一章:魔法使い、実験用畑の状態を聞く。
祝!50話達成!
ここまで続けてこられたのは読んでくださった方がいてくださるおかげですー!ありがとうございますっ。
キュウヤの微笑みに一瞬見惚れていたであろう受付の人。すぐに気を取り直し、勇者や魔法使いの故郷の言語の事について詳しいのですね、とこちらに告げる。
詳しいも何も、とミルキィは思う。魔法使いだからねぇ。なんなら出身地だ。思わず明後日の方向を見て苦笑したのは不可抗力だと思いたい。他の面々も苦笑してる人がちらほら。
無難に、色々学びましたから、とキュウヤが告げ。そろそろ訓練場に行ってきますね、と受付から離れる事を告げる。まぁ、嘘は言ってない。
受付の人にお礼を告げて、旅人達は訓練場に向かう事に。一先ず、解体部屋につながる扉から中庭の方へと出る。
解体部屋よりも更に中庭を通った向こう側に、5メートルほどの木製の高い壁が見える。おそらくあそこが訓練場だろう。高い壁なのは、長射程武器の誤射で近隣に迷惑をかけないためと、音対策あたりであろうか。後は、高い壁だと、周囲の目線遮るのにもちょうど良いだろうか。訓練中に周りから見られたら気が散って怪我の元になりかねない。
中庭を進み、解体部屋の先の昨日シルト達が実験用の畑を作っていたところに、二人ほどいるのが見える。ノルキスタ冒険者ギルドのギルドマスターのトラッカ・ベル・ノスターヴェと副ギルドマスターのドレグ・アルヴァーノだ。近くに魔道具が置いてあるので、大地のマナ量を計測しているのだろうか。
「トラおじじとドレグなのだ。こんにちはー!」
「おお、こんにちは皆様方。今日は初心者講義でしたなぁ。これから訓練場に行くところのようですなぁ。わしらは朝から何人かのギルドの職員に協力してもらって、昨日の大地への祈りで大地のマナ量が変化しとるからどうか継続中なんじゃよ。」
にこにこ笑顔で、シルトの挨拶にトラおじじが返す。なるほど、昨日の話の検証中でしたか。
魔道具の計測結果を表示する画面から旅人達の方へと顔を向けたドレグが、告げる。
「祈りの前後で、大地のマナ量の増加は確かに確認できました。祈りは参加してくれたギルド職員達の体調の変化は見られず、大地への祈りは収穫量増加への手法としては有効ではないか、というのが今の見解ですね。
祈りでのマナ量増加は認められたものの、そのマナが空気中に抜けていくのか、日が経つにつれどう変化していくかもまた、計測を続けねばなりませんね。」
「頑張れなのだー。結果はまた教えて欲しいのだ。」
「それはもちろん。お約束します。」
ドレグとシルトが今後の展望も含めた会話を行い、約束を交わす。二人の会話がひと段落したところで、キュウヤがドレグとトラおじじに問う。
「ところで一つ聞きたいんだけど、いいかな?」
「わしらに答えれるかどうかはわかりませぬが、構いませんぞー。」
「アビリティについてなんだけど。一般的にアビリティに属性はのる?」
スキルとはその人が有する能力全般を指し、アビリティとは能力から派生した、技術自体、あるいはマナを用いた技術のことを指す。要は技がアビリティである。
どのようなアビリティが発現するかは人それぞれである。どのようにそのスキルを使ってきたか、他のスキルと組み合わせたりしなかったか、と言った要素もまた、どのようなアビリティになるか影響していくのだ。
現状旅人達が知っている範疇ではあるが、この領域で属性攻撃が可能なのは精霊術だけである。つまり、精霊を介さないと属性攻撃は出来ない。
そもそもが領域外の存在である勇者と魔法使いについては、自らマナを変換する事で属性攻撃が可能である。
「ふむ、アビリティに属性はのせられませんな。それが可能なのは勇者と魔法使いですなぁ。」
「なるほど。ありがとう、トラおじじ。」
「ふふふ、構いませんのじゃ。ところで、どうしてかような質問を?」
にこにこ笑顔で、トラおじじがキュウヤに問う。にこり、とキュウヤも微笑んで。
「ちょっと訓練場で、属性付きのアビリティ使おうと思いまして。多分そこまで激しい音は出ない、はず。」
「…皆様方、本気ですかの?」
そっと、トラおじじの瞳が真剣なものになる。そりゃあね、昨日開示しない方向性だったからね。
それにトゥエラの話的に恐らく、トラおじじは旅人達の後見人である意識もあるのだろう。そりゃあ方針が気になるよね。
「この町の、ノルキスタの人なら、バラしても大丈夫って結論になったからねぇ。この町の人なら、魔法使いだからって知っても、多分何にも変わらないだろう、って判断。
ま、他の街の人にお話ししなければいいよ?」
ふんわりと微笑んだまま、キュウヤが告げる。はふり、とトラおじじが一つ息を吐いて。にこり、と、笑った。
「皆様方の判断に、この町のものとして感謝を。…ところで、わしらも見学してもええかの?」
「他の新人さん達が緊張しない程度に、ですかねぇ。こちらとしては特に反対意見はないです。」
「んむ。ドレグ、今後そうそう見ることもないじゃろうし見学しに行こうかの。この後、ギルド職人に祈ってもらう予定なかったじゃろ。」
「ありませんし、魔法使いの属性付きアビリティでしょう。とても、見たいです。魔道具はしっかり持っていきますので、行きましょう!」
そんなわけで、旅人達一行と一緒に、ノルキスタ冒険者ギルドのギルドマスターと副ギルドマスターも一緒に行く事になりました。
ローナ、遅くなったけど今行ってるからね…!
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




