表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/77

一章:魔法使い、商店街をのぞく。

昼食は、食堂で食べるにはちょっと人数が多いので、露店で買い食いをする事にした。15人分の席がちょうど連続で空いている気もしないし。

露店で何を売っているのかと聞くと、全粒粉のパンに味付けをした肉や野菜を挟んだものや、芋を揚げて味付けしたものなどがあるとの事。美味しそうですね?スープも売っている露店があるとの事で、わくわくです。

商店街のように軒を連ねている店舗を見ていると、武器屋や防具屋があちらこちらにある。駆け出しの冒険者的にはどこ選ぶかすごく悩むだろう。作っている武器防具を並べている店舗もあれば。オーダーメイド専門店なのだろうか、武器防具を取り扱っている看板が出ているのに店舗内に武器防具が並べられていないお高そうな雰囲気を漂わせている店舗もある。

他には食材を取り扱う店舗や酒屋、家具調度品を取り扱う店舗、魔道具屋に雑貨屋、野営道具の専門店や、服屋に手芸店、本屋や食器店もある。服屋は古着屋もあるけれど、新品の洋服を取り扱っている店舗もある。値札を見るに、お値段、古着の2、3倍ぐらい様子。

新品の洋服を取り扱う店が街道に近い方にあるのは、街道を移動する役人や商人狙いだろうか。貴族とか偉い人に対応するなら洋服は新品の方が印象がいいだろうし。

店舗と店舗の間の細道に入れば、高級路線の宿屋や様々な価格帯の食堂もあるとの事。街道利用者狙いですね?

武器屋や防具屋の近くの細道の奥には、様々な工房や原材料を取り扱う卸問屋があるそうで。トロパ鉱石買えないだろうか。武器とか防具とか魔道具作るのに他の材料は〈収納〉の中に色々入っているのだが、この領域特有の鉱石は流石に買うしかない。

道路から家具屋を覗くと、通常の木材にまざって、魔獣素材の家具も置いてある。森で見かけた木々の木材で出来た食卓机が小銅貨1枚で、お揃いの椅子が一脚大鉄貨3枚。森で遭遇する魔獣である〈歩行樹〉の木材で作られた食卓机が銅貨1枚で、お揃いの椅子が一脚小銅貨3枚…?

…〈歩行樹〉の素材ってもしや高いのだろうか。一体分だと食卓机を作れるぐらいしか素材取れなかったのだが。〈歩行樹〉どころか、〈大歩行樹〉までそれなりに狩ったぞ…?確かに魔石はそれなりに大きかったのだが。さらに言うならば、洞窟に置いてきた家具や、キュウヤの〈収納〉に入っている椅子や他の家具は〈歩行樹〉の素材で作ったものである。程よく水分抜けてて、すぐに加工できて便利だったのだ。

ちなみに、〈歩行樹〉とは歩く木の魔獣である。移動できるトレント、という表現が近いだろうか。

ミルキィが家具屋を覗いているので、他の旅人達もそっと覗き込んで、値札と材質を確認して互いに顔を見合わせている面子がちらほら。


「トゥエラさんやトゥエラさんや。」

「どうしましたか、スノゥさん。」

「〈歩行樹〉って、お高い素材?」


トゥエラの後ろから、スノゥがぽんと肩を叩く。

〈歩行樹〉ですか?ときょとんとした顔でトゥエラがスノゥの方を振り返った。


「えーと、まず大前提として、〈歩行樹〉はうちのパーティーだと、まだ素材を確保できる相手ではないです。

ランクCやBの冒険者パーティーで上手く倒せれば杖にできる素材ぐらいは手に入るかなぁ、って言う相手ですね。推奨討伐方法自体が精霊術で燃やすか、少しずつ〈歩行樹〉の体を削っていく方法なので、割と一枚板を入手する事自体が難しいです。

あちらの家具屋の〈歩行樹〉の家具も一枚板ではなくて、小さな板をいくつも重ね合わせて〈水様態〉の体液で固めて頑丈にしたものを使っているんですよ。」

「…一枚板だと、もしや、更にお高い?」

「高くなりますね。

机の天板として使える程の板は入手難易度が高いですし、希少です。素材を最大限に入手しようとしたら一撃必殺で一点突破がいいんでしょうが、当然戦闘技量もかなり要求されますし、それだけの力量を持つ冒険者に依頼するなら当然依頼料がかなりかかるでしょうね。」


トゥエラの丁寧な説明を聞いて、旅人達が何人か明後日の方向を向きはじめた。

その様子を見て、〈森の輪〉の面々も察知したらしい。小声でトゥエラが確認をとる。


「…あるんですね、一枚板。」

「なんだったら〈大歩行樹〉のもあるし、なんだったら家具に加工したやつ、みんな見た事あるし、なんだったら使ったんだよ…。」


小声でスノゥが伝えると、は?とトゥエラの表情が固まった。

まさか、とエデュライナは空を見上げている。


「もしかしなくても、キュウヤさんの〈収納〉に入ってる家具って…。」

「考えている通りかな。」


ルビナがキュウヤの方を見て聞くと、苦笑を浮かべて頬を掻きながら、肯定し。


「あの、まさか、洞窟の…。」

「そのまさかなんだよなぁー…。」


アトラがノートの方を向いて問うと、これまた苦笑して肯定する。

困った顔をして、クロムがぽつりと呟いた。


「トラおじじに置いている家具の素材伝えておかないとまずそうですね?」

「冒険者ギルドに行ったら伝えましょう…。」

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ