番外編・ある日の雪兄妹
本編かと思った?
残念!番外編でした!
「よっしゃぁ!戻ってきたところで狩りの続きだぜコラー」
「もう。テンション上げすぎでしょ(ブンッ!ブンッ!)」
「……アイルさん。そう言いながら大剣素振りするのやめてください」
俺は、そんなことを言い合う、妹を含めたパーティメンバーを眺めている。
俺の名前は吹雪。PLNはブリザードだ。まんまではあるが、結構気に入っている。
俺たちは今、土曜日で、全員休みということで、朝からパーティ組んで狩り祭りだ。平日は忙しく、個人や別パーティでプレイしているが、集まれる時は同じパーティだ。
今は、昼休憩をはさんで、ログインしたところだ。
というか、
「おまえらっ!街の中なんだから、変なテンションや素振りはやめろって!特に素振り!」
「「えぇーっ!?」」
ダダこねてんじゃないよ!
ヘタに振りまわして、NPCに当てたらどうなることやら。まぁ、アイルに限ってそれはないか。
「だって、やっと【下級剣士】になって、《両手持ち》が解放されたのに」
「俺だって、《静止撃ち》と《走り撃ち》が解放されたのに!」
「だからと言ってテンションをあげるな」
まったく。
ちなみに、【下級剣士】で《片手持ち》と《両手持ち》が、【下級弓使い】で《静止撃ち》と《走り撃ち》が解放される。
どちらも名前の通りのスキルで、その使い方で攻撃力に補正が入るらしい。
「とにかく、落ち着いていくぞ」
「そうだね。今日はどこに行く?」
「それじゃあいつもので」
「「「OK」」」
いつものと言うのは、
「「「「いっせーの」」」」
「「南!」」
「東!」
「北!」
「今日は南だな」
こうやって、どの門から行くかを言い合うのだ。それで、一番多い場所に行く。
「うぅー」
「どうしたスノー?」
「いい加減、森に行ってもいいんじゃないかな」
「それか」
森かー。確かに気になることは多いのだが、
「虫は苦手なやつが多いからなぁ」
「わかってるけど……ユウ兄を探しに行きたいよ」
そう。あの日に消えた悠が、あの日以降もゲームをしているらしい。
らしいというのは、結局フレ申請できていないので、街にいてくれないと、ログイン状態がわからないのだ。フレ申請してあるヤンの話だと、ちょくちょくいるらしい。
わかっているなら、すぐにでも探しに行けばいいのだが、
俺は、剣と盾を持ったタンカータイプ(魔法持ち)
スノーは、片手剣と杖を使う魔法戦士タイプ
アイルは、大剣使いタイプ(補助に通常の剣もある)
カイは、弓と槍を使う中・遠距離タイプ
このメンバー、森の虫に対して相性が悪いのだ。
剣は、まだ鉄の剣があまり出回ってないので、切れ味が悪く、打撃武器にするにしても、重さが足りないので、ダメージが控えめ。
アイルの大剣は重いので通じるが、サイズ的に、森の中で振り回すのが厳しい。
カイの弓は、隙間撃ちなどまだ無理なので、威力は控えめ。槍が、結構使えるのが救いだ。
そういった事情もあり、森での狩りは、進んでやりたいとは思えないのだ。
「というか、ユクロスのやつは森で何しているのか……」
「説明しよう……」
「「んなっ!?」」
「お初にお目に掛かります。拙者、カゲロウと申します」
「「「「アイエエエ!?ニンジャ!?」」」」
こ、こいつどこから現れた!?
「秘密のお話があるので、一旦パーティ登録をお願いしたい。ただ、ブリザード殿とす、スノー殿に限らせていただきたい」
「で、でもなぁ……」
「内容は、とあるロリについて「「詳しく聞かせてもらおうか」」……うむ」
そして、パーティ申請して聞いてみると、
「あいつはいったい何をやっているんだ?」
「ユウ兄ちゃんっぽいけど」
森で、料理作って寝てとか、充実な生活しているとか、相変わらず変なとこあるよな。
「画像とかないの?」
「すっ!スクショでよければ」
画像を見ればそこには。
「スッゲー充実した顔だなオイ」
「それにペット?が増えてるし」
ホントだ。狐だけだったのに、ウルフと……種?が増えてる。というか、
「この画像の撮影場所について聞きたいのだ「黙秘させてもらおう」……」
こ、このニンジャ、変態か!
「この写真ちょうだい」
「す、スノー!?」
「め、メールで送らせていただきます」
「他にも写真あるでしょ?」
「え、えっと」
「出してね?」
「アッハイ」
最近ウチの妹が怖いんだがどうすればいい?
「あと、ユウ兄ちゃんのことだから、なにか持たせてない?」
「い、一応」
「出す」
「はい」
そうして出てきたのは、
「……ニョッキ?」
「去り際に、渡しておいてと言われました」
「いくつ?」
「ブリザードさんに3つ、スノーさんは欲しがるだろうからと6つ渡されてます」
あいつ、わかってるなぁ。
「ありがとうございます」
「それでは、拙者はこれ「いたぞ!あそこだ!」あっ!(ビクゥッ!)」
「ん?」
声の方向を見ると、何人か見た覚えのあるやつが数人いる集団が走ってきている。
そういえば、このニンジャもどこかで見たような……
「こ、これにてゴメン!!」
「「あっ!」」
ニンジャが駆けていった方向に、さっきの集団が駆け抜けていき、あとに残ったのは、何事かわからない俺達と街の人たちだけだった。
「……おいし♪さすがユウ兄ちゃん!」
「もう食ってるのかよ!」
ちなみに、俺の3つは、俺とアイルとカイの腹に消え、雪の6つは、全部あいつの腹に消えた。
カゲロウ「あの料理は氷精戦車のだから、だからぁ!」
ロリコン「そんなの関係ねぇ!」




