Ep.42 『ホーム・エコノミクス』とはなんぞや?!
『Home Economics』 家庭経済学??
何やら難しそうですが、実はこれ日本の小学校で習う家庭科のことです。
アメリカでは7年生(中学)になってはじめて受ける授業、しかも必須ではなく
選択科目だそうです。
ある日の午後、学食で学友たちとお茶をしていると一人の女子学生が
大きなため息をついたとか。どうやらバイト先のレストランの制服のボタンが
取れて困っている様子。
で、オカンがバッグの中からミニチュアの裁縫キットを取り出し手渡しました。
が、その彼女それを手にしても『?…なにコレ?』状態。
しかたなく針に糸を通し玉結びをして手早くボタンを付けてあげると、周りの
皆がその一連の所作に目を見張ったそうです。
オカン、決して手先の器用なほうでも洋裁の出来る人でもありません。
「日本人は男子も女子も家庭科で習うからボタン付けくらいはできるやん。
けどアメリカ人は家庭科取ってないと、母親が教えるかガールスカウトや
ボーイスカウトで習わん限り、針に糸を通すことも知らん人がいるから…」
まあ確かに、学校で習わず誰からも教わらなければそうなりますよね。
「手作りクッキー言うても材料を計量して粉をふるうなんてめんど臭いことは
一切なしで、市販のミックスに水と卵を入れて丸めて焼くだけやもんね。
林檎の皮剥きがでけへんような人もザラにいるから。
お母さんの林檎うさぎ、あっちでは立派な芸術作品やでぇ~」
ほお、オカンのあの林檎うさぎモドキがねえ~
家庭科を選択しなければ基本的な裁縫や初歩的な料理さえも全くできない
人が出現するということですか・・・
「それに、家庭科の調理実習で危ないからって包丁を使わずに機内食に出て
くるようなプラスチック製のナイフを使ってる学校もあるらしいよ。
想像してみて、でっかい図体の中学生がオママゴトしてるみたいなとこ」
おお、確かに滑稽な絵面ではあります。
金属製の包丁を使用しない理由は、生徒が怪我をしたり喧嘩で刃傷沙汰に
発展した場合を想定し、教師や学校の責任問題が問われ父兄から訴えられる
のを未然に防ぐためだとかなんとか。
いやぁ、さすが訴訟大国アメリカです・・・