同じ釜の飯を食う
バムは応用が苦手なため、魔石か霊石を使った罠の仕掛け方を考えるという宿題に頭を抱えていた。夕食の場に宿題を持ち込むほどに。
「んうう……美来ちゃん、宿題終わった?」
「んえっ? 宿題? そんなのあったの?」
いつもの通り美来は宿題を出されたことすら忘れている。
「何言ってんだよ、お前、出されたその日に終わらせて忘れる前にキツネの部屋まで持ってってたろ」
「そうなの!? バムも知らないなんて珍しいね」
バムはレゲインを羨むように伏せた体制で上目で見た。
「何だよ? お前がその宿題に忙しそうだからってケーキと交換で手伝わされたんだよ」
バムは美来が自分に気を使ってレゲインに頼った手前文句を言えなくなった。
「ねぇ、いつも話してる仲だよね? 仲間だよね?」
「なんだよ気持ちわりぃ」
「今まで同じ寮で同じ学校に通って同じ苦難にあったよね?」
「苦楽を共にしたよなっていいてぇのか? それとも同じ釜の飯を食った仲とでも?」
バムは必死に頷いてレゲインにすがるような目線を向けた。
レゲインは呆れたようにため息をつき、机に手をついて立ち上がりお盆を持つ。
「ゲレイン」
「しらねぇな、それに生活共にしてるっつーなら女子寮のやつに頼めよ」
「そんなぁ〜」
レゲインはバムを見捨てて行ってしまった。
「わ、私なら手伝ってもいいよ?」
「美来ちゃん……優しいね……」
「クッキーと交換ね」
「美来ちゃん……」
バムは少し心に穴が開いた気分になった。
これだけいつも手伝ったりしている人にギブアンドテイクを持ちかけられるとは思わなかったのだ。
この後、美来に手伝ってもらい何とか終えることができた上に、交換条件のことを持ち出すと美来は、
「え? 交換条件持ちかけてたの? そんなのいいよ、忘れちゃったし」
その言葉にバムは嬉しくなり翌日、美来にクッキーの詰め合わせをプレゼントしたのだった。
美来ちゃん……言葉には出さないけど、私の一番の友達だよ、美来ちゃんは。




