Link.35
すぐに森から出たのはいいのだが、向こう側からヤバいものが来ている。
「おおーい!そこの人!森から出てくるってことは強いんだろ!手伝ってくれ!」
「「「おねがいします!」」」
……うわぁ、なにあれ。
あの人達さっきウサギの群れと戦っていた人たちだろ。1人減っているが。
それが沢山のウサギ……30羽くらい?に追われてこっちに向かってきている。
逃げていい?
と、いいたいが、さきほどまで走っていたので、もう走りたくない。
しかたない、ウサギだけ、ウサギだけだから。
というわけで、武器を構えたのだが、どう攻めたものか……。
範囲攻撃できる魔法とかがあればいいのだが、そんなものはないので諦める。
あと、勘違いしているようなので、一応伝えておく。
「俺は森には一応入っただけだから、そこまで期待しないでくれよ」
「え!?そうなんですか!?」
「とはいえ、巻きこまれた以上はしっかり手伝うよ」
そういうと、俺を含めて5人で、ウサギ達に立ち向かう。
とはいっても、相手は数の暴力で来ているので、こちらの取る方法は、ヒットアンドアウェイで全体を少しずつか、1体確殺で、少しでも数を減らしていくかのパターンしかないだろう。
あのパーティは、吹雪のような大盾持ちが1人、片手剣と小盾を持っているのが1人、あとは弓使いと魔法使いのようだ。
さっきは槍を持っているやつがいたはずだが、どこに行ったのか。
「あの、さっきも見かけたんですが、槍使いの人は……」
「「「「槍使いは死んだ!」」」」
この人でなし!
そんな冗談はいってる場合ではない。
「どうやって攻めます?さすがに小盾とはいえ、盾が2人では耐えるにも足りないでしょう?」
「あぁ。ここはバラバラに動いて、群れから離れたウサギを確実に減らすのがいいと思うが」
「それで行きましょう」
「「「わかった」」」
そういうと、全員でバラバラに動き始めた。
とりあえず、離れたやつから狩るということだが、なんでこのウサギ達、群れて行動しているのやら。というか追いかけてくる!っと、目の前に離れたウサギが!
そのまま腹に体当たりしてくるので、ドッヂボールの要領でキャッチ!
「キュッ!?」
そして抱えて走りながら短剣でメッタ刺し!
「ホラホラホラホラホラホラッ」
「キュゥゥゥゥ」
倒したところで追加の一刺し。
すると、フニワトリやカマキリの時のように、すぐに消えた。
そこで、走りながらだがメニュー。確認せずにはいられないッ!
ウサギの肉
ウサギの耳
初めてみるアイテム!これはまさか!
「キュッ!」
「あいたぁぁぁっ!」
いてぇ。とりあえず、そのウサギは捕まえて短剣で刺しておく。
確認できたし、気になることがいくつかあるが、残りは後でいいな。とにかく、ウサギを狩るんだ。
「ホラホラホラホラホラホラッ」
「キュゥゥゥゥ」
はあ、はあ。
この方法、走っているうえにウサギを抱えるから、通常より疲れる。
「ホラッ」
「キュゥゥゥ」
これでもう10羽は倒したが、全然減る気がしない。というか追いかけてくるウサギガフエテル!
あれ!?あの人達いなくね!?死に戻った?
もう1羽つかまえて、刺す。
どうする?逃げるか?いやでも、ここで逃げて、さっきの人たちみたいに他の人に迷惑かけるのも嫌だしな。というか今日は、死に戻りになりそうになってばっか『ガシャン』りだってあぁーっ!?短剣壊れた!
最初のウサギにカマキリに、そして今のウサギで木端微塵かぁ。
いやまて、まだ一本残っている。
それでもこの数は無理だろう。
どうせ捕まえてるなら、壊れない不壊ナイフを使うか。
メニューメニューっと、うん?
マジックストーン:《アースボム》
発動すると、指定した位置に小型の爆弾を設置。任意、あるいは強い衝撃により周辺に土属性範囲攻撃。設置後、移動可能。追加効果:……
魔法あった!
説明文を途中まで読んで、とにかく現状を変えるためと、ボックスから引っ張り出すように取り出し、とにかく発動!
『場所を指定してください』
場所?後ろのウサギ達!
すると、俺の少し後ろ、ウサギ達のいるあたりから、『ゴトン』と、何かが転がるような音。
それと同時に何か堅いものを蹴り飛ばす音。
そして、
『ドギャァァァァァンッ!』
という大きな爆発音。それと爆風。
『『『『『『キュゥゥゥゥゥゥッ!?』』』』』』
「おわぁぁあぁぁ!?」
俺も一緒に吹き飛ばされる。
イタタ、近くで発動しすぎたのかな?大きな音だったから、耳も痛い。
とにかく、どうなったのか確認しないと。
爆発したあたりを見ると、
「うわぁ……悲惨」
としかいえない光景が。
うっすらクレーターができていて、その周辺にウサギがゴミのように吹き飛ばされている。そしてなぜか、クレーターの真ん中に焦げた感じのウサギが横たわっている。
よくみると、周りのウサギの一部は、気を失っているだけのようだ。
そりゃ、俺ですら耳が痛い音を、耳のいいウサギが目の前で受けたんだから、気を失うのも当然か。
とりあえず、せっかくなので仕留めていくついでに剥ぎ取りもしていく。
さすがに数が多いし、不壊ナイフを使っていこう。というか、剥ぎ取り機能があるなら、このナイフは壊れないから、剥ぎ取り用ナイフってことか?
明日は他のキャラ視点が中心となります。
というか、街に戻るまでにいくつか他キャラの視点が欲しいのです。




