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Link.38

 ユクロスはソウゲンハネウサギを倒した。

 せっかく乗れたのに、すぐに終わってしまった。もう少しもふりたかった。

 しかたないので地面に降り、目に刺さったナイフを抜く。

 なんとなく、目の傷が気になるので、目を閉じてやる。

 すると、傷が少ないハネウサギの死体が目の前にあるのだが……


「……きれいなもふもふしてるだろ。ウソみたいだろ。冷たいんだぜ」


 ……ごめんなさい。

 ヤバい。襲ってきたときはめっちゃ怖かったけど、動かないと、ただの大きな可愛いウサギだった。

 ヘタによく見たせいで、すごく良心が痛い。

 とてもじゃないが、このまま見てることなどできないので、ナイフを使って剥ぎ取る。ってあれ?

 刺したのに消えない?もう一回刺してみる。消えない。もう一度!

 三度目でようやく消えていった。

 なんでかはわからないが、とりあえず、手に入れたものをチェック。


ハネウサギの肉

不明な草

ハネウサギの耳

ハネウサギの毛皮


 あと一つあったのだが、何より重要なのは、『ハネウサギの毛皮』!

 もしかしたら、あの毛皮かもしれない!と思い取り出そうとしたが、今はフィールドであった。

 危ない危ない。ヘタに取り出して耐久なくなりましたとかだと泣ける。


 で、あと一つなんだが、


???の卵


 …………・


「なんでウサギから卵なんだよぉッ!?しかも『???』ってなんだっぁぁぁぁっ!?」


 ふぅ。スッキリ。

 これ以上ここにいても特に何かあるわけでもないので、街に帰る。今度こそなにも起こりませんように。




 俺の前には北門がある。

 ……特に何もありませんでした。

 とりあえず、ヤンさんのところに向かう。




「どうもヤンさん」

「あ、帰ってきたん?相場というか、確認できたで」


 そういえば頼んでたな。忘れてた。


「……おぉー。いくらになりましたか?」

「…………ユウちゃん忘れてたやろ」

「……えっと、いくらに」

「忘れてたんやな」

「はい」


 だっていろいろあったんだい。


「まぁええけどね。とりあえず、やっぱりしばらくは製作方法を秘密にした方がええみたいよ」

「別にいいんですけどね」

「で、値段を聞いてみる?」

「そうですね。今日もこの後生産するのでどんどん行きましょう」

「おっ!そうなん?だったらどんどんやらんとね。どんどんいくで?」


 そういうと、ほんとにどんどん言いだした。


初心者ポーション:評価6 120L×2

下級ポーション+:評価5 250L×1

アプルジュース:評価6 30L×2

アプルジャム:評価6 30L×1

ウサギ肉のアプルソースステーキ:評価7 435L×2


「合計で、1450Lデース!」

「ええええええぇぇぇぇぇええええぇええぇぇッ!?」


 なんでさ!?


「おー♪驚いとる驚いとる♪」

「なんでですかぁっ!?」

「だから出回ってないからや」

「とはいっても、下級+とステーキが高すぎません!?」

「詳しい説明聞く?」

「おねがいします」


 詳しく聞いてみると、初級の評価6は、今は120Lだが、今後出回るようになったら、90Lで買い取りだそうだ。

 つづいて下級+は、今後もできるかわからない以上、少し高めだそうだ。

 ジュースとジャムは、材料のアプルが25Lなのと、特に効果がないから安めだそうだ。

 ステーキは、評価が性能に関わるので、回復スタミナ量×3で買い取り、×4で売るそうだ。


「と、いうわけや」

「なるほど。わかりますけどわかりたくない」

「これが現実や」

「ゲームですけどね」

「まあなぁ。とにかく買い取り金払うな。1645Lや」

「……ん?値段上がってません?」

「あぁ。それはな、会議の場でステーキとジュースを食べた分の買い取り金や」

「その分の金額はヤンさんのものでは?」

「うちも食べたんや。そうである以上、払わないかんからな」


 ほへー。


「とにかく受けとりいや」

「わかりました」


 ということで所持金が増えました。


所持金680L→2325L

借金1500L


 お。借金返せるぞ!……でも、いざというときの為にも、少し多めに残しておくということで、1000Lだけ返済する。


所持金2325L→1325L

借金1500L→500L


 よし。すこし安心した。




「ところで、今日の狩りでいらないものとかでたかい?」

「あ、それなんですけど……」

「あっ!いた!」

「「ん?」」


 後ろから声をかけられたので振り向くと、そこにはどこかで見たような女性が。どこで見たんだ?


「やっぱり街に戻っていたのね。あの大群によく勝てたものね」

「……ん?あっ!あのときの弓使いの人」

「忘れられてたかー。そう。あのときの弓使いです。名前はアルテよ」

「俺の名前はユクロスだ」

「俺?ユクロス?ずいぶん男っぽいのね」

「い、いろいろありまして……」

「知り合いなん?それに大群ってどういうこと?」

「「それが……」」


 あのウサギの大群のことを話すと、


「はぁ。バカやねぇ。ウサギの巣は攻撃すると、巣自体がアクティブになって、近くにいる限り、巣の中と周辺からウサギを集めるんよ」

「そうだったみたいで。ボロボロですよ」

「しかもトレインするとはなぁ」

「申し訳ないです」


 ヤンさん、ボロクソ言いまくりである。


「それにしてもよく生き残れたなぁ」

「そういえば、何かアイテム使ってましたね」

「それは、マジックストーンというアイテムがあったので」

「「なにそれ?」」

「最初のガチャアイテムです」

「あぁ!ガチャアイテムか!うちはお金だったから思いつかんかった」

「私もお金だったわ。でも、それならもっと早く使えば」

「他のガチャアイテムと交換して、残り少なかったんです。あと完全に忘れてました」

「……ユウちゃん。後ろの方が本命な理由やな?」

「あ、はい。すみません。……そういえば、なんでこれ使ってるのわかったんですか?」

「それは、死んだ後にもロスタイムがあるからよ」

「ロスタイム?」

「ええ。死んだあと、少しだけ意識が残っているの」

「それなら聞いたな。おそらく、蘇生アイテムが使える時間やないかといわれてるよ」

「それじゃあ他の人にも見られたんですかね」

「え?」

「だってあと3人いましたよね」

「えーっとね……。彼らは逃げちゃったのよ」


 え?

 次回あたりで物語が動き出してくれると嬉しいのですが……

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