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いい加減説明回をやめたいけど、ないと不安になるので、今後もおとなしく書いていきます。

 そんな冗談は置いておいて、


「借金システムですか?なんか怖そうですけど」


 借金って言葉だけでも怖いからな。


「あはは。イメージだと怖いかもしれないけど、生産職やっていくなら、必須といってもいいシステムだよ」

「借金からは逃れられないのか」

「このシステムはね、店で購入する商品を仮のお金で購入できるんだよ」


 話してもらった内容を要約すると、


生産職は始めるときに必要な道具が多い。でも、スタート時点の所持金は戦闘職と同額。

道具をそろえないと物を作れないから売り物が無くてお金が稼げない。つまり道具がそろわない。

そこで、道具や材料などを店で買うときにこのシステムを使うことで、手持ちのお金を使わずに道具を買うことが出来るのだ。


「つまり、借金というより、初期投資みたいなものなんですね?」

「それはいい例えかもね。それで、買ったアイテムの金額は、使用している間所持金の下に『借金』ってボタンがあるから、そこをタッチすると、いくら使ったか書かれていて、そこをタッチすると、その場でいくら返すか出てくるんだ。そこに記入した金額が自動で所持金から返済されていくよ」

「結構便利なんですね」

「でもな、利子がない代わりに、ゲーム時間でログイン時間が1週間を越えると、勝手に所持金から全額持っていかれるんだ」

「それは怖い」

「その間は所持金が0Lになるから、物の買い取りもできない、つまり生産が成り立たなくなるんだ」

「ひえー」

「そうなったら手持ち品を売るか、戦闘でお金を稼ぐかしないといけなくなるんだ」

「しっかり返すとどうなるんです?」

「そしたら元通りに使えるようになるよ」

「なら少しは安心ですね」

「ただ、以前あきらかに返せない金額で物を買い占めていたやつがいたんだけど、そいつは期限が切れると同時に強制で牢屋送りになったみたいだから、限度はあるみたい。使うなら気を付けてね」

「は、はい」

「まぁ、このシステムがなかったら、あたしも初日から露店なんか持てないからね。というわけで道具のセット買わない?大人しく聞いてくれたし、いまなら結構おまけするよ?」

「うっ!?」


 たしかに。そのうち絶対に必要になるんだから今のうちに買っておくべきかな?


「結構ってどれぐらいですか?」

「そうだね。セット1つで300L。2つで50L引いて550L。3つで100L引いて800L。4つなら区切りよく1000Lでもいいよ」

「セットで安すぎませんか!?」

「でもこのセットって、NPCの店だと50Lでしか買い取ってもらえないから、うちの店は100Lで買い取っていたんだよ。だから4つで1000Lでも、元値は400Lしか掛かってないから600Lも稼げるんよ」

「結構稼いでますね」

「まぁね。店買い取りが安い分、買い取り金額も安めでいいのはありがたいね。あと、安く買い取っているのは、安く売るなら続けようと思ってもらうためでもあるよ」

「そうなんですね」

「多分だけど、物作っていれば1000Lくらい簡単に稼げるよ?生産品は、失敗しなければ、元値よりはるかに高く売れるからね」

「じゃ、じゃあ、『錬金セット』と『調合セット』、『料理セット』と……すみません、《皮加工》ってどうやるかわかりませんか?」

「《皮加工》?それだったら『裁縫セット』に皮なめしって言うのが入っているはずだけど」

「じゃあ『裁縫セット』を入れた4つをいただけますか?」


 セットでお安いと聞くと買いたくなってしまうのは人間のさがなんだろうか。


「まいどあり。あ、借金システムを使うには、所持金を押すと、下の方にあるよ」


 言われて確認すると、確かにある。

 タッチしてみると、さっきの説明にあったようなことが書かれており、必要な金額を入力するようだ。

というわけで1000Lを引き出す。


「それじゃあこれを」

「はい。……1000Lあるね。はい道具セット」

「ありがとうございます。あ、それと買い取りなんですけど……」

「せやったら、生産品を売ってくれないかい?そっちの方が売れるから、買い取り金額もアップしてあげるよ」

「そうなんですか。わかりました。その時はぜひ売らせていただきますね。あ、あと、料理に使う食材とかってどこに売っているかわかります?」

「それだったらこの通りの先にあるよ。そこにビン用の『ガラス砂』もあるからね。そして、さらにその先にいけば作業小屋があるから。個人部屋は、ゲーム内で1時間ごとに20Lだよ。ポーション用の水は部屋内にもあるから問題ないよ」

「ありがとうございます。ところで気になったことが2つあるんですが」

「なに?」

「ここ何屋なんですか?」

「ここはあえていうなら問屋だね。他の人から買い取ったものを他の人に安く売っていく。その過程で自分の欲しいものは自分で使うって感じだね」

「……転売屋って言われたりしません?」

「言われたりもするけど、1人でやる生産系の人が材料不足にならないようにするための店でもあるからね」

「それは助かる人もいそうですね」


 主に俺とか。


「もうひとつの質問は?」

「なんで方言混ざったりするんですか?」

「転勤多いからあちこちいくねん。そのせいで変な言葉になって来たんよ。ついでに言うと今は関西にいるで。そのせいでところどころに関西なまりが出来てな」

「そうなんですか。大変なんですね」

「大変だけど、あちこちいけるのはおもしろいよ」


 やっぱりいい人だった。ボッチの俺がこんなに話せる相手が吹雪たち以外にいたとは。……吹雪たち?


「さて、この子の話も終わったし、2人の買い取りの話に移ろうか?」

「長かったな」

「モグモグ……うん」


 そこには待ちくたびれた姿の吹雪と、露店の食品を頂いている初雪ちゃんが。


「ご、ごめん!話し込んじゃった」

「おまえがあんなに話しているのも珍しかったよ」

「そうだね。あ、これ買い取りおねがいします」

「はいよー」


 本当にごめんなさい。

 次回、ずいぶん前にでてきたアイテムが出てきます。一体何でしょう。

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