Link.57
大丈夫。ユクロスの出番だよ。
昨日は申し訳ありませんでした。
「ふぁぁあぁぁ。朝かぁ。マコー、起きろー」
「キュゥゥゥ」
今日でこのゲームを始めて7日目。やっと1日ログインできる。
あ、言い忘れていたかもしれないが、正式稼働が日曜日だ。そして本日は土曜日。
平日のうちはログイン時間が現実の3時間ほど。ゲーム内で、1日半ほどだ。
「昨日は夕方スタートだったけど、今日は沢山遊べるな」
「キュッ!」
さて、それじゃあまずは……
「昨日貸しだした小屋を、回収しに行こうか」
「キュ」
小屋を回収っておかしくない?といわれそうだが、これが回収だから仕方ない。
わからないって?見ればわかる。
大丈夫。まだ小屋はある。
小屋の周りを見る限り、昨日の3人組は帰った、というか去ったようだ。
危ない危ない。まだ居たら、どうしようか悩むところだったよ。
《陣地作成》のスキルなのだが、あの日以来、毎日使用しているので、レベルが上がり、現在は《陣地作成3》になっている。どうにも、1レベで1時間使用時間が延びるようで、現在は11時間持つようになっている。
おかげで、この小屋が消える前に回収できるのだ。
で、その小屋なのだが、畳一畳より小さいくらいで、高さ1.2mほどの大きさで作ってみた。そんでもって、すべて木製だ。
拠点となるものを作る。これが大変だった。
初めて森で拠点を作った日、予定通り泉のところで拠点を作ったまでは良かったのだが、水が近いせいか、モンスターが来る来る!
徘徊するモンスターが、《陣地作成》の陣地内に入ると、容赦なくこっちを襲ってくるので、とてもじゃないが寝られる状況じゃなかった。が、木の上で寝ました。
次の日は、もっと森の中に行き、陣地を用意してログアウト。
現実で次の日、ログインすると、ログアウトした地点にいた。ただし、陣地は消えていた。
これを見たことで、どうやら、ログアウトする時が安全なら、大丈夫らしいということがわかった。この日は、昼は森を探索しつつ、夜は、マコが欲しがるので、ステーキを山のように焼いた。皿が少ないので、1つの皿に3塊りくらい肉を乗っけないとだった。
次の日は、皿がないので、木工セットで木を切って皿を作ってみた。といっても、輪切りした木の真ん中を削ったくらいだが。でも、なんだかとってもおしゃれに見えた。あと、【見習い木工師】のジョブが増えていた。ある程度作ってログアウトした。
現実で火曜日。ゲーム内で朝方にログインし、【木工師】で、木の家が作れるかも!ということで、ジョブレベ上げるために狩りしたり物作ったり。昼のうちに陣地作って、寝ておいて、夕方から夜にかけて生産。夜中に草原に狩りと草集め。この時、とあることに気付くこと、それと、ある出来事があったが、それは後で。
空が明るくなってきたところで森の中に。木工セットに入っていたノコギリ、というか木工セットには、
初級木工セット
ノコギリ
彫刻刀(斜めなやつ、三角のやつ、丸いやつ)
紙やすり
釘
木槌
が入っていた。
で、ノコギリで数本木を切り倒し、持っていく。……あれだ。このアイテムボックスって大きさ関係ないのね。入れようとしたら、スッ……と消えるのね。便利!
それが終わると、陣地予定地に移動して、スキルを確認。【見習い木工師】が取れるので取得。陣地を用意してから、【木工師】のスキルを使い、木材製作。
あれだ。これはスキルでよかった。スキル使うと一発で切れるから時間がかからない。
支柱になる8本を残して切り終わったら、それに釘で打ち付けていく。
極力簡単に、長方形を2つ作り、前面に板を打ち付けていく。そうして出来たのは、
「ザ・物置」
「キュゥ……」
「クゥン……」
慰めなどいらない!
そうして完成したのはいいのだ!?
「……扉付け忘れた」
「「…………」」
ササッと作成。蝶番などないので、中に大きめの板を入れて内側でスライドするタイプに。完全に物置です。
これで完成!というところで、『これ、もしかしてロストするんじゃ』という事実に突き当たる。
ところが、この問題をサクッと解決してくれたやつがいるんです。その名も!
「アイテムボックスー」(某キャラ風に)
なんと、アイテムボックスさん。ただの倉庫のような箱なので、軽々と入れてくれました。しかも使用枠は1つ。これはお得!
これで心配はない!ってところで、その日はログアウト。
次の日は森を動きつつ、陣地探し。だったのだが、日にちがたつことで、森にも大分人が来るようになった。おかげで森の奥にどんどん追いやられることに。
……猟師に追われる獣か俺は。
ある程度奥に来たところで、陣地作って倉庫設置。さぁ寝ようかってところで誰かが来る。
「やべっ!」
と、咄嗟に逃げたのだが、その人達はあろうことか、何事もなく俺のつくった倉庫にIN。しかたないので、木に登って寝ました。
次の日、その人達は、「これ便利だし、また来るか」とか抜かしながら去っていくので、また移動。
その後も、森の探索、寝るの繰り返しで、ときどき家を奪われるくらいだ。とりあえず、誰も持っていかないことだけが救いだ。
「それにしても、昨日の子よく気付いたなぁ。まだまだ子供なのに、今までのやつらとは大違いだ」
え?同じような大きさじゃねぇかって?……あの子が大きいんだし。あの子が大きいんだし!!!
「さて。今日はどうしようか?」
「キューン(召喚石を見ている)」
「……?あっ!そうか。出さないとな」
そういって召喚石を持ち、
「おいでクロ」
だーれだ!(某モンスターアニメ初期風に)
たぶん、わかる人はわかると思います。
明日は、クロの正体と、ステータス関連を、書けるといいなぁ。




