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レゲイン・リフレイン

「ねぇ、バム。バムのフルネームは?」

美来が不意に名前を聞く。バムは顔を上げて答えた。

「バム・アイルロ」

「えっ!? バムの名前ってアイルロだったの!?」

「??」

「苗字がバムでアイルロが名前……」

「美来ちゃん、私、日本人として扱ってもいいけど名前は違うよ」

美来の勘違いに頭を抱えるバムを見て首をかしげる。

「外国と同じ、名前が先でファミリーネームが後なの。だから美来ちゃんがいつも呼んでるのが名前」

「ふぇっ!? わ、私、バムの事呼び捨てだったんだ……レゲインもなんだ。男子のな、名前を呼び捨てだなんて」

「いや、気にし過ぎだから。君付けた方が気持ち悪いよ。レゲイン君ってなんか」

「あ?」

バムが試しに言った名前に後ろにいたレゲインが反応した。

「お前、気持ち悪っ、何言ってんだよ」

「ち、違うよ! 美来ちゃんに試しに言って見せただけだよ!」

バムは全力で否定するがレゲインはドン引きして引きつった顔をしている。そこに美来が救うように口を挟んだ。

「レゲインのフルネームは?」

「話を繰り返す」

「へ?」

「話を繰り返す」

「バム、レゲインの言ってる意味が分からない」

バムは引きつった笑みを浮かべている。

「レゲイン……?」

「話を繰り返す」

「ゲレインって話すって意味なの?」

レゲインは頷いて答えた。

「話を繰り返す、レゲイン・リフレイン」

「だから繰り返してたの? ゲレイン……突っ込みどころの無いボケをしないでよ!」

「はぁ!? 突っ込みは自分で考えろよ!」

二人の口喧嘩が始まった。

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