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Link.17

 街に戻った俺たちは、いらない物の処分と武器の修理に移動する。

 ただ、その前に、


「二人とも」

「「ん?」」

「少しでいいので皮と、いらない草玉を交換してください」

「おまえそのままだとなにも無くなるぞ?」


 いいんです。少しずつでもいろんなものを手に取っておきたい。


「だがなぁ、正規なら、皮1枚で肉2つが通常レートだぞ。さっきの草で1人に1つずつ肉渡しているし、そのままだと肉も無くなるぞ?」

「うっ!?……ま、まぁ、何とかするよ。えっと、皮を1枚ずつ、草玉は肉1つ分ください」

「……はぁ、しかたない。肉2つで皮1枚と草玉5個やるよ」

「じゃあ私もその値段で。あ、でも最初に肉と草玉交換したし、肉1つでいいよ」

「ありがとう!」


 やっぱり持つべきものは助けてくれる友人だね。


所持品

ウサギの肉×10

ウサギの肉×5

薬草×20(バラ)

不明な草×50(バラ)

ウサギの皮×2(バラ)

草玉×10(バラ)


種類は多いけど、ボックス埋まるなぁ。




 武器の修復は、時間がかかると思ったが、帰ってくるのが遅かったからか、武器屋が空いていたのですぐに直すことが出来た。


所持金

523L→450L


うん、めっちゃお金かかった。

なんでも、減った耐久分÷5が金額らしい。俺が減らした耐久は、2本合わせて365、つまり73Lかかった。しかもこれはNPCの店の購入品だからで、PL生産のオリジナルは、追加でお金や材料にしたアイテムが必要な場合があるらしい。

……投げなきゃよかった。

でも、ジョブの【鍛冶師】があれば金属・石系、【木工師】があれば木製の装備は直せるそうだ。

ん?2本の修理にかかった金額は73L。俺が買ってもらった『石の短剣』は単品で30L、2本で60L。

修理した方がお金かかってる!?




「おまえは正直売るものないだろ?」

「……少しだけ肉を売ろうかな」

「このあと生産する予定あるんだろうし、売り過ぎない方がいいんじゃないか?」

「うーん、そうかもなー」

「でも道具を買う金あるのか?」


 ん?道具?……あ、そういえば、


「なあ、道具っていうか、そもそも生産ってどうやるんだ?」

「……おまえ今なんていったよ?」

「兄さん落ち着いて。始める前に、お姉ちゃんはこういうと思うって言っていたじゃない」

「そうだったな。やっぱり調べてなかったんだ。いろいろ作れると聞いて浮かれていたに決まっている」

「……ごめんなさい」


 そのとおりです。浮かれてました。




 ショックを受けつつ、次に向かうのはアイテムの売却場所である露店だ。

 なんでも、もう早い人では露店をしているらしいから、少しは高く売れるだろう。とのことだ。

 はやいなぁ。俺なんかお金と武器と精神の耐久がガンガン減っているよ。


「このあたりが露店エリアだ」


 紹介された場所は、ヨーロッパの大通りみたいな場所だ。

 ……言い忘れていたかもしれないが、最初の街である『アインスヴィント』はヨーロッパ、というか名前的にドイツっぽいんだと思う。行ったこと無いからわからないけど。


「今日は俺がβの時に世話になったやつのところに行くぞ」

「おまえはβでやっていたし、ゲーム中でも友人たくさんできてそうだな」

「普通の人はおまえと違って、βからじゃなくても友人増えるよ」


 もうやめて!俺の精神の耐久はゼロよ!


 そんな俺を無視しつつ、吹雪が周りを見つつ歩いて行くと、一軒の露店の前で止まった。どうやら女性のようだ。


「よう、『ヤン』」

「あ、ブリザードじゃん。β以来だね、おひさー」


 なんだろう、赤髪だし、口調もあるからか、結構軽い感じがしなくもない。


「そっちのスノーちゃんが妹さん?」

「わかるか?」

「わかるって。顔そっくりじゃん」

「兄さんと顔が似ているとは聞き捨てなりませんね」


 初めてみる人の顔を見分けるレベルで見れるのはいいことだし、うらやましい。軽い感じも明るくていいし、吹雪が友達になる人だし、いい人なんだな。


「そっちの子は妹ちゃんの友達かな?」


 前言撤回、やっぱりこの人嫌い。


「……なんか怒らせた?」

「おいこら、そう見えるんだから諦めろ」

「どういうこと?」

「こいつは俺と同い年の友人だ」

「え、ブリザードって成人していたよね?つまりこの子……この人も成人しているの?」

「あぁ」

「ほう、合法ロリってやつですね。レズ展開ならまかせろー」

「やめてっ!」


 そんなものは求めてないです!


「こいつはそういうのに慣れてないからほどほどにしてあげてくれ。ところで、ウサギの素材は買い取れるか?」

「ウサギの素材?ブリザードならもっと先の素材も……って2人の付き添いか。いいよ。皮と肉なら生産ジョブあるし使い道あるから多少買い取っても。でも草玉はお断りだよ?」

「わかってる。どうせ草玉は無いからな」

「私もないから大丈夫」

「草玉無いなんてついてるなぁ。で、えーと、ユクロスさんは買い取りしなくていいのかな?」

「あ、あの、俺は……」

「俺っ娘!これはいいものだ」

「ひぃー(泣」

「……こいつは対人苦手だから、あまりあれこれ言わないでくれ。こいつも生産系持っているから、手に入れた素材は、大半を自分で使うそうだ」

「そうなんかー。戦闘して素材集めるのなら時間配分大変やなぁ」

「草玉は、こいつがいろいろ試したいっていうから肉と交換したんだ」

「……使い道ないって言われるやつを試すのかい?変な子だね」

「う、うん?」

「「だろ?(でしょ?)」」

「えっ!?」


 俺変な子って思われてたの!?

 新キャラ『ヤンさん』名前の由来は、たまたま机の上にあった、全国チェーンの中華料理店の名前から頂きました。


 ゲームのキャラ名なんて考えるだけでつらい。ただでさえ、モンスターの名前と、モンスタードロップは3種とか、考えたのは自分なんだから頑張らないと。

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