Link.88
気づくと1月経ってる……もっと普段から頑張らないと
その喧騒を見て逃げ出そうか迷っていると、
「あ、お姉さんこっちです」
「あー。 ひっぱらないでー」
アカリちゃんに普通に引っ張られました。
アカリちゃん動じてないな。
「なんか対処に慣れてない?」
「ここって割といつもこうですから」
なにそれ怖いなー。
「で、どこ行くの? あそこに並ぶんじゃないの?」
「あれは報告の列です。 お姉さんはまだ登録してないのでこっちです」
「わかったよ」
「……というか、アレは美人の受付さんのところに並ぶ列です」
「……おおぅ」
欲望に忠実だなー。
アカリちゃんが向かった先には
「おっちゃんおひさ」
『なんでぃ嬢ちゃんか。 嬢ちゃんはもう登録済みだろ。 それとも俺様に会いに来たのか?』
「あはは。 冗談は鏡見て言ってね」
「アカリちゃん?!」
なにその返し?!
『ハハハぁ……アネさんに言われたなその返し方』
「うん」
……完全に置いてけぼりである。
くいくい
「はい? ……お姉さんそんな見捨てられそうな子犬みたいな目で見ないでくださいよ」
「うぅ……」
「もう、しゃんとしてください。 ……可愛いですけど(ボソリ」
「え?」
『ん? 誰だそこのフード?』
ちなみに、今はフード被ってます。 アカリちゃんはなぜ目が見えたのでしょうか。
「えーとですね、こちら新規加入希望者のユ……なんとかさんです」
名前忘れられてる?!
「それでこの方は……オジさんです」
「『ちょ!』」
おじさんも忘れられてた。
「え、えーと、ユクロスです。 よ、よろしくお願いします」
『あぁ。 俺は事務のオージーだ』
「つまりオジさんです」
『だからその呼び方はやめろ!』
間違ってなかったのか。 その名前苦労されてそうだな。
『それより、加入希望だったか?』
「はい」
『嬢ちゃんもだったが遅いな』
「はい?」
『いや、開いた初日は人の海だったからな。 こんな風にたまに来てくれた方が楽だ』
そりゃ初日は混むか。
『まあいいや。 ユクロスだったか?』
「はい」
『この道具のボタンを押せ』
「え? わかりましたけど」
言われた道具は、駐車場の券売機みたいなものだ。
言われてそのままボタンを押すと、なんか黒いカードが出てきたので受け取る。
ピコーン!
「おう?!」
『ほい登録完了』
「えぇ?!」
超簡単じゃん!
「簡単すぎません?」
『まあ、カードと個人情報リンクさせるだけだからな』
リンク?
「簡単に言えば、カードに最初に触った人のデータを反映させてるんですね」
「ほほー」
『よし。 あとの説明は嬢ちゃんに任せた!』
「「え?!」」
な、なんて人だ……受付がこれでいいのか?
「ちゃんと説明しないとアネさんに言いつけるよ」
『お、おいやめろよ。 給料下がっちまうじゃんか』
給料あるんかい。
『しかたねぇなー。 長くて面倒なんだが……いいか』
ギルドでは、クエストを受ける、物を売り買いする、の2つがメインだ。
まずクエストだが、さまざまなクエがあり、『○○の採取』や『○○の討伐』などといった、ゲームの定番的なものから、『制作物の納品』・『護衛依頼』・『教習依頼』といった、少しずれたものまであるとのことだ。
『制作物の納品』は、ポーションや装備などを制作して納品する、生産系向けのクエストだ。
『護衛依頼』と『教習依頼』は、そのまんま他人の護衛や新人教習などらしい。 こちらはまずランクを上げないと受けられないらしいが。
クエはNPCが出すものもあれば、PLが出すことも可能らしい。
物の売り買いだが、こちらもまあそのままらしい。
買取場にいらないアイテムを渡せばお金に出来るし、ギルド内の店で素材や装備などを買うことも可能とのことだ。
ただし、買い取り値段は専門の店より安く、購入値段は専門の店より高い。
つまり、安くて一括か、脚を伸ばして店を回るか、の2択らしい。
しかし、ギルドで扱うことのできるアイテムは、ランクによって限度があるとのことだ。
さて、何度か出たがギルドにはランクというものがある。
最初がランクF、最高でSSSまであるらしい。 ランクS以上なんてまずいないらしいが。
さっき渡された黒いカードがFのカードらしい。 黒ってランク高そうだけどな……
ランクの色は
F-黒
E-白
D-黄
C-赤
B-青
A-紫
S-銅
SS-銀
SSS-金
の順番らしい。
前半の当たりはどっかで見た覚えがある順番だな。 思い出せんが。
ついでに言うと、後半三つはそうそう持っている人はいないそうだ。
まあ、開始数日で持ってるのはゲーム内の人くらいだろうな。
そんなことより、今回の目的は《採取》の入手だ!
『……というわけだ。 ……なんか長々話した気がしないのはなぜだ?』
「ところで、《採取》ってどうやって手に入れるんです?」
『あー、《採取》? それならこのクエストだな』
渡されたクエを確認してみると
【納品】薬草の納品 ランクF
薬草を5つ納品しろ。
条件:なし
報酬:スキル《採取》 100L
「この条件って何です?」
『そこは、何らかの指定条件ってやつだな。 条件が出るのが多いのは、納品クエや護衛依頼とかだな』
「というと?」
『納品は、どこで入手したとか、品質とか、確認のために一度本人が確認するとかだな』
「ほうほう」
まあ、ダメなの納品されても困るか。
『護衛依頼は、女性だけの商隊が護衛に女性を望むとかだな』
「あー。 なるほど」
なんていうか、わかりやすいな。
『で、これ受けるか?』
「おう。 というか、もう持ってるのでいいか?」
『なんだ持ってたのか。 納品依頼なら持ってるのを納品で大丈夫だぜ』
「報告はあっちだっけ?」
『ここでもできるぞ。 簡単に済むやつだけだけどな』
そりゃありがたい。 と、いうわけで
クエスト受理!
クエスト報告!
クエストクリア!
《採取》を手に入れた!
さくさく済んでよかったぜ……
『それにしても、どこで薬草なんて集めてたんだ?』
「え? 森だけど」
『ほう。 森に入れるくらいなのか。 ならこのクエ受けてくれないか?』
「え?」
『人気ないんだよこれ。 技能大会があるってんで、クエの受理率悪いって聞いてるからな』
「技能大会?」
なんか面倒そうなのしてるな。
イベント情報解禁(名前だけ
どんなのか気になるだろうけど、それは著者のがんばり次第。
書かなきゃ。
修正点
しかい、ギルドで扱うことのできるアイテムは、
↓
しかし、ギルドで扱うことのできるアイテムは、
2015/11/03修正
修正前
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『まあいいや。 ユクロスだったか?』
「はい」
『このカード持て』
「え? わかりましたけど」
なんか黒いカードを渡される。
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↓
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『まあいいや。 ユクロスだったか?』
「はい」
『この道具のボタンを押せ』
「え? わかりましたけど」
言われた道具は、駐車場の券売機みたいなものだ。
言われてそのままボタンを押すと、なんか黒いカードが出てきたので受け取る。
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結構でかめな修正でした。




