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 申し訳ありません。昨日予約投稿しようとしたら、なぜかネットにつながらなくなってしまったので遅れました。

 後半に他の人の視点があります。

 そんなわけで、10個の道具にどの調味料を入れようか考えていると、いつの間にか視界に食材店のようなものが見えた。

 店の前に果物や野菜が並んでいるとか、どう見ても八百屋です。


「すみま『いらっしゃい!』ひぃー」

『なんだい?急に叫び声なんかあげて』

「な、なん、なんでもないです」


 この男、ビビり過ぎである。俺だが。


「商品見させていただいてもよろしいでしょうか?」

『ずいぶん丁寧だね。いいよ。好きなだけみていきな。お勧めはアプルの実だね』

「どれですか?」

『この赤い実だよ』


 ……どうみてもリンゴです。

 でも、本当においしそうだな。


「これも買いかな。あ、あと、調味料ってあります?」

『あぁ。塩に砂糖に小麦粉に、あらかたはあるはずだよ』


 小麦粉って調味料扱いなのか。ならあの道具にも入るのかな?

 そこで、取り扱っている調味料を聞くと、塩・砂糖・小麦粉・片栗粉・コショウ・ハーブ・油だそうだ。

 油は調味料なのか?まぁ、使い放題できるだろうけど。

 あと、やっぱり味噌や醤油などの和風な調味料は取り扱ってないみたいだ。

 道具に入れる調味料は小袋1つぶんでよさそうなのだが、


塩(小袋):20L

砂糖(小袋):50L

小麦粉(小袋):30L

片栗粉(小袋):50L

コショウ(小袋):200L

ハーブ(小袋):50L

油(小袋):20L


 コショウ高ぇ!?

 コショウが高いってこういったファンタジー的なものだとありがちだけど、ここまで高いのはずるい!


『全部で520Lだけど、全部買ってくれたら、500Lまでおまけしちゃうよ』


 ……でも、一度買えば使い放題なんだし、せっかくだから買っちゃおうかな。


『まいど!』


 買ってしまった。しかも借金システム使って。これで借金の総額が1500Lに。流されすぎである。

 まぁ、これさえあれば料理も作れるし……


『で、可愛い子ちゃんはアプルはいらないかい?』

「……ください」


 アプルは1個25Lを5個で100Lに。ここは自費で出そう。

 さらには、なぜか一緒に売っていた『ガラス砂』も購入。こちらは4袋で100Lにおまけしてもらえました。


所持金:450L→250L

借金:1500L


 それにしてもあのおば……お姉さん、おまけしてくれるのはうれしいけど、しすぎじゃないかな?

 そして謎の寒気である。




 ヤンさんに言われたとおりに進んでいくと、前方に大きめな建物が見える。

 看板を確認すると、いろんな道具の絵と一緒に、


『メーカーハウス』


の文字が書かれている。どうやらここが作業部屋……いや、作業小屋、うーん、小屋でもないし、ま、名前はどうでもいいか。

 とにかく、入ってみるしかないな。


カランカラン


 へー。ベルが付いているのか。オシャレだな。


『いらっしゃいませ』

「はぃぃぃい!」

『ど、どうかなさいました?』

「なんでもないんですってば!」

『?』


 いちいち反応すんな、俺!

 店員さんに向き合うと、


『こちらにいらっしゃったということは、生産をするのが目的でよろしいでしょうか?』

「はい」

『申し訳ありませんが、現在無料開放中の1階は人が多いため、利用することができません』

「やっぱりですか?」

『はい。ご利用するなら、2階の簡易個室か、3階の完全個室をご利用ください』


 ん?


「個室が2種類あるんですか?」

『はい。1階から説明させていただきますと、1階は無料で利用できるほか、道具も無料で開放されていますが、机に仕切りがなく、道具の数も有限でして、混雑していると、自分の求める作業が出来ないことが多いです』

「そうなんですか」

『少し覗いてみますか?』


 そう聞かれたので部屋の入り口から覗いてみると、学校にあった家庭科室とか図工室のように、1つの大きな机に椅子がいくつも並んでおり、そこに並ぶ人、人、人ッ!

 俺はスッ、と扉をしめた。


「……これ混んでるか混んでないかじゃなく入りたくない」

『そうですね。無料開放ということもあり、お金がない人が我慢しつつやるものでもありますからね』

「そうなんですね」

『続きまして2階ですが、こちらは、机ひとつごとに仕切られた部屋があり、最大3人ほど入れます。ほかにも、部屋ごとに水道があります。こちらは自由にご利用いただいて問題ないです。ただ、出しっぱなしにされていると、確認の為部屋に入らせていただきます。あと、仕切りは簡易な物ですので、周りの音やにおいがもれてくることがあります。ご利用には、30分間ごとに10Lです。料金のお支払いは、部屋から出るときに料金をドアに入れることでドアが開きます』

「なるほど。いいシステムですね」

『最後の3階ですが、こちらは完全に1部屋となっており、周りに影響されたくない人向けです。机は2階より大きく、2階と同じく水道も完備してあります。ご利用には1時間100Lとなっております』

「それでは2階でお願いします」

『はい。それでは2階の開いている扉から好きなお部屋をご利用ください。閉まっている扉はご利用中ですので、ノックなどの迷惑行為をしないようお願いします。2階へは、そちらの階段をご利用ください』

「わざわざ説明ありがとうございました」


 そうしてお礼を言うと、さっそく2階へと上がっていく。




*****




???視点


 さっきまでいたお客さんが人ごみに消えると、隣のおっさんが話しかけてきた。


『なあ、さっきの子にあんなにおまけしてよかったのか?』

『なんだい、聞いてたのかい?というか見とれていたって言った方がいいかい?』

『うっ』

『このことあんたのとこの奥さんに話したらどうなるかねぇ?』

『や、やめろ!この間も買いに来た女の子に見とれていたことがばれて怒られたんだ』

『それバラしたのあたしだねぇ』

『やっぱりおまえが密告犯かっ!?……はぁ。まあ見とれていたことはそうだが、やっぱり値引きし過ぎじゃないか?』

『もういいんかい。……だって、外の人であんなに大人しく買い物してくれる子なんかほとんどいないよ。ついサービスしたくなるじゃないか』

『確かにそうだけどな。あんなに礼儀正しい子は珍しいな』


 これがビビって調子が出ていなかっただけだ。とわかると、より残念さがわかるものである。


『それに』

『それに?』

『……超可愛かったじゃないか!冒険者っぽい服もいいけど、ぜひとも可愛い服を着てくれないかねぇ』

『やっぱりそれか』

『なんだい。外の知識を知ってわかったけど、可愛いは正義なんだよ』

『はいはい』

『それに……むっ!?』

『どうした?』

『誰かがあたしの悪口を言おうとしていた……?』

『またそれかよ!地獄耳なんてレベルじゃないぞ!そんなんだから耳年増って言われるんだ。…………ん?なにやってるんだ?』

『……あんた、今日家に帰るの楽しみにしていな』

『は?……ってまさかメールしてんのか!おいやめ』

『いいや!限界だ送るね!今よッ!』

『あああああ』


 そして夜中にまた、男の叫び声が響いたという。

 今日は投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

 明日は遅れずに投稿できるよう頑張ります。

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