Link.83
復活! ……と言い切れるわけじゃありませんが、できてた分だけでも。
今回はありませんが、ステータスに大きな変更があります。
そのあたりは活動報告に投稿しておきます。 まだ投稿はしてません。(3月31日)
出来た杖を渡し、ついでに自分で使うナイフを数本作ったころには、パンも大半が焼き終わっていた。 そこからは自分も一緒に作り、残っていた分も含めてすべて焼き終わったのは、1時間ほど後のことだった。
「やっと終わりましたね」
「「「(ぐてーん)」」」
さすがにみんなお疲れみたいだ。
「お疲れさま」
「はいー……ん?」
ジュー ジュー
「何の音です? というかすごくいい香りですが!」
「あー、簡単なラスクみたいなのをね。 疲れただろうし、甘いもの食べたいだろ?」
「はい!」
「「「(しっぽをバタバタさせている)」」」
「でも、揚げるの大変じゃありませんか?」
「みたいなのって言っただろ?」
簡単ではあるが、ラスクっぽい物の作り方だ。
パンを適当なサイズに切る。 これは、小さく切るか、長く、細く切るのがオススメだ。
これをなにも入れていないフライパンで、さっと火を通す。 こうすることで、水気が減り、カリッとした触感が出やすくなるのだ。
水気が減ったら、お皿に一度出して、フライパンにバターを入れて溶かし、そこに砂糖を入れて溶かす。
最後にパンを入れて、全体にバターと砂糖をまぶして炒めたら、お皿にとる。 これで完成だ。
アツアツでさくさくのまま食べてもいいし、これが冷めてくると、うっすらと砂糖の結晶が表面にあらわれてくるのだ。 こうなってくると、サクサクではなく、カリカリとした触感にもなるから、これも美味しいのだ。
「どうぞ」
「「「おぉー!」」」
サクサクサクサクサクサク
「む! マコちゃん速すぎません!」
「キュン?!(何か驚いているようだ)」
「え? マコちゃんじゃない? ……ってあれ?! 私のもこんなに食べてましたっけ!?」
いろいろあったが、ラスクがお腹の中へと消えるのは、あいかわらずの速さだった。
「よし! 片づけ終わったし移動するよ!」
「はい!」
「「「!!!!」」」
そうして移動しようとすると、急にアラームが鳴った。
「うおっ?!」
「どうしました?」
「いや、アラーム音が……」
「え? 私は鳴ってませんけど?」
「ん?」
確認してみると、衝撃の情報が書かれていた。
『フィールドを歩けるパーティは6人までです(召喚・ペットモンスター含む) 人数を調節してください』
アカリちゃんに聞くと、「あー。 ペットも含まれるんですねー」とのことだ。
仕方ないので、人数調整のついでに、アカリちゃんともパーティを組んでおく。
そうして決まったのは、俺とアカリちゃん、案内でマコ、森でも動き回れそうなクロとイガ、運ばれやすいウイだ。
人地獄のイチゴや土亀のツキは、動きづらそうなのでお留守番。
……あとでまた召喚してやるからそんな泣きそうな目で見るなって。
そうしてメンバーを決め、ようやく出発だ。
陣地を消して、俺が作った梯子(もどき)を上り、ようやく森へと帰ってきた。
上りきったところで、梯子をしまい、森の奥に向かおうとしたら……
ガバッ!
「おうっ?!」
「ん? キャァァァァッ?!」
「キャン?!」
「シュー」
顔面に何か引っ付いた?!
ちょ! 俺、アカリちゃん、マコまではわかるけど最後誰だよ! そう思いながら顔についたものを剥がすと
ワシワシワシワシ
「シュー」
「……クモ?」
驚いて手の力が緩むと、
ダッ! ガバッ!
またもや顔面に。 そして剥がす。
見た目はハエトリグモのような、ずんぐりむっくりな姿。 というか、どこかで見たような……? まあいいか。
周りを見ると、アカリちゃんは目を回しており(目の前に顔に蜘蛛がついてる人がいたらびっくりするか)、イガはウイを載せてボケっとしており、マコとクロにいたっては「やれやれ、またか」みたいな目でって……
「……《ペット》」
『ツリースパイダーがペットになりました。 名前を決めてください』
「またか……」
いったいいつフラグを立てたのだろうか……。 そんなことを考えていると、
「シュー(サクサク)」
「…………」
「キュン?!」
なぜラスクを持っている?
そう聞くと、
「シュッ」
ビシュ
口から糸を伸ばして、近くの木についてた、見たことのない実を、枝から引きちぎって手元に持ってきていた。
さっきのラスクの減りが速かったのはお前か……
「シュー♪(てへ)」
褒めてない。
それより名前……ツリースパイダーってことは木の蜘蛛ってことか? だったら……
「キクで」
「シュ!」
『ペットが増えました。人数オーバーですので調整してください』
そういうことなので、寝ていたウイを戻してキクを連れていく。 ……というか寝てたんかい。
そしてアカリちゃんを起こして、ペットだから安心してというと
「またですか。 モテモテですね」
そんな呆れた目線で見ないで……
再び歩き出し、しばらくすると、アカリちゃんが俺たちを呼び止めてくる。
「あれ? 採掘しないんですか?」
「ん? なにそれ?」
「えっ?!」
「……はい?」
「もしかして、採取技能ないんですか?!」
「えっ、う、うん……」
な、何なのだろうか。 その、採取とは……
「採取っていうのは、フィールドでアイテムを集められるスキルのことです」
「……? それって、普通にアイテム拾うってことじゃないの? 薬草とか草原で集めてるけど」
「それでも集められますが、はずれの草もありますよね?」
「そうだね。 いつも採取してから分別してるし」
「採取はそれとは違って、有用に使えるものや、採取限定品が手に入るんです」
げ、限定品?! なにその心に響く単語は!
今回はラスクでしたが、基本的に油で揚げる料理は好きです。 が、その際の洗い物などの手間が地味につらいです。
揚げ物といえば唐揚げ。 なろうゲームネタの定番(なのか?)
そろそろ出したい……
誤字(?):採掘・探索とありましたが、採取にまとめました。