休話① 吸
「あ、ちょっと待ってくれ、これを忘れてた」
ゴールドキャノンが動かなくなったアンデッドに近づき手をかざした
「何してるんだ?ルド」
「呼び方それで固定なんだな…えー、何してるかって、魔力吸収だよ、魔力吸収。生命力を貰う代わりに魔力を与える約束だからな」
アンデッドから青紫色に光り輝くオーラが浮き出てゴールドキャノンの腕に吸い込まれる
「8、9、10…これで最後かな」
「お腹空いた〜!そろそろご飯にしよーよ二人共!何食べたい?」
「ふむ、ならばこの俺…」
「料理はもちろん私がやるからね?」
「…ではなくルドがやる」
突然指をさされ、ゴールドキャノンは目を丸くした
「え、お、オレぇ!?料理なんてしたことねぇぞ!?」
「ほら!ルド君もこう言ってるじゃん!無理だよ料理なんて!」
「今、なんて言った?ルドが料理できないだと?仲間を信じろステラ!」
「ええ…じゃあルド君、私の言う通りに手伝ってくれる?」
「お、おう…」
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「できたぞ…自信作だ!食ってみろキング…!」
豪快に焼かれたステーキを差し出した
「美味そうだな、よく作れたなこんなの」
「ルド君は上にパセリ乗っけただけだけどね」
「特にこのパセリが美味そうだ」
「おい」
「お前ら!冷めないうちに食え!きっと美味いぞ」
「む、わかった早速頂こう」
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「やはり美味いな、俺が見込んだだけある」
「オレが腕によりをかけて作ったからな!当たり前だ!」
「まあ…パセリ乗っけれただけでもキング以上ではあるか…」
「どういうことだ。それぐらい俺でもできるぞ」
「いや無理でしょ」
「なんだと?それぐらい俺でもできるぞ」
(そういえば俺はこんな喋り方だったか?こんな事になってから俺は変わったな。しかし悪を滅ぼすためには己の信念さえあれば良い。待っていろ魔王、俺が必ずこの手で『殺す』!)
「キング、顔こえーけどどうした?」
ゴールドキャノンが声をかける
「いや、何でもない、自分のやることを確認しただけだ」
「そうかぁ…でもオレらは仲間だからよ!ちゃんと頼らせてくれよ?パセリぐらいの働きしかできないかもだけどな」
「私にも頼ってねキング!精一杯手伝うから!」
「ふっ…ありがとなお前ら、もちろん頼りにしてるぞ!」
キングの心に小さな炎が宿った