二章:きみとあなたと、こんにちはを。2
新しい人々が増えていくターンに入りました。
ウィルフェアは、トラおじじとドレグ、〈森の輪〉に向けて告げた。
〈森の輪〉は早速会ってみたい雰囲気を見せていたが。トラおじじは幾許か思案した後、キュウヤの方を見た。
なお、ドレグは実家に説明しないといけない事が増えたので、内容を纏めるのに集中してしまってウィルフェアの確認どころではない様子である。
「おおよそ、話した方がいい事項は話し終わったのかの?」
「おそらく?準備段階で話さないといけない事も、決めないといけないのもこれ以上はないはず。トラおじじ達もないよね?」
「んむ。頼みたい事も話したし、結論まで聞いたしのぅ。」
「確認事項が増えたらまた明日、オートラナの冒険者登録作業の時に話せばいっか。」
トラおじじとキュウヤが、互いに情報確認をし合い。この面々での話はここで一区切りだと明確にしたところで。
「呼びます?」
「呼んでもらえますかのぅ。」
キュウヤの問いに、トラおじじが一つ楽しそうな微笑みを浮かべながら頷いた。
「それじゃウィルフェア、エルフェンテにこれから呼ぶからね、と連絡をしてもらえる?」
「キュウヤ様、承知致しました。」
再びキュウヤの背後に立っているウィルフェアに声をかけて。
キュウヤは椅子から立ち上り。先程ウィルフェアを呼び出すために〈召喚〉もどきをした場所、ギルドマスター室の片隅に立ち。少し上の方に手を振る。
ぐわり、と。
ウィルフェアを呼び出した時と同様に、何もない空間に真っ暗な穴が開いた。
「開きましたね?」
矍鑠とした老婦人の声が、ギルドマスターの部屋に落ちる。それと同時に、空間に開いた穴の向こう側に背筋のまっすぐ伸びたメイド服に身を包んだ歳を召した女性が立った。
紫の瞳は知的な光を帯び、長い銀の髪を三つ編みにしてお団子状にまとめているオートラナの女性は。旅人達にとって頼れるメイド長のエルフェンテ・ルフェラである。
とん、と軽く空間の縁を踏み。裾が捲らないように配慮しつつ、軽やかにギルドマスター室の床は足をつける。
「お初にお目にかかります、皆様方。私はエルフェンテ・ルフェラと申します。お見知り置きの程をよろしくお願い申し上げます。」
表情が微笑みに揺らぐ事はなくほぼ真顔状態で、それはそれは綺麗なお辞儀を見せながら挨拶をするエルフェンテである。
〈森の輪〉が口々に挨拶の声を交わし。トラおじじもよろしくの、と声をかけて、ドレグがエルフェンテに気付くように軽く肩を叩く。
遅れて、ドレグもよろしくお願いします、とエルフェンテに伝えた。
「オートラナを一時的に派遣して欲しい旨を、ウィルフェアより伺いました。基本的に情報共有業務及び、一人は冒険者ギルドでの書類業務、一人は冒険者稼業が主な業務内容とも伺っておりますが、こちら皆様方のご希望と相違ないでしょうか。」
「冒険者ギルド的には問題ないの。」
「〈森の輪〉としても、問題ないです。」
エルフェンテの確認に、トラおじじとトゥエラが頷いた。
「ご確認ありがとうございます。
本日皆様方にご紹介させていただきますオートラナは、それぞれ書類作業関連と野原や森林での作業に特化した二人になります。
ルオル、グラシャこちらへ!」
何もない空間に開いた真っ暗な穴に向かって、エルフェンテが二人の名前を呼ぶ。
はーい、と、新人冒険者ぐらいの年の少年の声が重なって。とん、とん、と軽やかに真っ暗な穴から二人のオートラナがギルドマスター室に降り立ち、エルフェンテの横に立った。
見習い執事服を身に纏った眼鏡をつけた少年と、ストールを巻いた少年である。なお、顔立ちは双子かと言いたくなるぐらいには似通っている。二人は兄弟みたいなもんだからね。なお、もう一人妹がいたりする。
「二人とも、皆様方にご挨拶を。」
「ルオル・ロッテです。書類作業が大好きですので、冒険者ギルドでの事務作業もお任せください。」
「グラシャ・ロッテです。野山を駆け回る事も植物の見分けも得意です。冒険者稼業も色々できると思います。」
よろしくお願いします、と、二人同時にお辞儀をした。
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