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プロローグ:始まりは唐突に、

久々に物語を書き始めました。

よろしくお願いします。

「旅行に行こうぜ!」


唐突なその一言。振り返ればいつだって、始まりは唐突だった。




「…いきなりどうしたの、課長。」


ぺっかぺかの笑顔を見せる少女(ただし最年長)にやや唖然としながらも問う。どうしてそうなった。

現在時刻は一応業務中。思わず昔馴染みの呼び方が出てしまった。普段ならまだ人数がいるこの部屋も、今日この時間においては課長と二人きりである。仕方ない、他の面子もそれぞれに仕事があるのだ。

こぽこぽと、水草がエアーポンプの泡に揺れて。もう少し先の休憩で飲もうと思っていたコーヒーが、ぽとりぽとりと抽出されている音がかすかに聞こえてくる。

はふり、と息をついて。持っていた書類を机の上に置いて、課長の話の続きを聞く。


「いやさー、だってさー、最近はルーチンワーク状態でさー。」

「いやまあ、確かにそれはそうなんだけど。」


平穏なのはいい事である、と思うのだが。

お陰様でしなければならない仕事量はトラブル発生時に比べると格段に少ない状態ではある。それも、パターン化した仕事だけだ。更に、忙しい時にはできない実験や情報確認も出来る。

思わず眉を顰めながら、少女の真意を確かめるべく、口を開く。


「しっかしなんでまた、旅行?」

「しばらくまとまったお休み、みーんなとってないじゃん?」

「確かにそうだけど。」


自営業みたいな日常。何かあれば即座に休日返上の仕事でもある。その上、頻繁にどこかに出掛けるあても無く。

結果、まとまった休暇などいつとったなどという記憶がとんとない。…一応ちょこちょこ休日はあるのだが。

ぺっかぺかの笑顔のまま、少女は続ける。


「だからさ、みんなで行こうぜ、異世界旅行!!!」

「ちょっと待て、課長!?決定事項なの!?行き先は!?交渉は!?それ以前に仕事は!?…あー、任せて行けばいいか。」

「そうそう。仕事はどうにかなる。どうにかなるなる!」


唐突である。しかしなんと無くそんな気はした。…確かに最近、旅をしていない。してはいないが、行き先異世界である。ここではないどこかである。普通、気楽に提案できる旅行先ではない。

…はたしてどこの異世界に行くつもりなんだこの課長。行く先によっては、色々調整も必要になるのだが。いや、ノープランでこんなとんでもな発言はしないだろうし…案外その辺りのあれやこれやはどうにかなっているのかもしれない。それに、ここにいないメンバーが関与している説も否定できない。

ただ、こちらに説明も何もない現状。思わずジト目で課長を見てしまうのは不可抗力であると信じたい。

説明を…説明をおくれ…!


「おおぅ、容赦ない視線だね!?」

「そうなるでしょ…。とりあえず、事情を話して貰おうかな!?」




結果。

わたし達11人で依頼付き異世界旅行が決定しました。…どゆことだ。

読了ありがとうございますー!

続き頑張りますっ。

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