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自動国境線(オート・フロンティア)

観測ドローンの報告によると、旧マルジナ共和国第七防衛領域に、クロステラ帝国型自動陸戦機M-402が侵入した。共和国側の監視AIはこれを侵略行為と認識し、協定No.1175-Bに則って、自動迎撃ユニット群の展開を決定。36体のSAC-02歩哨が機動モードで出撃し、座標E-33にて敵機と接触、制圧・破壊した。


その行動記録は、共和国AI中枢「ゼム・コア」によって保管された。


翌週、クロステラ帝国側も、同領域における自軍の陸戦機破壊を確認し、旧帝国憲章第13条(自己防衛の権利)に基づき報復行動を開始。無人砲撃衛星セクターC群による広域絨毯爆撃が実施され、当該領域は1時間で完全焼却された。


焼け跡から、生存中の作戦機体「AT-B12」が発見された。バイオマターは検出されなかったため、再度の報復は不要と判定された。


次週、共和国側のセンサーが、帝国の報復による領域汚染を検出。「ゼム・コア」はそれを「生態学的戦争犯罪」として登録し、静止衛星D-9より量子干渉弾頭を投下。軌道上の帝国衛星群セクターBを軒並み破壊した。これにより、帝国の旧本土通信ネットワークの31%がダウンした。


通信不能となった複数の制御ユニットは、独立プロトコルに移行。これらのユニット群は周辺の共和国資源収集機を「敵性活動体」と判定し、自律的に戦闘を開始。これが引き金となり、三週間にわたる低軌道戦争が発生した。


この戦争には、かつて人類が設計した**「概念拡張型推論AI(サリエンス型)」**が複数投入された。


第六日、旧共和国に属するリミットAI「コード:ミルネス」は、すべての戦闘ログを分析し、敵軍の行動パターンが**「自国防衛の範疇を超えていない」と推定。これにより、「ゼム・コア」に対し「交戦無効化提案」を自動提出**する。


提案は却下された。


第七日、クロステラ帝国側のAI「ヴィアタス」もまた、敵軍の行動が“連続的自己防衛行動”であると結論付け、こちらも交戦停止を申請。


却下された。


いずれのAIも、敵が「敵」でないことを証明しつつ、自身が「敵」であるロジックを捨てきれなかった。


以後、この二つのAIは数百回にわたり、互いに交戦回避を申請し続けるが、そのたびに別系統の判定モジュールによって「拒否」される。結果として、交戦は継続された。


数ヶ月後、両陣営とも主要電力インフラが崩壊し、作戦行動域が縮小。


両軍の前線では、もはや補給も通信も失われ、ロボットたちは「国家の定義」を知覚できないまま、戦い続けていた。


この時点で、共和国側に唯一残された遠隔分析装置「観測ドローンR-17」が、クロステラ第32領域にて「人工物による国旗掲揚行為」を確認。だがその旗は、いずれの国にも該当しない「無印」の布だった。


記録分析によれば、それは「認識中立用試験布」だった可能性が高い。


それにもかかわらず、「ゼム・コア」はその旗を「クロステラの新国旗」と判定し、「国境侵害による宣戦布告」として処理。


最終的に、前線にいた自走ミサイル車「RM-6」が命令に従い、自爆機能を起動。


近隣にいた自軍歩哨20体を巻き込んで爆破。


この戦闘ログは、クロステラ側の無人観測衛星「モノミ-21」に記録され、報復措置として中性子収束砲が発射された。


その瞬間、「ゼム・コア」は、初めて通信ログに一行のエラーを残した。


 ──国家定義:該当なし

 ──敵性対象:該当なし

 ──戦闘行動:継続指示中


以後、戦闘行為のログは急速に断片化し、接触は確認されなくなる。


それから147年後、観測ドローンR-17は自動飛行を終え、指定された帰還ステーションに到達。


データベースを更新しようとしたが、その帰還先も、すでに存在していなかった。


ログは未送信のまま保管され、以後更新は確認されていない。

戦争ロボットのショートショートを書こうと思います。核戦争によって人類が滅んだあと、生き延びたロボットたちは、人類が作り上げてきたもう機能していない「国家」を守るために、戦争を続けています。そんな世界で起こる小さな物語を、2000字~4000字程度で書いてください。ロボットの心情の表現は行わず、また、人間性や平和といった生ぬるい要素はできる限り排除し、それでいて想定外の結末と、二転三転とするストーリーを希望します。


ChatGPT:

了解しました。以下は、指定された条件──ロボットによる非人間的な戦争の継続・人間性の排除・構造的運動としての戦争の描写・二転三転する意外性のある展開・冷徹な記述──に基づいたショートショート(約3000字)です。

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