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2日目スタートです。
チュンチュン……
朝か。一日経ったし、現実ではそろそろ2時間経つだろう。そういえば、今何時なんだ?
目覚めつつ気になった情報を求めてメニューを開く。すると、
新着メールあり
の文字があった。
ついでに言うと、時刻は7時ちょい過ぎであった。
メールの内容は、
『ブリザードより
今日暇なら、俺の知り合いと狩りに行くか?街を出るのは7時30分の予定だから、それまでに連絡がほしい。』
これだと30分かけずに仕度しないといけないな。慌てるのもあれだし、今日は1人でうろついてみよう。1人なら死に戻りも気にしなくていいからな。
ちなみに、死に戻りの際には、街の広場に送られ、装備の耐久が大きく減るほか、1時間街から出れない仕様になっている。そのかわり、ステの減少などはないらしい。
つまり俺が死に戻ったら、装備を直して生産に励めばいいのだ。
よし。今日はお断りの返信が書けたし、送信。
それじゃあ、今日も頑張っていきますか。
今日はまずヤンさんのところに行ってみようかな?とか考えながら装備を整え、部屋を出る。
部屋の鍵を店主に渡して外に出ると、吹雪からメールが来た。
『ブリザードより
了解した。あと、宿屋でログアウトするときは1回の方がいいぞ。1晩で泊まってログアウトすると、ゲーム日数分の料金になるらしいからな』
1晩と1回の違いってそうだったのか。1晩20Lで1回100Lなら、10時間以上ログアウトするときに1回にすればお得なんだな。気を付けておかないと。
というか何かあるかもしれないから、ログアウト時は毎回1回にしておこう。
昨日ヤンさんが露店をしていたところと同じところに来ると、少しずれたところにヤンさんがいる。
「こんにちはヤンさん」
「おっ!ユクロスちゃんやん。昨日ぶり。なんかいいのは作れたかい?」
「いくつか出来ましたけど、他人のがどうかわからないので、良いかどうかはわかりません」
「そりゃそうだ。あっ、でもその装備は手作りかい?」
「ん?あっはいそうです。少ないウサギ皮を駆使しましたよ」
「よくできたねぇ。失敗しなかった?」
「失敗?調合で変な汁とかは出来ましたけど?」
「そうじゃなくて、スキルの失敗。生産系スキルはDEX次第だから、複数回スキル使うものとかは失敗しやすいんだよ」
「それ先に言っておいてくれませんか」
「てへぺろ☆」
「ヤンさん……」
「……やめて!いまのは調子に乗っただけなんよ!初期のアイテムじゃそうそう失敗ないから言わなかっただけなんよ!だからそんな残念な物を見る目はやめて!」
ヤンさんが軽く精神ダメを受けてしばらく駄目だったが、落ち着いてきたので物を売ることにする。
「とりあえず、何か欲しいものあります?」
「ん?売るもの全部出せばいいのに」
「正直、自分でも使えそうなものがいくつかあるので、ヤンさんが求めるものを中心に売ろうかと」
「それはありがたいね。だったら、料理やビン、装備とかがあったら欲しいかな」
「ビンは自分も足りなくなったので欲しいですが、料理が欲しいんですか?ポーションではなく」
「ユクロスちゃんもビン欲しいんかいな。正直、調合が錬金とセットのはずなのにビンが作れないって嘆いてるやつ多いんよ。料理は、今日からスタミナゲージが正式稼働するから、店売りでないものが欲しいって人が増えてな」
「それじゃあ仕方ないですね。ビンは諦めます。けど、店売りの料理だとなにがだめなんです?」
「これ、店売りのパンなんだけど食べる?」
「いいんですか?」
「食べればわかる」
「ふむ……(モグモグ)……堅いっすね」
「せやろ。堅くておいしくないからっていうんで、こっちの生活を楽しんでいる、一部のプレイヤーが、生産者の料理が欲しいらしいんだよ。特にスープならパンをつけて柔らかくできるから特に需要があるよ」
「残念ながらステーキしかないです。それで、ポーションは何でですか?」
「製作者や性能が違うと、ボックスのスロットが別になることって知ってる?」
「はい。……つまりそういうことですか」
「そう。ポーションは1人のPLから、同じ性能のをまとめ買いするのがいいってわかったから、ウチのような店では需要がないんよ」
「そうみたいですね」
「でもまぁ、ブリの紹介だし、多少は買い取るよ」
「ブリ?」
「ブリザードって長いから、ブリって呼んでるんさ。本人は嫌がるからあまり目の前では言わないけど」
「それなら俺のも略していいですよ。地味に長いので」
「だったら……ユクちゃん?クロちゃん?クロスちゃん?」
「好きに呼んでください。あと、ユウとかは呼ばれたりしますけど」
「ユウちゃん!そういうのもあるのか」
ユウっていうのはリアルと同じようなものだけど、まあいいか。
「それじゃあユウちゃん。取引しましょか」
「そうでした」
とりあえず、なにを出そうか。さっきも言っていたけど、今日からスタミナ正式起動だから、ステーキは1枚は残しておきたい。あと、ジュースとジャムも1つずつ残しておこう。
ポーション類は、今の体力的に、回復上限値HP30くらいのを残して全部売ってもいいかな。あ、あと、状態異常だけは残しておこう。
あとは草玉や不明な草などの、生産できなかったものだけみたいだ。これは保留で。
ということで、
初心者ポーション:評価4×1
初心者ポーション:評価5×4
初心者ポーション:評価6×2
下級ポーション:評価4×1
下級ポーション+:評価5×1
アプルジュース:評価6×2
アプルジャム:評価6×1
ウサギ肉のアプルソースステーキ:評価7×2
を売ることにする。
それらを渡すと、ヤンさんはアイテムを見て、目を見開いたかと思ったら、こちらをみて、それからアイテムを2度見して、
「な、な、何じゃこりゃぁあ!?」
注・ヤンさんは女性です。
2日目スタートです!そしてソロという名のボッチスタートです。
氷精戦車の2人の出番は、しばらく後になります。
突然ですが、寝坊って怖いですよね。目が覚めた時、時計を見てまだ寝れると思ったらいつの間にか寝過してるんですから。(個人の意見です)
目が覚めてすぐわかるように、天井に時計を付けようかと思いましたが、作者は日常生活にメガネ必須なので、天井の時計は見えませんでした。
つまり、寝過しての遅刻は仕方ないんですよ。(ダメです




