Ep.53~王道vs邪道~
「タコベル、関西にも来てほしいなぁ…」
オカン、ネットサーフィンしながら一言。
『Taco Bell』
ハンバーガーやピザと並ぶアメリカを代表するファーストフードのチェーン店
です。ウィキさんによると80年代に一度日本進出を図るもすぐに撤退、去年
関東地区限定で再度オープンしたそうです。
オカンがアメリカで初めて出遇いハマった食べ物の一つで、我が家の食卓にも
上ります。牛挽肉を炒めチリ風味のスパイスで味付けしたそぼろ状の具とレタス
トマト・チーズをトルティーヤに挟みサルサソースとサワークリームをのっける
だけの、実にシンプルでアメリカンなメキシカン料理です。
「最初にTacoって聞いた時は『へえ~ アメリカ人も蛸食べるんやぁー』って
びっくりしたけど、これがけっこう美味しいのよね。ま、メキシコ人に言わせる
と本場のとは全然ちがうらしいけど…」
メキシコ人留学生が牛肉をオレンジジュースでマリネした本格的なタコスを
作ってくれたそうですが、アメリカナイズされたタコスの方がオカンの口には
合ったとか。
「おんなじエスニック料理でも、あっちの中華の味は日本のとは完全に別モン!
パラパラのチャーハンとパリパリの春巻きが恋しかったな…」
チャイニーズもアメリカではよくテイクアウトされるポピュラーなファースト
フードの一つですが、東海岸の小さな田舎町にあるようなレストランの味は
かなりアメリカナイズされたものだったようです。
そう言えば、横浜の中華街や神戸の南京町のレストランも本場に比べると
日本人の味覚に合うよう微妙に違うと、聞いたことがあったような・・・
「棒状のドーナッツみたいな、あの〝スプリング・ロール” だけは、ホンマ
酷かったわ!」
あ、春巻きはアメリカのレストランではSpringRollと表記されているそうです。
決してSentenceSpringのような造語ではありませんので、念のためw
ちなみに、オカンが日本の中華街の店の味に一番近く美味だと思ったのは、
ボストンのハーバードスクエア内にある小汚い食堂だったそうです。
どんなオリジナル料理も他国に輸出されればその国の風土や嗜好、需要に合わせ
てアレンジされるのは仕方ないことかもしれませんね。今ではすっかり日本の
寿司店に定着している逆輸入のカリフォルニアロールも、昔気質の寿司職人さん
からすれば邪道以外の何物でもなかったでしょうから。
ま、必ずしも〝王道>邪道” とは限りませんが・・・