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VSカマキリというなの逃走中。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
現在カマキリから逃げているのだが、迷っていたため、どちらに逃げたらいいのかさっぱりなのだ。
とりあえず、まっすぐに逃げているのだが、どこに向かっているのやら。
と思っていると、目の前に明かりが!
た、助かった!
と思ったのですが、そこでは、
「おい!そっちにウサギがいったぞ!」
「そんなことよりこのニワトリ落とすぞ!」
「だから巣に手を出すのはやめようって言ったのに」
「戦いは数だよ!」
「「「それはあっちのセリフだ!」」」
20羽近くのウサギと2羽ほどのフニワトリに囲まれた人たちが。
これに突っ込んだら、俺も巻き込まれるし、カマキリが森から出て来たら、あっちも迷惑だろう。
しかたない、だいぶ森の淵に来たようだし、横にずれて逃げよう。
というか、どれぐらい離せたんだ?
そう思い後ろを覗くと、
「シュゥゥゥゥゥ!」
「アイエエエ!?」
全然離れてなかった!
ということで、すぐさま横にずれて逃げる!
『しかしまわりこまれてしまった』
おぅ!?
こ、これは仕方ない。死ぬか生きるかはこいつを倒せるか次第だ。
「いくぞカマキリ野郎!うおぉぉぉぉ!」
ユクロスが生きて勝てると信じて!
どうも、ユクロスです。
こんな風に挨拶しているが、現在全速力で走っています。
え?さっきも走っていた?カマキリはどうしたって?
まず、カマキリさんは俺の後ろにいます。ていうか追いかけてきてます。
で、俺が走っている理由はですね、さっきの戦闘にあるんです。
と、いうのも……
「うおぉぉぉとはいったが、どうやって攻撃すればいいのか」
俺の武器は短剣2本。一応ボックスに最初に配布されたナイフと、作ったガラスのナイフはあるが、どれも近接攻撃以外は無理だ。
投げれば別だが。
カマキリさんはもちろん大きな鎌。大きさは、俺の肘から手の先くらいまでだ。
でも、鎌のついてる手の長さが片腕より長い。
明らかに範囲で負けている。
今はカマキリ特有の、鎌の毛繕い?をしているが、終われば俺はちょんぱだろう。
というか改めてみると、このカマキリ、現実に超そっくりです。手足や胴体の細さとか、ギョロりとした目とか、鎌にあるとげとげとか、あの小さいのに鋭い顎とk……
「シュゥゥゥゥッ」
「おわぁっ!?くんなこら!」
シュシュッ!
「シュゥゥゥゥッ!?」
「あ……」
つい投げてしまった。ユクロスの手元には武器がない。ユクロスは目の前が真っ暗に
「シュゥゥゥゥゥッ!」
「ひぇぇぇ!?おこなのぉー」
と、言うわけで現在に至る。
さっきステーキ食べようとしていたことからわかるように、そろそろお腹がすいてきた。
それと同時に疲れてきた。
死に戻りもいい経験だということで、せめて短剣を回収してから死ぬとしよう。
……よし、いくぞ……いや待て、せめて後ろの状況を確認してから行くべきか。
後ろを覗くと、うん、少し離れている。
いいぞ、これなら後ろを向いてから少し確認する時間もある。いく……いやいや待て。
本当に行くべきなのか。すでに耐久もだいぶ減っているだろうし、ここはあんな短剣など捨ておくべきか。でもあの短剣はせっかく吹雪に買ってもらったものだし、今回収すれば、最後に1太刀くらい浴びせられるかもしれない。
……うん、やっぱり回収しよう。
そうと決まればあとは男の見せどころ!散々チキンなところを見せたが、見た目は少女でも、男だってところを見せてやる!
誰に見せるのかは分からないが。
よーし、いく『ドスンッ』ZO?
謎の音は後ろから聞こえたようだ。それに、追いかけてくる音も無くなった。
足を止めてみても襲われることはなく、ゆっくりと後ろを向くとそこには、
もの言わぬ骸となったカマキリがいた。
……えーっと。これもしかしなくても、この刺さった短剣のせいか?
とりあえず、さっさと短剣は回収しておく。……ふぅ。回収できたし、男っぽいだろ(どやぁ
……すみません調子に乗りました。
とりあえず、倒したことは倒したので、ドロップを確認すると、
カマキリの翅
らしい。
……これ手に入れたけど、どうすればいいのやら。
せっかくカマキリなんだし、鎌のところだったらいい刃物ができたのになぁ。……切りとれないかな?
そんなことを考え、まだ残っていたカマキリの死骸から鎌を短剣で切ろうとする。
すると、フニワトリのときのように、死体が消えてしまった。
時間切れか。と思い、仕方ないのでメニューを開いて短剣の耐久を確認しようとする。
するとボックスに、
カマキリのカマ
おおおぉぉぉぉぉおぉっ!増えてるゥゥゥゥッ!
もしかして、死体がすぐに消えないのは、某狩りゲーみたいに、剥ぎ取りをしろってことなのか!?
あのゲームでも剥ぎ取ったら死体が消えるし、クリソツじゃねえか!
こ、これはすぐにでも試さないと!
とりあえず、森を出よう。そう思って立ち上がると、《周囲観察》に反応が。
これ以上カマキリの相手なんか出来るか!今すぐ森から逃げるのだ!
* * *
人の去った森で
匂いを追って、だいぶ追いかけてきたが、ようやく音がわかるようになってきた。ようやくここまで近づいてきたと思ったが、どうやら森を出ていったようだ。
その生き物は、現状では森を出ることはできない。
しかたなく、その生き物は、もう一度彼の人物が森を訪れるのを待つことにする。
そう考えた生き物が振り返ると、そこには何もなかったかのように、生き物の姿は消えていた。
ここで死に戻りはして欲しくないので、カマキリさんには倒されて頂きました。
謎の生き物、いったい何もふなんだ。