表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/72

一章:魔法使い、素材の効能について聞く。

無論、冒険者カードも忘れずに渡す。それと、元の位置に置いていた〈砂丸亀〉も解体のちに買い取ってもらえないかと解体部屋の職員に確認すると、エヴァリオスがそそそ、と寄ってきた。入れ替わるように〈砂哭蛇〉入りのバスケットを持った解体部屋の職員は解体だー!と別の場所に移動していく。こっちにあった方が話が早いのだ、とシルトが〈砂丸亀〉をミルキィの横に移動させたタイミングで、薬師のおばば様が今日はこのまま待たせて貰うよ、と解体部屋の職員に告げていた。

本来この辺りで見かけないもんなぁ、〈砂丸亀〉。そっと寄ってきたという事は、見た事ない魔獣は自ら解体したいのか。周囲を見ると、他の解体部屋の職員の人も目をきらきらとさせて〈砂丸亀〉を見ていた。


「この辺りでは見かけない魔獣やないかい。解体するでなっ。」

「ちなみに少なくとも14は出るけど、ひとまず何体ぐらいすぐに解体できるかな。あと、魔石は引取希望で。」


ミルキィの告げた数に、14!?そんなに!?いいんけ!?とエヴァリオスのテンションが上がっていくが。今から14は無理です、他にも解体依頼が来たらどうするんですか、と冷静に眼鏡をかけた解体部屋の職員にツッコミを受けて、エヴァリオスのテンションはすぐに元に戻っていた。

解体買取は急ぎますか?と眼鏡をかけた解体部屋の職員の人に聞かれ、ミルキィが急がないと答えると。眼鏡をかけた職員は、にこにこ笑顔で圧をかけつつ、エヴァリオスにでは、今日は少ない数でいきましょう、と告げる。暴走を止めるストッパーなのだろうか。

しょんぼりとした雰囲気を纏ったエヴァリオスがミルキィの方に向き直り、告げる。


「とりあえず、3体分解体で…。」

「はい、よろしくお願いします。」


追加で2体追加し、〈砂丸亀〉を渡すと他の解体部屋の職員も、解体ナイフ片手に何人か集まってきた。わっくわくな瞳の色を隠さずに。

解体して良い?解体して良い?という複数の視線がエヴァリオスに突き刺さるも。準備もそうやが、水の入った盥もいるやろ、の一言で蜘蛛の子を散らすように物を取りに行っていた。

そんな中、キュウヤが薬師のおばば様に声をかける。


「薬師のおばば様、お尋ねしたい事があるんですが、今良いでしょうか?」

「おや、どうしたんだい。手持ち無沙汰だし、問題ないよ。」

「では。〈緑化人〉系統の魔獣の、頭に生えている花と身体に生えている葉で出来る薬について教えていただけないでしょうか?」


成程。〈砂丸亀〉でテンション上がってるエヴァリオスに見慣れた〈緑化人〉の解体数ついて聞いても、上の空の答えが返ってきそうである。後は、眼鏡かけた解体部屋の職員の言葉的に、ある程度絞った方がいいのかもしれないし。ここで需要という方面での絞り方をするのだろう。

キュウヤの言葉に、〈砂哭蛇〉の解体待っとるだけだしね、いいよ。と、薬師のおばば様がさっくりと答える。


「〈緑化人〉のは弱めの風邪薬だね。風邪の流行時期には必須になると言ってもいい。服用すれば、少なくとも肺炎になるのを防いでくれるよ。

〈剣緑化人〉のは怪我に対する回復薬になるね。ちょっとした切り傷なんかはこの薬をつけるだけで治るね。

〈弓緑化人〉のは夜や暗闇の中で物がよく見えるようになるね。昔々、この薬を使用した勇者が、暗闇ポーションだとか言った話が残っているね。

〈斥候緑化人〉のは視力を回復してくれる薬になるね。目の見えにくい人がこの薬を飲んだ事で色々見えるようになった、と言われてるね。」


つらつらと、指折り数えながら、薬師のおばば様が薬の効果を上げていく。


「さっきまで上げた薬はほどほどに流通しているんだけども、これから言う薬はなかなか出回らない薬だね。〈将軍緑化人〉と〈王緑化人〉の薬に関しては、そもそも魔獣に出会えないのと、花や葉自体が討伐時に損傷しやすくて薬に加工できない事が多々あるし、そもそもの加工も難しいから、割と幻レベルの薬になるかね。効果は本当にかなりいい物なんだけどね。」


薬師のおばば様の言葉に、思わずキュウヤの方を見ると、にこりと微笑まれてしまった。…綺麗なんですね、花も葉も…。薬の効果がヤバくないといいのだが、ヤバくないわけがなさそうな雰囲気なのが既に漂っているのだが。

旅人達が、キュウヤが〈収納〉している素材のヤバさに気付き始めるが、それに気付かず薬師のおばば様は話を続ける。


「〈大緑化人〉のは性能のいい回復薬になるね。すっぱりと切れた剣での怪我でも、傷跡一つ残さずに回復する。緊急時の怪我の対応としては良いものになるから、入手できそうなら入手してしまう方がいいものではあるね。

〈精鋭緑化人〉のは自身の能力を強化してくれる薬になるね。この薬は窮地に陥った時の逆転の一手になってくれるだろう。かつての勇者は、この薬をバフ薬とか言っていたかね。

〈将軍緑化人〉のはどんな状態異常でも、どんなに恐ろしい呪いでも、どんなに手強い毒物だとしても回復できる薬になるね。王家に献上したら喜ばれるだろうね。

〈王緑化人〉のはどんな怪我でも、どんな病気でも回復できる薬になるね。服薬すれば、欠損してても再生するし、不治の病だろうと体調整えた上で再生治癒する。他にも色々素材が必要なんだが、その苦労に見合う薬効だね。」


ああ、うん。〈将軍緑化人〉と〈王緑化人〉の素材でできる薬がとんでもない性能だった件について。微笑んでいたキュウヤの表情がやや固まっているのだが。いつもトゥエラを固まらさせていたのだが、ついにその立場になるとは。

しかし、どうするんだ、その素材。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ