Ep.18 ホットドッグは『大名堂』が最強!
「あ、コレコレ、コレや‼️ やっぱり関西限定やったんねぇ…」
ネットで何やら検索していたオカンが歓声を上げました。
どうやら大昔、子供の頃に食べたホットドッグのことらしいです。
ホットドッグと言えばハンバーガーと並ぶアメリカの定番フード。
家庭や野外でのバーベキュー、野球場や街中の屋台での人気者です。
ホットドッグロールに乗ったでっかいホットドッグ(ウィンナー)に自分
好みでマスタード、ケチャップ、細かく刻んだピクルスをはさむだけの
おおざっぱでシンプルな、実にアメリカらしい食べ物です。
「なーんか違うんよね。子供の頃おじいちゃんが会社帰りに駅前で買って
きてくれた、黄色いライトバンのヤツと…」
オカン、その味がどうしても忘れられず本場の味には馴染めなかったとか。
そのホットドッグ、当時としてはかなり斬新で駅前や公園などに駐車した
車の中でお兄さんが一人で調理・販売していたそうです。
昼時になるとオフィス街に並ぶ今時のオシャレな移動販売車の先駆けの
ような存在だったみたいです。
「きざんだキャベツをカレー味に炒めたものとケチャップだけなんやけど、
からしバターをぬったパンをオーブントースターでカリッと焼いてくれて
めっちゃ美味しかった。マクドもまだなかったし、あれがお母さんにとって
初めてのファーストフードの味やったんかなぁ…」
そのライトバン、京都のデパート内にマクドナルドの近畿地方一号店が
オープンした頃にはすっかり姿を消してしまったそうです。
「ユージンらにその話をしても神戸出身のA子以外は誰も知らんかったん。
で、二人でその味を再現することになって作って見たけど、なーんか
イマイチ違うわけ。よー考えたらホットドッグそのものが極太すぎ、
肉々しすぎて存在感がありすぎ。『大名堂』のは、ポールウィンナーと
呼ばれる魚肉ソーセージに近いようなスリムな外観、繊細で奥ゆかしい
日本人の感性にピッタリくるような味やったからなぁ~」
オカン、懐かしい昔を思い出したようで悦に入った表情を浮かべています。
ちなみに、その繊細で奥ゆかしい味の『大名堂』は関西の〇〇組系の、
いわゆるヤーさん企業だったようです。
要するに、ライトバンの中のお兄さんは縁日の屋台に出店しているような
テキ屋さんと同じ・・・
ま、オカンにはこのことは黙っておきますがww