Ep.19 キムチは大っ嫌い!
何気に凄いタイトルですが決して他意はありません。
ホントに漬物のキムチがダメなんです。オカンの脳内では漬物とニンニクの
コラボはアリエナイとか。白菜や大根の漬物は昆布や柚子を使った京風の味が
ベストだと信じて譲りません。
唐辛子もニンニクもフツーに料理に使い、焼肉もチヂミもフツーに食しますから
韓国料理が嫌いと言うわけではないのですが・・・
とにかくキムチがどうしても苦手なようで、我が家の食卓のメニューの中には
キムチ鍋やキムチ炒飯などキムチを使用した料理は一切存在しません。
オカンとキムチとの遭遇は留学時代に遡ります。
当時は今のような和食ブームもなく、大都市以外は正統派(経営者も従業員も
日本人の意)の日本食レストランはほとんどなかったようです。
ただ、80年代の初めにNBCが制作、三船敏郎さんや島田陽子さんら日本人俳優
も出演、後に映画化され日本でも公開された『将軍・SHOGUN』というアメドラ
に便乗して、『SHOGUN』という屋号の日本食レストラン(モドキ)が地方都市
にもやたら出現したとか。
で、近場に安くて美味しい店があるとのアメリカ人学生からの情報を得て日本人
仲間たちと行ってみることに・・・
「店の中は、招き猫の隣に仏像の木彫りが置いてあったり天井から中華街にある
ような提灯がぶら下がってて、カウンター内で寿司を握るお兄さんは東南アジア
にいるような大陸的風貌で、なんか一種独特の違和感が漂ってて…」
ま、良く言えば今風のフュージョン、多国籍料理の店っぽい雰囲気ですね。
「あっちの日本食レストランって、お寿司でも単品でもコンビネーション定食
でも、注文するとまずお味噌汁とお漬物の小鉢が先に出て来るのが定番なん
よね」
ああ、ところ変われば何とかで、スープとサラダの感覚なんですかね。
日本のように一緒に全部まとめて出してくれないそうです。
かつ丼や天丼は、やっぱりみそ汁と漬物と一気に食べたいです、はい。
「天ぷらの衣がドーナッツみたいなのも、照り焼きのタレが真っ黒な水あめ
みたいなのも、ご飯がパラッパラッなのも我慢するよ。けどね、一応
日本料理の店の看板掲げてるのに、お漬物があの毒々しい真っ赤なキムチって
ゼッタイにありえへん!」
オカンは強い拒否反応を示したようですが、他の仲間たちには結構ウケが
良かったみたいです。
「A子やヒロさんらのあのリアクションはどうしても理解に苦しんだわ。
考えてみて、韓国料理店でカクテキ注文したのにゆず大根が出てきたり、
アナルの代わりにホーレン草の胡麻和えを持って来られたら、怒りたくも
なるやろ?」
まあ、その気持ちは分からなくもないですが・・・
てか、オカン、それアナルとちゃう、ナムルや!