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魔王伝 - 不滅の魔人 -  作者: 竹取GG
第一章
23/36

22話 感謝の気持ち(1)

  「「「バンザァァーーーーッッイ!!!!!」」」



  「「「バンザァァーーーーッッイ!!!!!」」」



  「火竜殺しの英雄の誕生だぁあ。バンザァァーーイ!」



  「「「バンザァァーーーーッッイ!!!!!」」」



  「「「バンザァァーーーーッッイ!!!!!」」」



  盛り上がる村人たちに戸惑い、雰囲気に呑まれるおれ。

  そして、ヒョイっと体を持ち上げられたかと思うと急に胴上げが始まり、おれは何度も宙を舞う。


  この世界に転生してから10年、こんなに多くの人に囲まれることなどなかったため、成す術もなく流れに身を任せ、押し流されていく。

  いつもは冷静に状況を分析して、打開策を考えるおれであったがこればかりはどうすることもできない。


  彼らはおれのことを火竜殺しの英雄だと祭り上げ、歓喜極まってドンチャン騒ぎをしている。

  おれは転生したこの小さい体で宙を舞いながら、早く時間が過ぎてくれることだけを祈っていた。

  そんな中、おれに転機が訪れた。


  ダグラスとアルバート夫妻が食糧を持って集落へと帰ってきたのだった。

  そして、彼らは帰ってきて早々にこの異常な空気を感じ取ったようだ。

  ダグラスは早速、あご髭のおっさんに状況を尋ねる


  「エドさん、こんな所で騒いで何事だ……?」


  すると、あご髭のおっさん——エドは名前を呼ばれて振り返る。

  だがしかし、その前にダグラスたちを恐怖が襲う。


  「ンッッ……!? 」


  どうやら、大地に横たわる火竜の存在に気づいたようだ。


  「なんじゃこりゃーーーー!?!?」


  ダグラスたちは火竜を見て驚き、慌てふためく。

  火竜は魔人からすれば対処不可能の存在だ。

  彼らがパニック状態になるのも無理はないだろう。

  現におれが火竜を取り出した時もみんなパニック状態になっていたからな。


  そして、混乱するダグラスにおっさんのエドが説明する。


  「おぉ、ダグラスお前の息子が火竜殺しの英雄になったんだよ!!」


  興奮して嬉しそうに語るエド。

  だが、これだけでダグラスが状況を理解できるわけもなく——。


  「ハァァァァア……??」


  そして、ダグラスは慌てておれの元へとやってくる。


  「どういうことだ、ヴェル……! 一体、何があったんだ!?」


  おれはこうなってしまった経緯をダグラスに説明するのだった。




  ◇◇◇




  ひとまず騒ぎは落ち着き、おれたちはアルバートさんの家へと戻った。

  そして、机に座ったおれはダグラスとアルバート夫妻に火竜を倒したテイで英雄譚を語る——。

  すると、話を聞き終えたダグラスは納得したように頷きながら語り出すのだった。


  「そうか、お前のことだ。最強の魔物の一種である火竜を倒したとしても驚かん。流石は俺たちの息子だな!」


  意気揚々と笑い出すダグラス。

  いつもの姿におれはある意味安心した。


  「でも、お前が無事で本当によかった。レイシアから魔法を教わっておいてよかったな」


  おれはダグラスの言葉に思わずハッとさせられる。

  確かに、レイシアから魔法を教わっていなかったとしたら、おれは今日死んでいただろう。

  彼女が言っていたように、間違いなく魔法は役に立ったな。


  「帰ったらレイシアにも話してやれ。母さん、喜ぶと思うぞ」


  「ああ、そうするよ。それとダグラスのおかげでもあるぞ。即興で剣を作って戦いもしたからな」


  おれは一応、ダグラスにも感謝をしておく。


  「おっ、急にどうしたんだ? 珍しいじゃないか」


  「気まぐれだ。こんな日があっても良いではないか」


  「それもそうだな。それじゃ、そろそろ帰るとするか! レイシアもお前の初めての外出を心配してるだろうからな」


  おれたちは帰る準備をすることにする。

  二人で強力してダグラスが持ち帰ってきた食糧を馬に乗せるのだった。


  今夜は宴だなんだとエドたちが騒いでいたがおれたちは帰ることにした。

  彼らには悪いが、家では心配しておれたちの帰宅を待つレイシアがいるからな。


  「またね、ヴェルくん! 今度ぼくにも魔法を教えてよ」


  「ああ。またな、フリン。おれで良ければいつでも教えてやるぞ」


  最初は距離感が遠かったフリンとも、普通に話せるようになった。

  フリンはおれの魔法に見惚れてしまい、よかったら今度教えて欲しいと頼んできたのだった。


  そして、フリンとアルバート夫妻だけでなく、集落にいる全ての魔人たちにおれたちは見送られる。


  「英雄ヴェルデバラン様〜! またお越しくださいな〜!!」


  こうして、おれの初めての外出は終わりを告げたのだった。

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