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一章:魔法使い、保護体制について学ぶ。

公園で〈森の輪〉の昔話を聞き、お昼ご飯を食べて木のお椀を屋台に返しに行って。

スープは野菜のお出汁が溶け込んだちょっと酸味のあるスープでした。意外とイケる味でした。

そして今現在、冒険者ギルドに向かっている真っ最中になる。

現在時刻、昼の刻4時半頃。冒険者ギルドに着いたら、ひとまず森で〈森の輪〉が倒した魔獣と、適度に旅人達が森で倒した魔獣を売却する予定である。〈砂哭蛇〉とか。ミルキィ的には、〈砂丸亀〉の甲羅とかどんな評価になるのか楽しみである。

また、〈森の輪〉にも相談して、〈歩行樹〉の胴体部分丸々一本提出してみる事になった。〈歩行樹〉の板の入手難易度の高さを数刻前に話し合ったばかりではあるのだが。トゥエラ的にはあの巨大な〈魔猪豚〉を倒したのがミルキィだと、町の冒険者に情報が出回っているだろうから、少々倒すのが大変な魔獣を売却しても問題は無いだろうとの事。むしろ推奨された。


「経験上ノルキスタの住人だと、〈収納術〉持ちだとなんだかんだ驚かれても、最終的に凄いね、で済むのですが。

よその街から、稀な〈収穫術〉持ちをどうにかこうにか利用しようとする考えを持つ商人も来ている可能性も否定できません。

その為、駆け出し冒険者が狩れないような、しかも状態の良い魔獣を解体に出せば、ある程度の自衛が可能かと。」


以上、トゥエラが強い魔獣を解体に出す事を勧めた理由である。真剣な眼差しで旅人達に告げており、そういうことも考えていかないといけないんだねぇ、とルビナが呟いた。

なお、冒険者ギルドに所属している現状、魔法使いである事を明かせばある程度悪意は蹴散らせるかと、と追加情報が。講義で話される内容なんですが、とトゥエラが前置きしながら話す内容としては。

冒険者ギルドに魔法使い及び勇者が所属したら、冒険者ギルド本部が後ろ盾にいるも同然の状態になるらしく。支部のギルドマスター達も後見につくだろうとのこと。その状態で魔法使い及び勇者を害する者が現れたら、冒険者ギルドが敵にまわるとのこと。

冒険者ギルドとは、国を跨いだ国という枠組みに属しない互助組合でもある。様々な街町に支部を置き、魔獣討伐や商人の護衛、薬草採取やはたまた小さなお願い事まで依頼として取り扱い、街町に貢献している組織である。

では、そんな冒険者ギルドを敵に回すとどうなるか。結論、冒険者ギルドの撤退である。範囲は敵に回した相手がどの程度の影響力があるかどうかで変わるらしい。例えば一商会であれば、そこの護衛任務依頼は受け付けず、冒険者に持ち込まれた魔獣素材や魔石をギルドがその商会に卸す事がなくなる。町ぐるみや、貴族だったりしたら、そのエリアから容赦なく冒険者ギルドが撤退するのだ。そして、冒険者がいなくなる。軽い扱い任務から魔獣討伐をしてくれていた存在がいなくなるのだ。また冒険者ギルドは支部のある街町にそれなりの金額を納税しており、その分まるっと収入がなくなる事になる。

なので、割と真面目に、商業ギルドと所属する商店や行商人達には、冒険者ギルドを敵に回すな、という申し伝えがされているとか。ロサからの情報であると、トゥエラが教えてくれる。

思った以上に魔法使いと勇者への保護体制がしっかりしてる、気がする。


「後はそうですね。勇者や魔法使いに、知識や所有品などを無理矢理提出させてはならない、という国際法が存在します。

なんでも、昔々に魔法使いに無理矢理知識を出させて、自身の領地を栄えさせるために強制的に働かさせていた貴族がいたのですが、それを知った神々が怒り、神罰を落とした、という逸話が残っています。その為、国々が話し合った結果、勇者や魔法使いに無理強いしない、という法則を定めたらしいです。」


小声で、トゥエラが教えてくれる。経験則で手厚い保護制度が存在するのか。思わず顔が引き攣ってしまった。


「とりあえず、対外的に戦闘能力を見せつけていく方向で。」


キュウヤが結論を出すと、旅人達は全員頷いた。


「ならば、もっと強い魔獣の素材を出した方がいいだろう。

問うが、〈巨岩山鳥〉の素材は牽制に使えるか?」


フォードの問いに、〈森の輪〉の面々が固まる。やっぱり、2段の魔石が取れたぐらいだから強いのだろう。


「あるん、です…?」

「羽根でいいなら、いくらでも。」


おそるおそるのトゥエラの確認に、フォードは問題など何も無いかのようにこくりと頷いた。


「個体、個体の強さによって素材の値段も変わるんですが…本来、〈巨岩山鳥〉は攻撃力は同じランク帯の魔獣よりも若干弱めではあるんですが、空を自在に飛び回るため、討伐難易度が非常に高く、羽根といえど無傷の状態の良いものが出回る事は稀です。〈歩行樹〉の一枚板が出てくるのと同じくらい稀、と思っていただいても。」

「〈巨岩山鳥〉の高い買取部位…頭の飾り羽根、長い尾羽は貴族夫人の装飾品として人気。風切羽根と爪は武器素材としても人気。」

「尾羽も頭の飾り羽根も討伐の際に攻撃に巻き込まれて折れる事が多く、風切羽根は飛び回る〈巨岩山鳥〉を地面に落とす為に攻撃される事が多いです。また、爪は〈巨岩山鳥〉がそもそも攻撃手段として用いているので、これまた攻撃して破壊する事が多いんですよ。」


トゥエラとエデュライナの言葉に、ふむ、と、フォードは呟いた。


「それらの素材だが、問題なく、無傷であったはずだ。」


フォードの言葉に再び、〈森の輪〉が言葉を失う。

両眼射抜いて、胸を射抜いて討伐してるから、ほぼ無傷という。空から落下した時に胴体部分の羽根はいくらか折れたけど、エデュライナが上げた素材は完全なる無傷だ。

売るか、と静かにフォードが呟いた。果たしていくらになるのか。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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