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新たな生活

話している間にいつの間にかお昼になっていた。オリヴィアはそろそろお開きにしましょうと声をかけた。

「あぁ、ティアナまだ点滴をつけたままだな。調子はどうだ?まだつらいか?」

そう言われティアナ着替えた時のつらさが消えていたことに気づくと、プルプルと首を振った。

「ううん、大丈夫みたい。ありがとう」

ティアナが元気よく話すとほっとしたカーネリアンはふっと息を吐き微笑んだ。

「そうか、じゃあ点滴取るぞ。少し痛いからな・・・3・2・1」

いっきにすっと針を抜いた。ピクッと体がはねた。ティアナの瞳がうるうるとしていた。そこにいた人達はカーネリアン!と言わんばかりに少し睨んでいた。

「あーと・・・ティアナ?痛かったか?」

うろたえるカーネリアン、しくじったと顔に出しながら心配そうにティアナの背中をさするが、ティアナの嗚咽が一段と酷くなった。

「うぇっ・・・ふぇ・・・うっ」

「痛かったか、ごめんな。いっきに抜いた方が痛くないんだが・・・抜き方が悪かったようだな・・・」

カーネリアンは謝りながら針が刺さっていた部分にテープは貼り付け、ティアナを抱き上げ背中をポンポンと叩きながら歩き、ラブドにティアナを預け、ゆっくり離れようとするとクイッと服を引っ張られたカーネリアンは振り向くとティアナが瞳に溜まった涙を擦りながらモゾモゾとブラドの腕の中で動く。

「お嬢様?」

「ティアナ?」

うるうるとした瞳にでカーネリアンを見上げるティアナ。その顔は少し青ざめていたのだ。ここに居た者は体調でも崩したのかという心配した顔になる。それが分かったのか、プルプルと首を振ったティアナ。

「あのね、カーネリアン。山道には気をつけて・・・土砂崩れに巻き込まれる・・・」

と言い、カクンと眠ってしまったようラブドに体を預けているティアナ以外の人間はまさかという顔になった。アレクサンドライトに山道以外の道はないのかの?と問われるカーネリアン。

「・・・ある。遠回りなるが、ほかにあるがティアナその山道を通らなかったら他は大丈夫なのか?」

ティアナはそう言われ、まだ涙がたまったうるっとした瞳でカーネリアンを見るとホゥッと淡く輝きだした。ティアナの顔が徐々に顔色がよくなっていく、それを見た他の者はきっと大丈夫だと確信したが、ティアナ自身はうかない顔していた。

「カーネリアン、山道以外なら大丈夫だけど・・・黒いものが貴方を狙っていて・・・土砂崩れの時もそうだったの・・・」

話し終わると長い沈黙が流れた。よくないことが起こることは、知っていたがすでに動いていると知った今、何か対策を立てなければという顔になったがティアナが首に振った。それは無理ですと。

「今、対策を練っても相手に無意味です。今は実態がない存在だから、影という形でしか今は存在していないのです。」

今日のところは解散しようという話になった。

そして、ティアナが新しい五大貴族の伯爵家当主になったことを、翌日公示することになった。

ティアナとティアナのこれから住むこのになる邸宅の使用人のレンジュ以外は、女王オリヴィアと五大貴族に見送られ馬車に乗り出発した。

しばらくするとティアナは、ラブドの腕の中から出て窓の外を眺めていた。

「エレナ・・・」

一番の親友の名前を不安なに満ちた声で呟いた。使用人達は目を合わせ、ティアナに微笑むとティアナは、首を傾げる。

そんなティアナにラブドは微笑み、優しい声で本当のことを伝えた。

「ティアナお嬢様、エレナ様のことですがティアナお嬢様が五大貴族の伯爵になることは、舞踏会の翌日に伝えてありますのでご安心くださいませ」

パァーと笑顔になるティアナの顔見てクスッと笑うブラド。

「え?本当!?じゃあエレナに会える?」

「左様でございますよ。お二人は本当に仲がよろしいのですね。エレナ様に同じこと聞かれましたよ」

キャキャと喜ぶティアナを目に使用人達はほっとしたように胸を撫で下ろすと微笑みをこぼす。

ガタンと馬車が揺れると背の小さいティアナはソファに深く座ると床に足がつかない。

「ふみゃッ・・・!」

(っぶつかる!)

いきなりのことで可愛いらしい悲鳴あげるティアナ。

ポスッ

「・・・あれ?痛くない?・・・!」

「大丈夫ですか、ティアナお嬢様」

ラブドが床にぶつかる前に抱き止めた。そのことに気づいたティアナはあわあわして何もできないでいた。ラブドはふわりとティアナを抱き上げソファに下ろした。

「さあ、お嬢様。もうすぐ新しい貴女様のお住まいである邸宅、ローズクォーツ邸に着きますよ」

はっと我に返るとティアナはえ?と顔になる。本人は今まで住んでいた家に帰れると思っていたらしい。

「ラブドさん助けてくれてありがとうございます。ですが、元の家に帰れないってどういうことですか?確かに元住んでいた家にずっと暮らせるなんて思っていませんが、荷造りとかしないと」

ティアナは礼を述べると、これからしようと考えていたことを伝える。

ラブドは笑みを浮かべるとティアナの手を握った。

「家の荷物は既に新しい貴女様の邸宅に保管してあります。必要な物は後で撮りにいきましょう。家具とかは新しい邸宅では使えませんが・・・」

ティアナはそれを聞きほっとした。同時に申し訳ない気持ちになった。本来なら自分自身で、やらなければならないことだからだ。

「あの、何から何までありがとうございます」

「お嬢様、私達は使用人です。私達に敬語を使うのはおやめください。さん付けもだめですよ」

「あ・・・分かった」

そんな事を話しているうちに遠くの方に邸宅が見えてきた。外装は宮殿のような創りにわぁーと声を漏らした。

「邸宅に着いたら、まずは昼食にいたしましょう」

「分かった」

返事をしたと同時に邸宅に着いた。そこには建っている王城の宮殿を思わす邸宅、ローズクォーツ邸には、噴水があり、玄関までの通路を花壇が付けられていた。他にも色んなところに花壇があり花壇以外の場所は芝生が植えられていた。相当な広さの庭だが、花を植えれば綺麗な庭になるだろう。そこには既にレンジュが待っていた。

「お帰りなさいませ。ティアナお嬢様」

馬車のドアを開け、手を差し伸べるとティアナは手を添えて降りる。

「ティアナ!遅い!」

高い大きな声が響き渡る。玄関から走って出てきた一人の女の子、顔立ちと雰囲気は大人びた感じの少女と言ったところか。

「エレナ!どうしてここに?」

突然姿を現した親友のエレナに駆け寄ると、どうしてと聞くと二ヤっと唇を吊り上げた。

「それはね、レンジュさんが迎えに来てくれたからだよ」

びっくりしてレンジュを見るとニコッと爽やかに微笑んだと思うと、エレナが抱きついてきた。エレナは背が女性の平均身長より大きく160cmあるので、その反動でティアナは後ろに倒れそうになるが、ラブドが支えられ体勢を元に戻した。

「それより!何この格好!ティアナ可愛いしお人形さんみたい!」

「エレナ、とりあえず落ちつこうよ。このままじゃ、ラブドの足踏んじゃうし、というより若干足踏んでるから、中入ろうよ」

エレナが落ち着きを取り戻してから中に入る。玄関ホールは大理石と絨毯そして、花で飾られいた。

「うわ・・・綺麗・・・お花が沢山あって素敵」

「これからティアナはここで暮らすことになるんだね。羨ましい・・・」

エレナに言われて、恥ずかしいような嬉しいような顔になった。

「でも、この邸宅には私と6人の使用人・・・家族と暮らすには大きくすぎるよ」

ティアナの声に悲しみの音が混じっていることに気づいたエレナは少し顔を曇らせた。

「ティアナでも私と花達がいるよ」

ティアナはエレナに抱きつき、ありがとうと静かに呟いた。ティアナ、エレナはラブドに促され玄関ホールを後にした。

やはり外装と同じく中は宮殿のようなクラシック系の王族風エレガントテイスト内装になっていた。キラキラと太陽の日差しを浴びて輝いている。

「うわー・・・何これ凄い。ティアナ、ここ宮殿?」

「う・・・ん、それはあたしも聞きたい・・・ラブド、ここ元々は王城の離宮だったの?」

後ろに控えていたラブドは、音もなくスッと前に出てティアナの横に並んだ。背の低いティアナと並ぶと結構な差があるようでラブドの顔を見るために首をグイッとあげたが、ラブドがそれに気づき少し屈む。

「そうですね。ここは元は離宮でしたが、老朽化が進み新しく立て直すことになったなのですが、丁度スギライト伯爵がなくなり、新しい一族を決めるにあたって前の一族と同じ家というのは嫌かと思い離宮と伯爵家の土地を入れ替えることになったのです。」

ラブドの説明に頷くティアナは何かを見たらしくラブドが言葉を繋ぐ前に説明をラブドの代わりに話し始めた。

「だから、元の離宮を元に作り、ここをローズクォーツ邸にして、前の伯爵家の家を王族の離宮に相応しい離宮を作った。そして、どちらも元の面影を残してね・・・」

ラブドは自分が言おうとしていたことをスラスラ話だし出したティアナに驚いた顔を見せるが、微笑みかけた。

「左様でございます。ティアナ様、そしてお嬢様がお花がお好きということで家の前には庭園用意してございます。その他にも、この家はどの部屋に居ても中庭が見えるように、中庭を囲むように出来てごさいます。中庭は温室となっておりますから、お好きな花を育てながらお茶をできるようになっていますよ」

それを聞きティアナは満面の笑みをこぼしながら、エレナに抱きつき嬉しそうにしていた。

今まで小さな植木鉢でしか育てられなかったティアナにとって嬉しい事なのだ。

「そして、この家にある花壇はすべて、王室からの御祝いですのでティアナ様のガーデニングお使いください。我々使用人は指示が出なければ水やり程度しか行いませんので、何かあれば何なりとお申し付けくださいませ」

ティアナはそれを聞き頷くのを見て、ラブドはノアに昼食の用意をするように指示を出した。

(何を植えようかなー・・・バラとユリは決まりだね。お母さんが好きだった花だから)

と考えてるとラブドが静かにクスと笑うとティアナとエレナをダイニングに連れて行った。そこにはティーカップが、置かれていた。そして、ダイニングテーブルの中央にはピンクの薔薇が置かれているためか、部屋の中はとてもいい香りが漂っていた。

「さて、昼食までティータイムに致しましょう」

「「はーい」」

ふたりはラブドに言われ席につく。本来ならば、ティアナは部屋の一番奥の中央の席に座るのだが、今回はラブドの配慮で庭の見える横の席に並んで席に着いた。

こうして見てみれば、二人はここの邸の子供でラブドが面倒を見ているように思える。

「ティアナお嬢様、エレナ様今回のアサッムのミルクティーでごさいます。アサッムはとても紅茶の中で味が濃いものですのでミルクティーにしても紅茶の香りが残り適している紅茶でごさいますよ」

二人はティーカップを手に持ち、香りを嗅ぐとゆっくりと口にした。

「本当だ、今までストレートで飲んでいなかったから、ミルクと合うなんて知らなかった」

ティアナの言葉に頷くエレナ。エレナ自身も知らなかった為か、ラブドの顔とティーカップを交互に見て驚いている。

「それにしても、さすが王家が選んだ執事だね。そいうことに詳しいんだね」

とエレナが何気なくそう呟くと、ティアナとラブドは顔を見合わせるとティアナが、『どうしよう。ラブド達の本当の正体のこと話していい?』と口パクでラブドにつたえた。

それに対してラブドは『えぇ、構いませんよ』と頷く。

「エレナ実はね。ラブドと護衛をしてくれてるカルトとウラドそしてレンジュは今は執事、護衛の仕事をしてるけど半年前までは、ラブドは軍人、カルトは暗殺者、ウラドはスパイ、レンジュは騎士だったの」

「は・・・え?・・・えー!!」

ティアナの言葉に理解できませんという顔を見せるがあり得ない事実に絶句しているエレナにラブドは微笑んだ。

今だに信じきれないエレナは口をパクパクてしていた。

「皆さんは、ティアナを守る為に王族と五大貴族が出した結果とそれに似合った人たちということですよね?」

「えぇ、勿論です。ティアナお嬢様が伯爵に選ばれた二週間後に選出されました。」

二週間という、速さで選ばれた選ばれし者でもある。ただ、急いで選んだわけでもないのだ。

「私達が使用人になった理由は二つ。一つ目は、軍の次期指揮官候補、レンジュは若き副騎士団長、カルトとウラドは王室直属の暗殺者、スパイで信頼も厚い人材」

ホッカーンと空いた口が閉じれないでいる、二人はあわあわとティーカップをプルプルと揺れていた。ラブドは二人の手からティーカップを受け取り、静かにソーサラーに置いた。

「そして、二目はティアナお嬢様と面識が、あるかどうかです。カレンとノアは面識がありませんが、ティアナお嬢様お守りするにあたって、その必須事項だったのです」

ティアナはえ?という顔になった。

(確か、会ったのはつい数時間前のはず・・・)

ティアナがそう考えているとラブドは少し困ったような顔になり、ティアナの顔を覗き込んだ。

「覚えていないのは無理がありません。私たちとのティアナお嬢様がまだ3歳の頃だったのですから」

ラブドがフッと笑ったと同時に昼食が運ばれてきた。

二人で楽しく話しながら昼食を済ませ、使用人の人たちと話しながらティータイムなどをしているうちに夕暮れになってしまっていた。

「あ、もうこんな時間か・・・帰らなきゃ」

とエレナが言うとラブドがスッとエレナの前に立つと微笑んだ。

「エレナ様、今日のところはお泊まりになってくださいませ。ご自宅の方にはすでに連絡いたしております」

「ほんとに!?」

エレナは満面の笑みでラブドに聞く。その顔はまるで、ゆめをみてるようだ。エレナにラブドはえぇ、と頷く。

「じゃあ、明日は学校があるから、夕方まで一緒にいられるね!」

その言葉に少し戸惑うティアナ。瞳は淡く輝いていた。エレナはその瞳には驚かなかったが、見惚れている感じに見える。

「ティアナ、何か見えたの?」

「うん、明日は学校には行けない・・・というよりもう今の学校、ヴィネント国立学園には、もう立場的に無理があるから」

シュンとなるエレナ。ティアナの顔にも不安そうな顔色だ。二人は薄々、今の学校には通えないと持っていたが、ティアナの予知によって改めて思いしらされた形だろう。

「エレナ、私だってヴィネント国立貴族学園には通いたくない。一般市民だった私にとって場違いすぎるもの」

ラブドが何かを言おうと一歩前に出たが、ティアナ自身がそれを制した。

そして、ラブドに振り返ると微笑み、コツンとラブドの体に額をつけた。

「だけと、そこにはラブドも常に一緒にいてくれるし、専属の執事がいないと貴族でも入れないから大丈夫だよ」

ふふっと笑ったティアナにラブドが微笑むとエレナは安心したように、ゆっくり息を吐いた。ティアナの手をゆっくりに決まると微笑んだ。

「そうだね、ラブドさんがいるから何とかなるよね。ラブドさん、ティアナのことよろしくお願いします」

「御意」

ティアナとエレナは再び話に花を咲かせていたところに、ラブドが静かにやってきた。

「ティアナお嬢様、エレナ様、お風呂の御用意ができました。ご一緒に入られると良いでしょう」

「「はーい!」」

二人は話しながらラブドの後をついていった。きていた服をラブドに預けて浴室に入って行ったのだが、数秒後・・・。

「ラブドー!ちょと来てー!」

ティアナの声が響き渡る。ラブドはカツカツと音を立て、少し慌てたように姿を現した。

体にタオルを巻きつけた姿で待っていた、ティアナを守るように腕の中に隠した。

「どうかなさいましたか?!不審者でも出たのですか!?」

心配そうにティアナを見ながら辺りを確認していく。

「あ、何もないよ。それよりさ、プールとお風呂の場所間違えたの?」

ラブドははて?という顔になるということは、場所はあってるということになるのだが・・・。ティアナは少し困ったような顔になると懸命にラブドの腕から出ようともがいているが、全くびくともしないのでポカポカとラブドの胸を叩くティアナ。

叩かなくても口で言えばいい話なのだが、ほんわかしているティアナはそれにきづかない。ラブドはそっとティアナを放すとティアナは慌ててラブドから離れる。

「・・・ティアナお嬢様。そんなに慌てて逃げなくても取って食べたり致しませんよ。

さて、ご用件とは?」

そうでしたとティアナは頬を指でカリカリした。そのしぐさに、ラブドは口元をゆるませた。

「ラブド・・・お風呂が広すぎて、入れないよ。エレナは、固まって動かない」

「おやおや、大きさは貴族の家は一般的にはあの大きさですよ」

「そうなんだ。じゃあエレナなんとかしてするよー」

「承知いたしました」

トテテと浴室に消えるティアナを見ながら壁側に立つ。何かあれば対処しなければならないからだ。

誰もいないことが敵に知れるとティアナの身が危ない。外はカルトが影に隠れ見守っている。

お風呂から上がるとすぐにティアナの自室に向かったのだか・・・またもや二人の思考回路が停止してしまった。

「ティアナお嬢様、エレナ様?早くお入りくださいませ。髪の毛を乾かないと風をひいてしまいますよ」

「ラブド、これ本当に私の部屋?」

これがティアナの部屋・・・一般市民が入ると罰が当たりそう・・・」

邸の内装に合わせた室内になっているが、家具は家名と同じ、ローズクォーツが散りばられていた。家具一つ一つが豪華な作りだ。

ベットは天蓋付きとなっていて、一人で寝るには大き過ぎる広さでベットについているカーテンやシーツにはふわふわとレースやフリルが付けられていた。

まるで王宮にいるように思えた二人。ティアナは実際の王室の家具を使ったので多少なりとは免疫がついていたようだ。

これも、オリヴィアの計らいなのだ。郵便局員が、ティアナを眠らしたのも計算のうちだったのだがティアナはそれは、気づいているようだった。

「エレナ、いつまでもそこ居ても何も変わらないからソファに座って頭拭こうよ」

「そうだね、ティアナは度胸があるね・・・」

エレナは緊張したようにティアナの横に座り、ティアナにべったりくっつくと背筋を伸ばした、

ティアナはそう言われおかしそうにクスリと笑った。そんなティアナを見ながらラブドはエレナにタオルを渡した。ティアナには渡さずラブド自身がティアナの頭を拭く。

「自分で拭けるよ。ラブドタオル頂戴」

「失礼致します。ティアナお嬢様。これは私の仕事でもあるのでお任せくださいませ」

ティアナはうぅと唸りながらもラブドにされるがままだ。

髪の毛を痛めないように丁寧に髪に付いた水分を取っていくと、数分後には乾いてしまった。ティアナはラブドに髪を拭いてもらってうちに寝てしまったようだ。

「ラブドさん、ティアナ寝ちゃいましたよ」

「そのようですね。大分お疲れのご様子でしたからね。さて、エレナさん早く乾かさないと本当に風邪引きますよ」

ラブドはエレナからタオルを取ると今度はエレナの髪を拭いていく。エレナもまた、最初は抵抗したもののされるがままで、寝てしまった。

ラブドは寄り添うように眠っている二人を見ながら、ベットの方に向かい肌布団をまくり、ティアナ達が寝ているソファに行くと少しでも振動を与えると割れてしまう物を扱うようにゆっくりと一人ずつベットに運び、肌布団りかけると静かに部屋を出て行った。

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