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異世界への行き方
「美来ちゃん、紙に六芒星描いて真ん中に赤字で“飽きた”って書いて手に持って寝ると異世界に行けるんだって、五センチ五センチの紙だよ」
「これでいい?」
「秋田じゃなくて飽きたなんだけど……」
美来はバムの指示に従って異世界への行き方を試そうとしていた。
ネットで調べて頭が狂ってしまった人などもいるなど俄かには信じがたい事が書かれていたが好奇心が動いてしまった。
「でもバム、もし本当に狂ったんだったら元から限界で異世界に頼るしかなかったからじゃないのかな?」
「存在しないかもしれないものに?」
「宗教とかと同じだよ多分……」
そこに偶然レゲインが通りかかり手元を見て紙を取り上げてしまった。
「ちょっと! ゲレイン何するの」
「どうもしねぇけど、お前は馬鹿かよ? 異世界で異世界への行き方美来にやらせるとかこれ以上何処に行こうってんだ? ちゃんと他世界に行く扉だってあるのによ」
「骨折り損のくたびれもうけってやつだね?」
さっきまでバムの言う通りに紙を作っていた美来はにっこりしてそう言った。
「美来ちゃん……」




