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一章:魔法使い、これからの見通しについて。3

中性的な顔立ちの美人が、わっるい笑顔を浮かべると凄みがあるよね。今まさに、キュウヤが浮かべた表情がまさにそれなのだが。エディスが息を呑み、トラおじじは、これまた…と呟いた。

今まで聞いてきた話をまとめると、暴論ではあるのだが。現在の旅人たちはランクEの初心者冒険者である。つまりルビナリオの冒険者ギルドからは搾取の相手として見られるだろう。実際にルビナリオの冒険者ギルドが行動を起こしたら、財産を不当に搾取した事になり保護法違反でギルド本部がこんにちはする想定である。

淡々とルディは、〈収納〉からこっそり取り出した、元いた世界から持ち込んだ魔道具に記録を取り続ける。手入力も音声入力も思念入力も出来るスマホみたいな魔道具である。今は音声入力ベースに思念入力で訂正しているのだろう。帰った時にマザーに繋いで、同僚達と話をしながら内容を整理するのだろう。きっと。

ミルキィにとっては見慣れた表情なので、ハーブティーを飲んで喉を潤していた。


「結構処罰が重いから、間違った相手に保護法違反ふっかける訳にはいかない。だから、実際に動くとなったら、もっと情報が必要だけどね。

ルビナリオの情報が真なのか、はもちろんだけど。動機、関係者、冒険者ギルド外部の協力者の有無、被害状況、被害者の現状あたりの情報も欲しいなぁ。」


はふり、と息を吐いて。キュウヤは視線をティーカップに向けて話を続ける。

ほわり、湯気が揺らぎながら立ち上る。


「まぁ、複数の行動を共にしていない冒険者が同じ事を言ってるのであれば、ルビナリオの冒険者ギルドの話は正しい情報なんだろうね。わざわざ冒険者ギルド支部の嘘の噂を、別の支部に流す意図がわからない。

トラおじじ、エディス。ルビナリオの冒険者ギルドは前々からそういった要素はあったのかな?」

「少なくとも、冒険者ギルドルビナリオ支部の先代ギルドマスターがいた頃にはそんな事はなかったな。先代ギルドマスターが高齢になって、活動が難しくなったから、って、ここ一年くらい前か?今のギルドマスターに変わったんだっけか。」

「そうじゃのう。交代のお知らせの手紙を貰ったのがそれくらいになるかの。

先代の頃には、技術交流があったりもしたが、今のギルドマスターには特に頼まれごとをしたり、されたりもないのぅ。

技術交流もそんなに頻回ではなかったし、違和感はなかったが…そうなると、今回の件はルビナリオ支部の現ギルドマスターが筆頭になってやらかしとる、という事かの。」


思考を口に出す事で、考えが纏まる事もあるだろう。おそらくトラおじじは今まさにその状態に入った様子。ぶつぶつと小声で思考を巡らせている。

トラおじじの話を聞いて、エディスは、そうなんだよなぁ…と呟いた。


「やっぱそうなるよなぁ。

ランクE、Dのランク税割り増し偽装して搾取するの、受付の人単体でやってたら、ギルドマスター側が普通処分下すだろ。是正されてないって事はギルド側の上層部が搾取を当たり前にやってるって事だよな…。」


それ、結構洒落にならない状態では?

あああああ、と声を上げながら、エディスが頭を抱えていた。


「まずは、ルビナリオの周囲の冒険者ギルド支部と連携して、初心者冒険者の支援をしていかんとな。他の冒険者ギルド支部に移れるようにした方がええかもしれんの。

ただ、ルビナリオの冒険者ギルドに気付かれんようにせねば。気付かれて逃走されんようにせねば。」

「まぁ、ルビナリオから離れているうちにも避難してくる人がいたくらいだから、近場の冒険者ギルド支部にも避難してきた人がいるだろうな。そっちの支部と情報交換したら割と精度高い情報になるだろう。じーさん、その辺りは全部任せた。てか、他の支部に緊急で連絡取るのはギルドマスターにしか出来んだろ。

で、ルビナリオ周囲の冒険者ギルド支部と歩調合わせて支援しつつ…。」

「トドメは〈笑顔の行進(スマイル・パレード)〉で刺していいんでしょ?

搾取できる相手が少なくなったところに、ランクEが来たら引っかかってくれるでしょ。保護法違反で捕まえれたらいい感じかな。」

「ありがたいの…申し訳ないんじゃが、今回の一件は依頼としてお願いしてもいいじゃろか。」

「もちろん!」


ルビナリオ支部をどうにかするための算段が組まれていく。トラおじじの仕事量が目の前で増えていったが、ルビナリオ支部の初心者冒険者を守るためである。応援しておこう。

なお、〈念話〉で他の旅人達にも状況を実況しつつ、ルビナリオ行きについても確認していたので、トラおじじからの依頼にはすんなりと答えれたミルキィである。

指名依頼出して、皆様方と一緒に〈森の輪〉にもルビナリオに行ってもらおうかの、とトラおじじがぽつり。ランクCなら不当な扱いも受けんじゃろし、情報収集担当できんかの…とぼやいている。

そんな中、ぽつりとキュウヤが呟いた。


「しかし、ルビナリオの冒険者ギルドは何でこんな事をしているんだろうね。不正を犯してまで金稼ぎ?クランを巻き込んで?

ダンジョンのある街ならそもそもの人の出入りが多いだろうし、そうなると人の移転もしやすくなる。となれば情報も外部に流出しやすい。他の支部にやってる事がバレるのも時間の問題だろ?詰めが甘すぎる。

…いっそ、別の狙いがあると勘繰りたくなるね。」

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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