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ミミズって、結構頑丈なんですよね。(唐突
釣りをする人にはわかると思う。特に大きいミミズをどうにかする人。
あのワームからすぐに逃げてきたが、とうとう落ちたころまで来てしまった。
「はぁ、はぁ。ここまで逃げてきたけど、これからどうしよう」
「キュン」
この先は未確認だから、下手に逃げると何が起こるかわからない。
さっきもワームが現れたりしたし、初見ルートは走っちゃだめだろう。
「どうにか登れないかな」
でも、崩れやすそうだし、何か大きな足場でもないと厳しいなぁ。
……材木余ってたかな?でもそんなに時間もないか。今は追われる身だ
「この野郎ーッ!」
「げ!?追いつかれた!?」
で、でも、一人だけだし、な、なんとか……
『ギュロロロロロロロ』
「……は?」
「てめーなんとかしろくださいっ!」
なんで連れてきてるのさーッ!?
あんなの何とかできるわけないじゃないか!
「ど、どうしよう」
「キュン(諦めの視線)」
えぇー!ここまで来て諦めろ宣言ですか!(宣言はしていない)
ここで死ぬとか、いやだなぁ。しかも死んだら町戻りだし、注目浴びそうでいやだなぁ。しかも、表面ぬるぬるで触るのも躊躇うレベルだよ。どこに目があるのかわからないくらいぬるぬるで滑らかだし。それにしても、表面ぬるぬるって、まるでサカナみたいだなぁ。しかも地面を触手がずり進んでくるし。うだうだ……
「キュン!」
「……ッハ!現実逃避してた!」
でも、したくもなるよね。……うん?何かさっき気になることがあった気が……
「とにかく、わかんないけど、にげよ……」
「ぎゃぁぁあぁぁ」
『ギュロロロロン』
「ああぁ」
あの人も捕まってしまった。
「や、やめろっ!俺はあいつのようになりたくないっ!」
『ギュロロロロロ』
「う、うわぁ……」
「み、見るんじゃない!そしてこいつは触るんじゃ、あん」
『ジュルルルルルルル』
うっわー。もう声からしてやばい。
これはあっち展開になりかねない。
……だが男だ。
「も、もういい加減にしやがれ!俺の狙いはお前じゃな」
『ギュア』
グシャァァァッ
ドサァ
「ひぃ!?ま、マm、くぁwせdrftgyふじこlp」
何が起きたかはお察しください。
ただ一言。
死ぬと光になれるようです。
これで、俺たちは誰からも追われなくなったが、
『ギュロロロ』
食べられるかもしれません。
そんなこと言ってないで、とっとと逃げるべきなのだろうが、
ガクブルガクブル
ひ、ひざが笑っちゃって動けないのだ。
まぁ、ひざの前に腰が抜けてるのもあるが。というか腰抜けてても膝って笑うんだね。初めて知ったよ。
そういうわけで、動けない以上、もうダメだ。
とりあえず、死ぬ前にマコたちを石に戻しておく。
これで思い残すことは……いろいろあるな。背中のこの人とか、死に戻った時の町での扱い。
でも、もうどうしようもないし、
「さあ、来るなら一思いに来い!」
そういって、目をつぶった。見るの怖いし。
……見えないのも怖いが。
「あ、あれ?」
何も起きない?
そう思い目を開けると、
『ギュロロロォォォォ……』
声を上げながらここから離れていく。
「な、なんで?」
こういった場合、もっとヤバいのが来て、それから逃げてるとかだが、どうみても、急いでる動きじゃない。
それじゃあ、と思ったところで、あることを思い出す。
『表面ぬるぬるで触るのも躊躇うレベルだよ。どこに目があるのかわからないくらいぬるぬるで滑らかだし。それにしても、表面ぬるぬるって、まるでサカナみたいだなぁ。しかも地面を触手がずり進んでくるし』
もしかして、あいつには目がないのか?それで、地面を動いていた触手は、振動を感じ取っていたのか?
確か、目が見えない生き物は、振動で周りを察するって、どこかで聞いたことあるし。
そういえば、最初にあいつが襲ってきたときも、追っかけてきた人たちが走っていたからだし、これは予想通りなのかな?
「つまり、助かったっぽい?」
あ、動き止まった。見えなくなるまで声出すのもやめとこ。
「ふぅ。もう大丈夫かな?」
しばらく待ったが、何も起きる様子はないので、行動を開始する。
この崖に来た時に思ったことだが、木で梯子を作ることにしよう。まぁ、梯子なんて代物でなくても、登れれば問題ないはずだ。
ただ、問題があるとすれば……
「8mほどの高さをどうするかだ」
崖の高さは、約8mほど。木の長さは、大体3m弱。最長4m。
長さが足りないのだ。崖の上までで8~9m、登りやすいように10m以上は欲しい。
そうなると、木を繋げないとだが、そんなどこかの『走る』を英語にした番組の人たちのようなことは、ホイホイできない。
そうなると、うーん。
「……橋っぽくするか?」
こう、板を伸ばしていって、立てかけるような感じで。
ま、やってみないと無理か。それじゃあ、まずは陣地作って、……の前に、3人とも出しておこう……
「キュン!(怒」
「バゥ!(怒」
「ギュ!(怒」
「……なんで呼ぶ前から出てるの?」
いつものことだが。
そんなことを思いつつ陣地作成。
さて……
「おこなの?」
「「「(おこだよ)」」」
「お前ら傷つけるわけにもいかんだろ?」
というか、そもそもペットは戦闘に参加しないんじゃなかったんですか!?
……まぁいいや。
「マコとウイは、あの人を見といて。クロは周りの警戒」
「「「…………(怒」」」
「……それができたら、作業の前に、まず食事にします」
「「「!!!!(OK)」」」
バッ
言っておいてなんだが、3人とも食事に弱すぎないか?
そんなことより、作業しよう。
というわけで、逃げる(逃げた)選択でした。
正直、動かないことが条件とか、難しい攻略手段ですね。ただし一人は生贄になりかねない。
次回、以前作ったものが役立つとき。
「こんなこともあろうかと!」