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風花雪月
風に静かに揺れる花
ただ儚く枯れるその時まで綺麗に
誰にも気づかれず明日の風を待つ
散った花は花とは言えず
その種を風に託す
花の香りを運んだ風は何処へ
時は四季を変え
夜月の顔を牡丹雪が音も無く邪魔をする
雪は風に舞い枯れた木々に冬の花に咲かす
白い雪面に僅かに灯るは月の姿
冷えた雪の香りは風の仕業
姿を消した種は花になるべく雪の下
遥か昔から月だけが見ていた風花雪
雪は溶け咲いた花
風が草木花弁を揺らし
雪の残る山にそれを運ぶ
遥か昔から月だけが知らない風花雪
風も花も雪も月も
幾度無く繰り返す終焉が訪れるまで
僅か先の明日に何を想うのか風花雪月