ドラゴンの能力
テンスラが帰った後カクランの生活は戻ると思われたが、カクランの異父兄弟の兄ルウブが来た。他の部屋を分け与えられたにも関わらずカクランの朝食、夕食を盗み食いしたためカクランは食堂に行くしかなかった。
そこで、美来、レゲイン、バムの所へ割り込んでいた。
「ねぇ先生、ドラゴンって皆んなどんな感じなの?」
「はい? ……そうだね、一六歳前後まで皆んな背が低いかな、149ぐらいだったり」
「え? じゃあ先生より背が高いルウブも?」
カクランは笑いながら頷いた。
レゲインは食べながらジッと二人を呆れたように見ていた。
こいつ……本当に教師かよ
「ドラゴンって魔法が使えるの?」
「あのさ、バム、美来……僕に聞くより本人に聞いた方が早いじゃん……いっ!?」
答えようとしないカクランの足をレゲインが蹴り飛ばした。
「ドラゴンが使うのは魔法だけど種族に対するものしか使えないんだよ、魔法陣使っても魔女みたいにはいかないけどまぁ、魔石でなら使えるかな」
「じゃあルウブってドラゴンは何使うの?」
「使うってか凍りつかせるんだよ、氷を動かしたりするわけじゃないんだ」
「でも氷で刺したりしてたじゃん手に持たない状態で」
「触れてる氷に敵の体が触れたらルウブはその部分を凍らせられる、体内を針状に凍らせて相手が動くだけで凍った体内が凍ってないところ刺さるって事」
息をしている以上凍っている部分を一ミリも動かさないのは無理だ。それから逃れるためには繋がっている氷を切り落とすしかない、それでも刺さるだろう。
「……カクラン、分かりやすく」
「言ったよ!? もう本人に実演してもらえよ」