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一章:はじめまして、冒険者。

説明回の間ののっと説明回。

また次回は説明回に戻ります。

周辺探索したり、畑で色々試したりして、サバイバル生活…もとい旅開始から7日目。

情報も色々溜まったし、食糧も素材も溜まってきた、という事で。そろそろ人里へ向かおうか、と前日に全員で話し合って決めたところである。

太陽の下で一つ背伸びをし、さぁて、色々片付けるか、と洞窟前から移動しようとしたところ。


「はわわわわ、立派な畑があるー!?」

「森で叫ぶんじゃねぇ!」

「リーダーもだよっ。」


大声を上げた桃色の瞳の女性と、リーダーと呼ばれた栗色の瞳の青年と、がん!と痛々しい音を立てて二人を短杖で殴る深緑色の瞳をした青年がいた。…森で叫ぶと魔獣が来るリスクがですね…?〈捜索〉結果的に近場に魔獣がいなくてよかったとは思うが、全然良くない。

よく見るとちょっと離れたところにひいてるであろうトルマリンブルーの瞳の女性もいる。こちらの女性は大ぶりの杖を持っていて、着ている衣装も白を基調とした神官風だ。…いや、神官なのか…?


「静かに…。」

「いやいやいや、ちょっと無理。だいぶ無理。」

「こんな豊作な畑、久々に見たのよー!」


まさかの現地民との初遭遇である。に、にぎやかぁ…。桃色の瞳の女性なんて身振り手振りまでつけて興奮を伝えているが、神官風の女性は淡々と、そう、とだけ告げる。

内心ひいていたら、洞窟内を片付けていた面々も顔を出してきた。そして彼らも見つける、畑に大興奮していらっしゃる御一同。


「何事?」

「…第一現地民に発見されたっぽいよ…?」


課長の言葉に答えた声が、思わず震えてしまったが不可抗力だと思う。この状況、〈捜索〉で悪意のない人族を省いて感知していたから、近くまで来ている事に気付かなかったせいか。


「もう、皆、そろそろ静かにしてっ。こちらの方達に挨拶しないとっ。

突然やってきて、しかも賑やかにしてしまってすみません。」


やや他の面々と比べて身長低めの、瞳が深緑色の青年が、ぺこりと頭を下げて丁寧な謝罪をしてくれる。

それを見た他の面々も口々に謝罪の意を述べて、頭を下げていた。


「大丈夫大丈夫、ちょーっとびっくりしただけだから。魔獣も寄ってきてないから問題無し!」


ね、とミルキィ達の方を振り返りながら、課長が色素の薄い銀髪を翻し、にこにこと笑顔を浮かべて彼らに近付く。

課長の言葉に声の大きかった二人が、あわあわし出し。ツッコミ担当であろう深緑色の瞳の青年が、軽く肩を叩き、先程の声とうってかわって低い声でツッコむ。


「今更かいっ。」

「トゥエラ。それも大事だけど、説明がそろそろ互いに欲しい状態じゃないかしら。」


冷静な、トルマリンブルーの瞳の女性の言葉に、トゥエラと呼ばれた深緑色の瞳の青年は、背筋を伸ばす。


「改めまして、トゥエラ・ハルパ、と言います。」

「エデュライナ・トワ・レストです。…〈隣森族〉よ?」


トルマリンブルーの瞳の女性…エデュライナは背筋を伸ばし、姿勢正しく美しい会釈をする。さらりと艶やかな銀髪が流れて、隠れていた耳が露出する。尖った耳、右耳にはマリーゴールドに似た空色の花が咲き誇っていた。

トゥエラとエデュライナの横に、ちょっと緊張した表情を浮かべた栗色の瞳の男性と桃色の瞳の女性も並んだ。


「ルビナ・レストです。こっちがうちら〈森の輪〉のリーダーしてるアトラです。」

「アトラ・クロンだ。ルビナがこっちから美味しい香りがする、って言うから来たら立派な畑ができてて、びっくりしちまった。」

「ほんとほんとっ。こんなところにこんな畑あるなんて知らなかったー。」


賑やかに、にこにこと。ルビナとアトラは畑の作物を気にしつつ。よろしくお願いします、と手を伸ばす。

課長が代表して握手を交わし、ミルキィ達もそれぞれ自己紹介をして。いつの間にか洞窟内に戻っていたキュウヤが、お弁当用に多めに作っていたガバン芋を使ってお餅風にし、ソテを煮詰めて味を整えたソースをかけたものをいくつもの小皿にのせて戻ってきた。片手には小ぶりの机も抱えて。

一緒に準備しに行ったのだろう、水の入った壺と柄杓、木製コップを抱えたロヴェルとルディも一緒だ。


「色々聞きたい事もあると思うんだけど。ここまで来るのに時間もかかっただろう?よかったら先にこれでも食べて?苦手だったらごめんね?」

「わぁい、ありがとうございますー!」


机を置いて、ことりとお皿を置いて料理を薦めると、ぴっかぴかの笑顔でルビナが喜ぶ。みんなも貰おうよー、と〈森の輪〉の他のメンバーに声をかけて。ことり、コップも置かれて。ちゃぷり、と水が注がれる。

近場の畑班や解体班の使っていた椅子を急いで机の周りに置く。…四脚分しかないね?

お客さんに椅子を勧める。お先にどうぞ。

にこにこ笑顔ですすめると、ありがとう!と満点笑顔で座る二人、静かに着席する一人、おずおずと座る一人。

食物への感謝の祈りを捧げて。ひとくち食べて、上がる美味しいの声。


「追加の机と椅子準備してきます。」

「クロムー、オレも手伝うぜー。」

「ノート、クロム、よろしくね。」


ありがとう、ノート、クロム。小柄な金髪の少年を追うように、ひらひらと手をこちらに振りながら銀髪の青年が洞窟の中に戻る。


「さて、あなた達もあたし達に色々聞きたい事があると思うんだけど。」

「そうですね。」

「あなた達は、冒険者って事でいいのかな?」


課長の言葉に、なんとなく緊張感が抜けていないトゥエラが返す。

森の中だ。完全に気を抜かないのは正しい。

トゥエラはこくりと頷いて。


「そうです。あなた達は?」

「旅行者だよ?」


…自分で言うのもなんだが、洞窟で過ごしてる自称旅行者って、怪しいな?


読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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