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俺が《フリーター》で彼女は《勇者》で。  作者: 鷹津翔
第五章 譲れないもの
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幕間〜Fall into The Dark〜

 暗い。暗い。暗い。

 何も、見えない。何も、分からない。何も、感じられない。


 俺は、死んだのか?

 また、無力に、無意味に、無駄に、死んでしまったのだろうか?


 また、何も果たせなかったのか? あの時のように。あの日のように。


 護ると誓った。救うと誓った。

 それなのに。それなのに、何も、できない。


 俺は、無力だ。


 ○ ○ ○


 死んだら天国とか地獄に行くとか言うけれど、なら、ここはそのどちらなのだろうか。


 ここは暗く、時間の感覚すら無い。

 もう、あれから何時間と時間が過ぎている気がするけれど、なんだかどうでも良いと思えてきた。


 もしかすると、夢なのかもしれない。

 これは、この経験はすべて、なんでもない夢なのかもしれない。


 じゃあ、眠ってみよう。

 眠って、目が覚めたら、いつもの風景がある筈だから。

 そう。俺以外には誰もいない、姉のいなくなった、あの家が。


 ○ ○ ○


 自然と目が覚めた。けれど、目の前は相変わらず真っ暗なままだ。

 やっぱり俺は、死んでしまったのだろう。

 けれど、不思議とがっかりとも悲しくもならなかった。


 はあ、と、嘆息とも諦めともつかないため息が漏れた。

 ため息は、暗い空間のどこまでも虚しく響いていく。


 また、寝よう。

 今度は何時間と言わず、何日でも。


 ○ ○ ○


 あれからどれ程の時間が経ったのだろう。

 いや、死んでいるのだから時間なんてもう関係は無いか。


 ふと、思い出す事がある。

 それは、とても不思議な出来事だったと思う。

 今まで見た事もない土地に行って、とても不思議な人と出会って、少しだけ冒険をして。


 大切な人がいた気がする。

 とても可愛いくて、とても愛おしい人だった。

 笑顔が一番似合って、気付けばいつも隣にいた、あの人。


 あの人は、誰だ?

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