一章:旅?二日目開幕。
キュウヤに示された洞窟を11人総出でリフォームして居住空間を整え。ついでに洞窟周辺を整備して畑も作り。
周辺を歩き回り、観察し、時に〈鑑定〉しながら情報を集め。
旅二日目に突入です。…旅行というかこれ、サバイバル生活では?
それはさておき。
昨日の情報収集で分かった事は、
・マナ不足は確定。原因は自然なものではない。
・薬草があまり育っていない。回復薬などの薬の流通が減少していそう。
・森の実り不足で野生動物も減少。つまり人里の食料も少ない。
・ただし、魔獣は出る。食べられるもの食べられないもの半々なため、食料事情改善の手段としては厳しい。
・様々な種類の魔獣がいるため、ダンジョンが近くにある可能性あり。詳細を調べるのは人里に行ってから。
である。
さらにいつの間にかシルトが種を拾ってきてて、アヤナとフォードを巻き込みながら畑で実験をしていた。
結果はこちら。
・一定量のマナを大地に注げば作物は育つ。土壌改良は不要な様子。
・一定量のマナを大地に注いだが、薬草は作物に比べると育ちにくい。地中にある程度マナを保持できる何かが必要な可能性あり。
との事。
うーん、一日目にして色々働いてるなぁ。
…そもそも〈鑑定〉、〈探索〉とはなんぞや?と思われるだろう。あと魔獣か。
簡単に説明すると、今回の旅に出た11人は自前のスキル持ちで、そのうちの一部が〈鑑定〉や〈探索〉。異世界召喚モノやら現代ダンジョンモノで神様に貰ったり、オーブで習得するスキルがあると思うが、それと似たようなものである。
〈鑑定〉は対象の詳細を見る事ができたり、〈捜索〉は周辺環境をその場にいながらある程度把握できたりするスキルである。情報量は使い手の習熟度によるけれど、習得していたら便利なスキルである。なお、11人全員習得済みである。じゃないとサバイバル生活が大変な事になりすぎる。
魔獣とは突然発生した、既存の生態系に関与しない生命体である。繁殖行動なし、魔石と呼ばれる石のような器官を体内に保有し、時にダンジョンから溢れてくる事もある、人類に敵対する生命体。力量には種族差も個体差もあり、以前対峙した種族だから、と侮ってはいけない。人里離れた場所では殊更警戒を怠ってはいけない原因の一つ。
そんな魔獣を依頼を受けて狩ったり、ダンジョンに潜って攻略していく人々もいる。冒険者である。
魔獣は狩れると素材が手に入る。他で代用できない素材が多いため、一定の需要がある。ものによっては高額で取引されている。冒険心を満たせ、一攫千金の夢を追えるロマン職とも言えるのが冒険者である。地道に地力をつけたり、装備揃えたりする必要があるので、輝きの裏の準備が大変だったりするのだが。無論、怪我のリスクだってある。輝かしいだけではない。
人里に向かったら、全員で冒険者になる予定である。探索中にも魔獣と遭遇して討伐したから、売れるものは売りたいからね。お金もね、稼がねば。
今日の仕事としては、昨日狩った獣型の肉の部分以外を選別中。お肉は調理して美味しくいただきました。残ったお肉はキュウヤが干し肉加工してくれている。皮をどうしようか考えていると、足音が近づいてくる。
「ミルキィ、狩った魔物から得られた魔石をいくつか貰っても良いだろうか?」
畑班のフォードである。シルトの主張でアヤナとフォードの三人がメインで畑作業をする事になったのだが。
「ちっちゃいのから持っていってもらえると嬉しいかな?薬草用?」
「ああ。魔石をすりつぶし、土壌に混ぜ、育成状態を観察する。一先ず、小さいもので状態を確認したい。」
こくりと頷きながら、こちらの問いに返してくれる。
なるほど。土壌中のマナの保有量維持のために粉砕した魔石を使うのか。それなら小さいほうが砕きやすい。
さて、魔石とは魔獣のもつ器官であり、マナを貯めておける性質を持つ。強い魔獣ほど、大きく、マナの保有限界量も高く、輝きの強い魔石を保有している。大きな魔石ほどお高く取引されている。利用法としては、一般的にマナを消費して使う魔道具の取り替え用の電池として用いられる事が多いらしい。大きな魔石は装飾品としても使われるそうな。
いくつかの魔石を渡し、ついでにすり潰すための薬研も渡す。助かる、と受け取って、フォードは畑へ。頑張れー、と手を振りながら声を掛けた。
こちらはこちらで作業を進めなければ。木桶の中にたぷたぷと揺れている水の中にちゃぽんと骨をつけて。骨についている肉片をこそぎ落としながら骨を洗っていく。肉片をこそぎ落とすのは保存性を高めるためだ。そのまま放っておくと腐ってすごい匂いになるからね。
ちゃぷちゃぷと、水面が揺れる。ゆらゆらと。
濁った水は洞窟から離れた場所に、穴を掘って捨てる予定だ。流石に、魔獣の気を引きそうな生ゴミを近場に捨てる気はない。
さて、更に木桶を追加して、皮の処理もはじめていきましょうかね。
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




