もう、手紙だけの息子
息子に手紙を書いた。
息子の幼馴染の家が火事になったこと。その夫が死んだこと。幼馴染と子供が我が家に間借りしてること。
それと私の近況をすこし。
あれほど仲が良かった息子と幼馴染が、なぜ結ばれなかったのかは聞いては居ないが、若さ故の過ちが有ったのだろう。
間違いと不満に蓋をすれば、人間関係はやり直せないこともない。
一度会った方がいいんじゃないかと思い、手紙を送ったが、息子からの返信には幼馴染のことには触れていなかった。
そして、いつも帰ってくる筈の連休に息子は来なかった。
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リンダさんの家に居候しはじめてもう一月経った。
早く生活を立て直して一人立ち(子供いるけど)したかったが、目処が立たない。
クソ夫の実家には行きたくなかった。彼等に怨みは無いが、縁を切りたかった。流石に子供は手離せないけど。
私の実家は兄夫婦が継いで既に子供も三人居た。両親も健在で家が狭い。たまに子供と遊んでもらうのが精々だ。
ある日、幼馴染からリンダさんに手紙が。
内容は彼が今女性と暮らしていると。ゆくゆくは結婚すると。
ショックだった。
一度でも彼に会えたのら、少しでも私を見てくれるのなら、精一杯尽くそう。どんなに彼を愛していたか告げよう。
叶えられなかった彼との結婚の可能性を捨てきれてなかった私。
リンダさんとの関係も良かったから、リンダさんも協力してくれると思っていた。実際にリンダさんにそれっぽい事を言われた事もある。息子が帰って来て四人一緒に住んでくれれば楽しいのにって。あの時は希望の光が見えたようで涙が出た。
やはり私は彼とは一緒になれない運命だったんだ。
普通に考えればこんな中古のコブ付き女御免だよね。
判ってるさ、自分の価値位。
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結婚式帰りに公園で声を掛けた少女は、実は立派な成人女性だった。二日酔いで気分が悪かったんだそうだ。
その後は酒臭いもの同士で慰めあって、意気投合した。
これが記念すべき初デート。
食事は胃に優しい物を食べに行った。
彼女は話した。
小柄童顔でいつも子供扱いされるのが嫌。酒の席で大人ぶって飲み過ぎ失敗した。
せめておっぱいが大きければ大人らしく見えるのにと息巻いた。
幼女趣味ヤロウが寄ってくるのがウザイとか。
今はこの街で独り暮らしを謳歌していると。
俺もこの街で独り暮らし。
君のような仲良しの幼馴染が居たが、あっさり他の男に取られてしまった。
運良く退職者が大量にでた時期に就職して、更に運と上司に恵まれ、いい生活できた。
その後、同棲するまで時間は掛からなかった。
どちらかと言えば、確保されたのは俺の方。
彼女曰く、イケメンで仕事も出来て優しい。こんないい物件は無い!
世の女は見る目が無い!
ちんたら待っているとどうなるか判らないから全力でおとす!
と、言って俺は彼女におとされた。
「こんな貧相な身体でゴメンね」
「最初の夜」にそう言われたが、私には好みの体型。
かつての幼馴染の影響で幼女体型が好きなのはボカしておいた。
抱いても抱いても飽きたらず、いつまでも続けたが、彼女もタフで驚かされた。
数ヵ月後、母に手紙を送った。