告げる。


そんな一幕がありながら、解体は終わり。

解体部屋の職員から〈大緑化人〉と〈精鋭緑化人〉から1級の魔石2個、2級の魔石2個出たけどどうしますか、と聞かれたので、キュウヤが引き取り希望したり。

〈砂丸亀〉の買取部分が魔石と甲羅ぐらいしかないと聞かされて、じゃあお肉引き取ります…と申し出たミルキィがいたりしたが。

買取金額はそれなりにいいお値段になりました。


「都会に家を建てれますね…。」


買取金額を聞いて、目を丸くしたトゥエラがいたりもしたり。とりあえず〈浄化〉かけて、全員で晩御飯食べるか!

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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