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一章:魔法使い、〈緑化人〉解体を頼む。

薬師のおばば様に〈緑化人〉系統の魔獣素材でできる薬の効能について聞いてから、〈念話〉でのやりとりが忙しくなった。

とりあえず、〈将軍緑化人〉と〈王緑化人〉に関しては、薬の素材が全て揃わない限りはキュウヤの〈収納〉にしまいっぱなしにするしかなさそうである。どう考えても薬の性能的にトラブルの元になるだろう。保護法的に強制的に取り上げられないにしても、売却希望のメッセージが頻繁に届きそうである。

バフ系薬剤が作れる〈精鋭緑化人〉も…あまり出回りがないなら売却数を抑えるべきだろうか。ただ、ダンジョンが発見され、ダンジョン攻略が始まるであろう現状的に、お守りにできるだろうバフ系薬剤は需要が高いと見て良い。問題は、薬剤を作るための他の素材があるか否かである。

これ以外の〈緑化人〉系統の魔獣はある程度…解体部屋の能力限界を超えない程度に放出しても大丈夫だろう。


「ちなみに、〈緑化人〉一体分の素材から最大何人分の薬が作れるんですか?」

「基本的には、12本分だね。頭の上の花が欠けると作れる量も減るし、他の素材量調整も必要になってくるね。」

「素材の新鮮度合いで、薬の性能は変わります?」

「そうさね…少なくとも、〈王緑化人〉、〈将軍緑化人〉は乾燥していても効果には問題ないとされている。魔石の強さが下がるにつれ、新鮮なものでないと効果が出にくくなる傾向は存在するね。」


キュウヤが質問すると、すぐに答えてくれる薬師のおばば様である。ありがたいね。

旅人達の〈収納〉は時間停止機能付きであるので、〈収納〉から取り出さなければ討伐ほやほやの状態である。そのため、鮮度については何の問題もない。多分、花を散らす戦い方はしていないだろうし、一体分につき最大数薬を作れるのではないだろうか。

あまりにも〈緑化人〉系統の魔獣についての質問が重なったからだろうか。薬師のおばば様がキュウヤに逆に質問する。


「…もしかして、〈緑化人〉系統の魔獣素材持ってんのかい?」

「持ってますね。その上でお尋ねしたいのですが、今必要な素材ってあります?」


けろりとしたキュウヤの返答に、薬師のおばば様がにやりと笑う。


「ほーう。その前にどの〈緑化人〉の素材を持ってるんだい?それによって話が変わってくるからね。」

「〈緑化人〉、〈剣緑化人〉、〈弓緑化人〉、〈斥候緑化人〉、〈大緑化人〉、〈精鋭緑化人〉、といったとこですかね。」


とりあえず、開かせる範疇で全てを告げたところ、薬師のおばば様の目が輝き、唇が弧を描く。

興奮しているのだろうか、その口からこぼれる声が徐々に大きくなっていく。


「ほうほうほう!素晴らしいね、〈緑化人〉系統揃い踏みじゃあないかい!

そこの亀捌いとるムキムキ!〈緑化人〉を捌く余裕はあるかいね!?」

「おばば、声が大きうなっとるんやが。あるにはあるが、数の限度っちゅーもんがあるぞ?」

「ならその限度を言いな!」

「今から捌くなら…14体が限度やな。」


テンションの上がった薬師のおばば様に声を掛けられたエヴァリオスは、周囲を見渡して解体できる職員を探す。やれるぜ!と言わんばかりに何人かの解体部屋の職員がエヴァリオスに向かってハンドサインを出していた。

その人数を確認して、エヴァリオスが答えを出す。


「そうかい!…それなら〈大緑化人〉、〈精鋭緑化人〉が3で、〈斥候緑化人〉、〈剣緑化人〉、〈弓緑化人〉が2でお願いしようかね。あるかい?」

「大丈夫ですよ。どこに出したら良いです?」


エヴァリオスの出した数を聞いた後、薬師のおばば様はキュウヤに問う。その程度の数なら全く問題ないのもまた…。大集団すぎた。

解体部屋の職員の人が誘導して、キュウヤは〈収納〉から薬師のおばば様のリクエスト通りに魔獣を出していく。損傷が少ないからか解体部屋の人が素晴らしい!と声をあげ、おばば様も近くに寄って状態を確認する。

時々頭だけのが混じるが、剣持ちがやったのだろう。キュウヤは基本後衛担当なので、ルディかロヴェルの二択ではあるが。キュウヤの大剣は基本一撃離脱用の武器である。魔法を使って浮かせて、身体への負担を極力軽くして大剣を運用しているのだ。種族特性的に重いものを持ち続けると骨が折れそうになるキュウヤである。


「はー、花の状態がいいやつばっかりだね。こちらとしてはありがたい状態だね。これなら12本分きっちりつくれそうだ。」

「クランとしてつけといてください。あ、捨てる部分は基本的に回収します。後で肥料にするんで。」

「肥料にするのだー!」


素材を見た薬師のおばば様がにっこにこである。

その一方で、キュウヤが冒険者カードを渡しながら、引き取る部位の話をすると、え、という顔で解体部屋の職員の人がキュウヤを見る。同じ事をシルトも言うものだから、同じ顔でシルトの顔も見た。素材は有効活用していかないとねぇ。


「どうやって肥料にするんですか…?」

「そこは秘密って事で。」


疑問に思った解体部屋の職員がキュウヤ達に問うが、茶目っ気たっぷりの微笑みでキュウヤが煙に巻いていた。

何の捻りもない、魔法使って肥料にするだけなのだが。彼らの参考になりやしない方法である。

後、魔獣素材は微妙にマナを含有しており、肥料にしてもマナが残っている。割と今の大地の状態を改善するには便利なものなのだが。一番の問題は魔法で加工しているため、旅人達でないと肥料ができないと言う事だろうか。精霊術でも作れるのかは不明である。

たくさん作ってトラおじじに売るのも、割といい手なのかもしれない。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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