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世界はボッチに優しくないが、ボッチは世界を生きていける?  作者: 夜猫
2章・森の乙女と森の妖精の街
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 なんか怖いワードがあったが、今の俺には関係ないことにしておく。


「それで、料理が欲しいらしいですけど」

「はいっ!」

「うぉっ!?」

「料理とか全然持ってこなかった私が悪いのはわかっているのですが、まさかこんなところで飯テロに遭うとは思ってなかったです本当にありがとうございます」

「あ、え、えと、どういたしまして?」

「何をやっておるのだ?」

「「(どうして感謝されてる(してる)んだ?)」」

「「「(やれやれ)」」」


 なんで3人とも、そんなわかった風なんだよ!




 さすがに、この状況で、「おめぇに食わせるタン……ニョッキはねぇっ!」とかいえないので、ちゃんとご馳走します。……古ぃッ!


「じゃあ、少し待っていてくださいね」


 そういって、顔の前のマコと、フードの中のウイを降ろす。


「そ、その子たち、撫でてもいいですか!」

「え?本人がいいならどうぞ」

「ちょ、ちょっとだけ、ちょっとだけだから」

「「「(ふんっ!)」」」

「そんなぁ……」

「残念だったな。そんなことより、ロリの手料理とか、いくらでも待って(グゥゥゥ)……できれば早くしてください」

「カゲロウさん、引くわー」

「うっ、うるさい!あたしはもう何日もこの森うろついてて、時間になるたび街に戻って寝るばかりの生活だったんだから!食事だって非常食ばっかだし!」

「女なのに、そんな生活するとか、恥ずかしくないですか?」

「いいの!」


 あらためて見ると、変な2人だよなぁ。まぁ、吹雪たちが会えば、俺の方が変だって言いそうだけどなぁ。

 だって、俺なんか、森で完全に生活してるからな。っと。


「はい。完成です」

「「はやっ!」」

「いや。ぶっちゃけ、もともと何回か分作っておいたので、ニョッキもソースも余ってるんですよ」


 ビバ!大量生産!


「そういうことで、どうぞ」

「いっただっきまーす!」

「それでは頂こう」

「キュン!」

「バゥ!」

「ギュ!」

「よしよし。お前らにはいつものステーキと野菜な」

「……いいなぁ」

「……ロリとモフモフ。実にいい」

「カゲロウさん自重してください」

「……それより、獣たちも食事の用意できたようだし、いただくとしよう」

「えぇ。それでは」

「「「いただきます」」」

「キュン」

「バゥ」

「ギュ」


 お。結構いい出来。芋が多いから、芋のトマト煮っぽくなっているが、ニョッキ特有のもちもち感がおいしいな。


「うっまっ!なんですかこれすごくおいしいじゃないですか!これが一瞬だけの料理店という噂のPLの料理ですか」

「なんですかその噂」

「ロリの手料理……。ゲーム内とはいえ、生きてて良かった」

「あなたも女性じゃないですか」


 その後しばらくは、食事でおしゃべりがなかった。


「ふぅ。ご馳走さまです」

「おかわり!」

「おいアカネ。さすがに」

「いいですよ」

「ホントに!?」

「カゲロウさんはいらないそうです」

「待って、あたしも食べるって!……お、おかわり下さい」

「はい!少し待っていてくださいね」


 ソースはかけるだけなので、ニョッキを茹でていく。その間にマコ達のおかわりも用意しておく。

 茹でたニョッキにソースをかけて、


「はいどうぞ。……って、カゲロウさんどうかしたんですか」

「……!(何か言っている)」

「……は?気持ち悪いですね。なんでも、『ロリに笑顔で話しかけられるとか、もうダメ』らしいです」

「……?あ!」


 そういえば、顔隠してない!


「ふぇぇぇぇ!」

「あ、ユクロスさん!?」

「み、見ないで!」

「……やっぱり、ユクロスさん人前ダメなんですか?」

「え、えっと。俺、結構なあがり症もあって、大抵の人は駄目なんですよ」

「もしかして、こんなところにいるのも?」

「その、あの時の騒動とかもあって、あまり人がいるところに行きたくなくて、そんなときに、【キャンプ】のジョブもあって、森に居れるならそれでいいかなーって」

「……そんなこと聞いたら、ネタにしにくいじゃないですかヤダー(モグモグ」

「ねた?」

「いろんなことを見つけてはネタにして、掲示板の話題のタネにしようとしてたのに、あなたのこと書いたら、いじめてるみたいですもん(モグモグ」

「あ、あまり書かない方向なんじゃ」

「正直、【キャンプ】のジョブとかは、誰が見つけたとかがわからなければ、書いてもいけるネタですけど、それでユクロスさんを追いかける人が森に住むようになったら、あなたに迷惑になります(モグモグ」

「そ、そうだね」

「私の信念は、『人の迷惑にならない』ことなので、書けないです。これが結論です。安心してください。約束は守ります(モグモグ」

「あ、ありがとうございます?」

「……おまえは食べながら話すのをヤメロォ!」

「ギャフン!」


 その後は、2人とも追加でおかわりをしたので、お土産に2皿ほど渡しておいた。


「お土産まで……いくら払ったらいいものか」

「だから、お金をもらっても、当分使い道はないので」

「しかし……」


 そのことを話していると、カゲロウさんが、


「それでは、何か困っていることはないか?」

「困っていること?」


 ……とくにない。森に住むのが危険なのは承知の上だし、とくには……あっ!


「そ、それじゃあ」

「ふむ?」

「ブリザードとスノーちゃんに、『俺は元気でいる』と伝えてくれます?フレ登録してないので、ゲーム内だと連絡できないんですよ」

「それくらいなら任せてもら……任せてもらおう……」

「どうしたんですかカゲロウさん。ビビってますよ?」

「だ、駄目ですか?」

「いや、もう1人のロリであるスノーに、どう話しかけたものか」

「「…………」」


くいくいっ


「「「(おかわりくれ)」」」


 ……こんな調子で大丈夫か?

 マコは言っている。『肉をくれと』

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