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世界はボッチに優しくないが、ボッチは世界を生きていける?  作者: 夜猫
2章・森の乙女と森の妖精の街
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ミミズって、結構頑丈なんですよね。(唐突

釣りをする人にはわかると思う。特に大きいミミズをどうにかする人。

 あのワームからすぐに逃げてきたが、とうとう落ちたころまで来てしまった。


「はぁ、はぁ。ここまで逃げてきたけど、これからどうしよう」

「キュン」


 この先は未確認だから、下手に逃げると何が起こるかわからない。

 さっきもワームが現れたりしたし、初見ルートは走っちゃだめだろう。


「どうにか登れないかな」


 でも、崩れやすそうだし、何か大きな足場でもないと厳しいなぁ。

 ……材木余ってたかな?でもそんなに時間もないか。今は追われる身だ


「この野郎ーッ!」

「げ!?追いつかれた!?」


 で、でも、一人だけだし、な、なんとか……


『ギュロロロロロロロ』

「……は?」

「てめーなんとかしろくださいっ!」


 なんで連れてきてるのさーッ!?

 あんなの何とかできるわけないじゃないか!


「ど、どうしよう」

「キュン(諦めの視線)」


 えぇー!ここまで来て諦めろ宣言ですか!(宣言はしていない)

 ここで死ぬとか、いやだなぁ。しかも死んだら町戻りだし、注目浴びそうでいやだなぁ。しかも、表面ぬるぬるで触るのも躊躇うレベルだよ。どこに目があるのかわからないくらいぬるぬるで滑らかだし。それにしても、表面ぬるぬるって、まるでサカナみたいだなぁ。しかも地面を触手がずり進んでくるし。うだうだ……


「キュン!」

「……ッハ!現実逃避してた!」


 でも、したくもなるよね。……うん?何かさっき気になることがあった気が……


「とにかく、わかんないけど、にげよ……」

「ぎゃぁぁあぁぁ」

『ギュロロロロン』

「ああぁ」


 あの人も捕まってしまった。


「や、やめろっ!俺はあいつのようになりたくないっ!」

『ギュロロロロロ』

「う、うわぁ……」

「み、見るんじゃない!そしてこいつは触るんじゃ、あん」

『ジュルルルルルルル』


 うっわー。もう声からしてやばい。

 これはあっち展開になりかねない。

 ……だが男だ。


「も、もういい加減にしやがれ!俺の狙いはお前じゃな」

『ギュア』


グシャァァァッ

ドサァ


「ひぃ!?ま、マm、くぁwせdrftgyふじこlp」


 何が起きたかはお察しください。

 ただ一言。

 死ぬと光になれるようです。




 これで、俺たちは誰からも追われなくなったが、


『ギュロロロ』


 食べられるかもしれません。

 そんなこと言ってないで、とっとと逃げるべきなのだろうが、


ガクブルガクブル


 ひ、ひざが笑っちゃって動けないのだ。

 まぁ、ひざの前に腰が抜けてるのもあるが。というか腰抜けてても膝って笑うんだね。初めて知ったよ。

 そういうわけで、動けない以上、もうダメだ。

 とりあえず、死ぬ前にマコたちを石に戻しておく。

 これで思い残すことは……いろいろあるな。背中のこの人とか、死に戻った時の町での扱い。

 でも、もうどうしようもないし、


「さあ、来るなら一思いに来い!」


 そういって、目をつぶった。見るの怖いし。


 ……見えないのも怖いが。













「あ、あれ?」


 何も起きない?

 そう思い目を開けると、


『ギュロロロォォォォ……』


 声を上げながらここから離れていく。


「な、なんで?」


 こういった場合、もっとヤバいのが来て、それから逃げてるとかだが、どうみても、急いでる動きじゃない。

 それじゃあ、と思ったところで、あることを思い出す。


『表面ぬるぬるで触るのも躊躇うレベルだよ。どこに目があるのか・・・・・・わからないくらいぬるぬるで滑らかだし。それにしても、表面ぬるぬるって、まるでサカナみたいだなぁ。しかも地面を触手・・・・・がずり進んでくるし』


 もしかして、あいつには目がないのか?それで、地面を動いていた触手は、振動・・を感じ取っていたのか?

 確か、目が見えない生き物は、振動で周りを察するって、どこかで聞いたことあるし。

 そういえば、最初にあいつが襲ってきたときも、追っかけてきた人たちが走っていたからだし、これは予想通りなのかな?


「つまり、助かったっぽい?」


 あ、動き止まった。見えなくなるまで声出すのもやめとこ。




「ふぅ。もう大丈夫かな?」


 しばらく待ったが、何も起きる様子はないので、行動を開始する。

 この崖に来た時に思ったことだが、木で梯子を作ることにしよう。まぁ、梯子なんて代物でなくても、登れれば問題ないはずだ。

 ただ、問題があるとすれば……


「8mほどの高さをどうするかだ」


 崖の高さは、約8mほど。木の長さは、大体3m弱。最長4m。

 長さが足りないのだ。崖の上までで8~9m、登りやすいように10m以上は欲しい。

 そうなると、木を繋げないとだが、そんなどこかの『走る』を英語にした番組の人たちのようなことは、ホイホイできない。

 そうなると、うーん。


「……橋っぽくするか?」


 こう、板を伸ばしていって、立てかけるような感じで。

 ま、やってみないと無理か。それじゃあ、まずは陣地作って、……の前に、3人とも出しておこう……


「キュン!(怒」

「バゥ!(怒」

「ギュ!(怒」

「……なんで呼ぶ前から出てるの?」


 いつものことだが。

 そんなことを思いつつ陣地作成。

 さて……


「おこなの?」

「「「(おこだよ)」」」

「お前ら傷つけるわけにもいかんだろ?」


 というか、そもそもペットは戦闘に参加しないんじゃなかったんですか!?

 ……まぁいいや。


「マコとウイは、あの人を見といて。クロは周りの警戒」

「「「…………(怒」」」

「……それができたら、作業の前に、まず食事にします」

「「「!!!!(OK)」」」


バッ


 言っておいてなんだが、3人とも食事に弱すぎないか?

 そんなことより、作業しよう。

 というわけで、逃げる(逃げた)選択でした。

 正直、動かないことが条件とか、難しい攻略手段ですね。ただし一人は生贄になりかねない。


 次回、以前作ったものが役立つとき。

「こんなこともあろうかと!」

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