Ep.15 日米母親対決!~お弁当vsパックランチ~
「しっかしこの頃のお弁当はめっちゃ進化してるね、完全にアートやん!」
オカン、キャラ弁の画像を見ながらしきりに感心しています。
確かに最近のお弁当は凄いです。中には食べるのがもったいなくなるような
芸術作品もありますから。オカン、はっきり言って料理はイマイチです。
母親が気合いを入れる遠足や運動会の弁当もせいぜいタコ足のウィンナー、
型抜きしたニンジン、ウサギもどきのリンゴが精一杯でした。
「学校給食もお母さんの時代に比べたら雲泥の差やしね。
とにかくマズかったし、担任によっては完食するまで昼休みナシとかまるで
拷問みたいやった。マリッサの小学校のスクールランチのシステム知った時
はホンマ羨ましかったわ」
「え、アメリカの小学校は給食とちゃうの?」
「基本的には日本の給食とおんなじやけど、自分の嫌いなメニューとか
苦手な食材の日はお弁当を持参できるんよ」
「それ、ええやん!」
まず、前もって一ヶ月分の給食のメニューが渡されるそうです。
家に持ち帰った児童は自分の好きなメニューの日を選び印をつけて冷蔵庫
のドアに貼っておく。親は子供のBuyDay(購買日)とBringDay(持参日)
を確認しその都度お金を持たせる。当日の朝、親から貰ったランチマネーを
担任の先生に渡しカフェテリアで給食購買組と弁当持参組が昼食を伴にする。
子供と言えども個人の自由意思を尊重する、実にアメリカ的と言うか合理的
なシステムです。
ま、好き嫌いを助長させるとか問題はあるでしょうけど、涙目で嫌いなもの
を強制的に完食させられるよりはずっといいかもです。
「けどね、そのお弁当が凄いんよ。サンドイッチの具は定番のピーナッツ
バター&ジャム、ハムなんかのランチミート。それを食パンにはさんで
二つに切って耳もついたままの状態でジップロックに入れるだけ。あとは、
小袋のポテチとクッキー、丸ごとのバナナかリンゴ、四つ切のオレンジの
フルーツ一品を添えて、紙パックのジュースをランチボックスに詰めたら
完了」
わぉ、日本のお母さんの芸術的な手作り弁当に比べたら『簡単なお仕事』
過ぎますやん!
「母親同士が競う合うような過剰なお弁当を持たせるのもどうかとは思う
けど、小さい頃からこんなんに馴らされてるからアメリカ人は料理に対する
美的センスが欠如してるんかもね…」
まあ、確かに日本ではワン・コインで食べられるような定食屋さんでも唐揚げ
にはちゃんとパセリとレモンがついてますからね。
「あっちは皿からはみ出んばかりのフライドチキンにどっさり盛られたポテト
がフツーに出てきてくるもんね。彩りとか見た目は完全に無視、余計な飾り
モン置くスペースがあったらもっと量を増やせ、みたいな…」
ああ、半端じゃない肥満の人が多いのもそのせいですかね?
ま、お弁当箱に入ったキャラ弁もジップロックに投入されたサンドイッチも
お母さんの手作り、ママのホームメイドには変わりないわけですから、
どちらがどうとも・・・