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一章:魔法使い、見学許可を得る。

はじめて、予約投稿機能を使いました。

はぁ、とひとつため息をつき、こちらを一瞥してからトゥエラが告げる。


「ヘルロットさん、こちらの方達、割と突拍子も無いことを言ってますよね。」

「そうだよー、魔剣が作れるとかなにそれー?って感じだよー。」

「そうですよね、聞いたこと無いですよね。」


うんうん、とヘルロットの言葉にトゥエラが頷くと、こちらを振り向いた。


「…伝えちゃってもいいですよね?」

「そっちの方が話が進みそうなら?」


トゥエラの提案に、ゆるりと小首を傾げながらキュウヤが答える。

なに、なに?とヘルロットが周りを見回し、横に座っているテオラルテがああ…と視線を宙にそらす。


「ヘルロットさん。大前提として、ここからの話は他言無用でお願いしますね。」

「え、なに、なにー?何言われるの、何言われるのー?」


ゆるゆるで揺るがなかった雰囲気を纏っていたヘルロットが、あわあわとし始めた。まぁ、他言無用とか言われたらそりゃあびっくりするよね。

…これだけ狼狽えとるヘルロットなんぞ見たこと無いぞ…?とテオラルテがぽつり。

そんな中、大変にこやかに、トゥエラが告げる。


「この情報は今のところ、冒険者ギルドのギルドマスターと副ギルドマスター達、テオラルテさんとレディトラスさんしかまだ知らない情報なんですけどね?」

「やばいお話ならー、ききたくないんだけどー。」

「残念ですが、もう巻き込まれてますので強制です。もう先程のキュウヤさん達の話聞いてますからねぇ。再現できるかはともかくとして。」

「…どゆことー?」


笑顔は崩さず、話す言葉は穏やかで。しかし、どことなく圧を感じるのは気のせいなのだろうか。

気軽に魔剣修復できるよ宣言はダメですか、ダメだったんですか?目を丸くして、キュウヤとルディは互いに見合わせた。


「さて、ほぼ知る人のいない事実なんですが、これが大前提になります。ちなみにこの話が他言無用の範疇ですね。」

「まわりくどいねー。」

「では簡潔に。…こちらの皆様方は、魔法使いですよ?」

「…は?」


目がこぼれ落ちそうになる程見開いて、ヘルロットはトゥエラの方を見た。。ゆるゆるだった口調が、どこかに行くほどの衝撃を受けているのだろう。

つくづく、魔法使いも会うの稀なんだなぁ、と感じさせられる。


「…魔法、使い?」

「はい、魔法使いです。魔法行使に関しては、〈森の輪〉が確認済みですので、魔法使いを語っている誰か、という線もないです。」


更にトゥエラが言葉を重ねると、徐々にヘルロットの瞳に輝きが増していく。手のひらを打ち合わせて、嬉しそうな笑顔だ。興奮からか、頬に赤みが差して、血色が良くなっている。

お、おお?どうしたヘルロット?とテオラルテが戸惑っている。


「魔法使いなんだねー。昔の文献に魔法使いだったか勇者だったか忘れたけどー、加工技術を教えたら魔石1段以上でも加工できたー、って記述があるんだよねぇー。

できるー?できそうー?」

「実際の加工手順を見ないと判断できないけれど。まぁ、可能だろうね。」


きらっきらの瞳を向けて、こちらの方に問いかけてくるヘルロット。にこりと穏やかに微笑んで、キュウヤが答える。キュウヤの言葉にますますヘルロットの瞳が輝く。


ヘルロットの話曰く、恐らく、一般的な精霊使いよりも、勇者や魔法使いの方がマナ総量が多いのだろう。魔石を付与の核に加工するには、マナをじゃぶじゃぶと消費せねばならず、当然、加工担当は相応のマナ量を供給できることが求められる。

そも、マナとはなんぞや、という話だが。マナとは生けとし生きるもの全てが、身のうちで生成する生命エネルギーみたいなものである。人も動物も植物もマナを生成している。マナは生きる限りえんえんと生成され続け、一定量は身のうちに溜め込んでおける。余剰分は生命体の体の外に放出され、大気中に溶け込み、静かに大地に吸収され、最終的には地中奥深くで世界の根底で流れる血脈のようなマナの通り道…〈龍脈〉の一部となって世界を循環し、マナをゆっくりと消費しながら世界を安定させていくのだ。ただ、現在のこの領域では、大気中、地中のマナ量が低下している。恐らくだが、〈龍脈〉を通るマナ量も少なくなっているだろう。マナを溜め込む性質のある魔獣が劇的に増えたという話は聞かないので、また別の原因なのだろう。

さて、少し話を戻すが。人によってマナを生成できる量、生成できる速さ、身のうちに貯め込める総量が違っている。マナに関する能力が高いと、精霊術師や神官、付与師や魔道具師として活躍しやすい。保有しているスキルとの兼ね合いもあるが、この方面の職業に就くことは期待されやすいだろう。


「可能ー?可能性があるなら、魔石1段以上で核を作るところ見てみたいー!」

「では、作業しているところを見学させていただいても?」

「わたしは大歓迎だよー!いいよね、テオラルテさんー!」

「ああ、構わんが…これ、ヘルロット、わしの体を揺らすでない!」


テンション上がっているヘルロットが、がっしりとした体格のテオラルテの体を掴み、ぐらぐらと揺らしている。どこからそんな力を出しているんだ。

何はともあれ、見学許可でたので、まぁ、良いか?

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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