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レゲインの部屋の結界

入学試験終了後、男子寮で一番端の部屋をレゲインは我先にと取り手荷物を解いた。

ベットの上の布団などを自分がずっと使ってたものと変える、慣れないものだと寝られないのだ。

壁紙とカーペットを夜空のようなものに替え、照明も少し薄暗くなるよう傘を付ける。

「めんどくさ……」

こうでもしないと落ち着かない、明日にはこの場所に家で使ってた家具の一部が届く。

シャワーを浴び寝間着に着替えてベットに入ったが……


ドン! ドン!

「キャハハハッほらもう一回投げてよ!」

バタ! バタ!


真横の壁の向こうから騒音が聞こえてきた。

「…………」

うるさい……


翌朝、レゲインはベットの位置を反対側の壁に接するように置き、届いた机や本棚を置き大量の本の整理をする。

ーーゴンッゴンッ!

「何の音……?」

扉を叩く音は止みこっそり外を覗くが誰も居ない。

この寮幽霊でもいるのかよ?

本棚二つ目の上段に一列本を並べ終えた時、ダンッ!!! 揺れるほどの衝撃で上段一列レゲインの上に崩れた。

「いて……めんどくさ!! 何でだよ」

その日の夜、昨晩同様騒がしく離れていても眠れない。

翌朝、寝不足で朝食を取りに行く。

髪も寝癖がついたままだがフードを被っているのでまぁいいかとそのまま来た。

すると目の前に犬耳のカチューシャをした男子が来て元気いっぱいに話しかけてきた。

「ねぇねぇ、俺シャンシャス、君は?」

「へ?……えっと……何?」

「名前だよ」

「別に何でもいーだろ、ほっといてくれ」

「俺の名前覚えたでしょ? いーじゃん」

レゲインは鬱陶しそうにしていたが名前を教える。

「レゲイン・リフレイン」

「あのね、あの子はねナーゲルって言うんだよ」

「あーそう」

その後レゲインは部屋の壁に魔法をかけ防音対策をしたが……その夜。

ーーゴンッ! ゴンッ!

ドアを叩く音がして起こされた。

「何だよ……」

ドアを開けると、シャンシャスが立って驚いていた。

「レ、レゲイン!? あれっ? あ、ごめん部屋間違えた」

「はい……?」

「うわぁ、レゲインって金髪だったんだね〜ちょっとツンツンした女の子みたい、寝間着も」

「はぁ?」

「種族は何なの? 寝る時は外してるの?」

「……うん、寝ていい?」

シャンシャスは眠気でぼーっとしているレゲインの服のリボンを引っ張る。

レゲインはされるがまま突っ立っている。

何だよこれ……ドアにも防音付けるか……

翌日の夜は音はなかったが……

ーーガンッ!!!

扉が思いっきり開く音がして誰かに上でジャンプされる。

「ぐっ……うっ、うっ、や、め、てっ……やめろよ!!」

起き上がったのを避けられそのまま抱きつかれた。

「あはははっねぇねぇ、遊びに来たよ?」

「いや、寝かせて……」

シャンシャスが永遠と話し続けるのでレゲインはベットの上で壁の端により膝を抱えて起きていた。

「俺、寝不足で死ぬ……」

今日始まった学校でも授業中眠ってしまっているのだ。

翌朝膝を抱えたまま寝てしまったらしく少し体が痛い、目の前ではゆうゆうと眠っているシャンシャスの姿。

レゲインはおもむろに立ち上がりシャンシャスを踏みつけて床に足をつく、フードの付いた上着を着てフードを被りシャンシャス腕を掴んで引きずる。

隣の部屋のドアに手をかけ開けて入るとその部屋のベットにはナーゲルが眠っていた。

「あ、ありぇ? この部屋じゃねぇのか?……」

確かに今まで隣の部屋で騒いでいたのはシャンシャスの筈だ、なのに隣の部屋ではナーゲルが寝ている。

とりあえずシャンシャスの手を離して床に激突させ、今までの分を返すが如くそばの椅子をナーゲルの上に落とした。

「ぐはっ……いった……何? シャン……!!」

見た方向には目の下に隈がついて睨み下ろしているレゲインの姿だった。

「これ、お前の犬か?」

「えっ、あ、ああ……何か迷惑でもかけた?」

「あ? 俺見りゃあ分んだろ? 一晩中騒音立てられて、一晩中話に付き合わされて、俺寝不足なんだけど?」

「……ご、ごめん、ごめん……シャンに言っておくよ」

「いや……言わなくていーわ、じゃあな」

レゲインは食堂の方へ行き寮監に休むことを伝え部屋に戻り内側から扉に魔法陣を描き勝手に入られないようにした。

その夜、シャンシャスはまたドアを殴り中に入ろうとドアノブに手をかけた瞬間、爆発が起きた。

「ケホッケホッ、な、何で!?」

中では音一つせずレゲインは熟睡できていた、こうしてレゲインの部屋には結界が張り巡らされ、テンスラも犠牲となったのだった。

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