縁の下の力持ち
スタミナを伸ばす為の授業中、ソテとクロは全く授業に出席しないエリスンの事を話していた。
「クロ……今回は三班の座を取れたけれど、エリがこのまま授業に出ないといつ抜かされてもおかしくないわ」
「そうですね、新たな班員を見つけるべきでしょう……例えば、バムとかどうでしょうか?」
バムは普通のティーアメンシュにもかかわらず人間である美来と友達のように親しんでおり、怪しい感じのレゲインとも班で一緒だ周りの後押しがあれば引き抜けるだろうと考えた。
「そうね、美来達にはエリを送りましょう」
「まずは、エリさんを引き抜きましょう」
放課後、ソテとクロはお互い別々に行動した。
ソテはバムを引き抜きにあとをつけていたが、バムと美来もレゲインのあとをつけており二重尾行のようになっていた。
何よ、何で……も、もしかしてあの二人も班の一人を抜こうって!?
レゲインが森の開けたところで止まるとソテとバム、美来に囲まれるような形になったが、ソテの体を避けるように黒い砂鉄でできた矢が飛んできた。
「ひっ!?」
レゲインを見ると、いつでも殺れるぞと言うように睨んでいた。
クロはエリスンが言うもゴロゴロしているのを見かける海沿いの高台にきていた。
いつも通りですね……。
気配を消し寝転んでいるエリスンに近寄るがあるものを見てクロは動きを止めた。
ストップウオッチと表の書かれたノート、水とタオルが傍に置かれており、エリスンは運動後に涼しい風を受けながらぐっすり眠っているようだった。
「…………」
このノート、短距離走と長距離走とかの記録……伸びてますね、紐を登るタイムまで……。
ソテとクロは約束の場所に集まる。
「ソテさん……どうでしたか?」
「こ、殺されかけたのよ……クロはどうだったの?」
「……エリさんはーー」
クロはこっそりとソテに見た事を伝える。
「そ、そう……」
そこにエリスンが二人を見つけ駆け寄ってきた。
「やあ〜ソテとクロ、どうかな最近面白いネタ見つけた? 私に教えて欲しいのだけれど」
ソテとクロはいつも通りの表情でエリスンを見る。
「エリ、最近授業出ていないけどちゃんとしなさいよね」
「いや、それはね……運動に向かないから、あはは」
「運動に向かないのならここにいないほうがいいんじゃない?」
「ここは、想像源の多い人が多いから面白いネタが拾えるんだよ、おっと、そろそろ行かないと」
エリスンは何かを思い出したように走り去った。それなりの速さで去っていくのを見たソテはにっこりとしてクロを見た。
「引き抜かなくていいわね」
「そうですね、何で言わないのかは分かりませんが、それなりに独自のトレーニングで結果は出ているみたいですし」
「かっこいいとでも思っているのかしら? まぁいいわ」
ソテとクロはエリスンの陰での努力に気がつかないフリをして班員から抜かないことを決めたのだった。




