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四宝姫伝  作者: 桃姫
3章
36/37

35話:虹の少女の悲願が叶う時、そして――

 藍騎の選択、それは、

「俺は、どちらか一つなんて、選べない!だから、どちらも選ぶ!」

藍騎の選択は、普通なら、そんな選択は許されないと弾かれるもの。どちらか一つを選べと言われるもの。しかし、女神は、彼の選択を知っていたかのように言う。

「藍騎、貴方なら、そう言ってくれると信じていました」

そう言って、目の前に現れた少女。これが女神か、と藍騎は、目を疑った。

「るー?」

そう、彼の妹、瑠凪に酷似した外見。しかし、髪色と瞳の色が異なる。瑠凪が、普通の黒髪黒眼だが、目の前の少女は、見ようによっては何色にも見える、そんな髪色と瞳の色をしていた。言うなれば、「虹色」の少女。

「姿を見せるのは、初めて、でしたね。勇者、紫藤藍騎。私は、女神、紫藤織色。貴方の祖先に当たります。さて、貴方は、最後の選択を無事乗り切りました。さあ、今から呼ぶ人と、力を合わせ、世界の統合をするのです」

「統合?」

「そう、この世界と彼の世界を統合し、世界の崩壊を防ぐ。これが、貴方の、そして、私の使命」

女神が言うと、「空白」の世界の床に八つの紋様が刻まれ、そこから、八人の女性が現れる。シルフィリア・イリス・シンシア、セイリス・エデン・フェルキス、リンテス・バルド・デルタミア、アルカディア・ヘル・ディスタディア、ロゼリア・バル・シェリクス、マリネス・エデン・フェルキス、ミーサ・ジン・シェイド、フェルア・イーグ・プリズン。まるで円を描くように。一番外側に四人の姫。その内側に四律魔典。と、並んでいる。

「はじめまして、異世界の姫達よ。貴方たちに、今から詠唱をお願いします。さあ、」

「えっ?ど、どう言う」

皆が疑問を口にしようとするが、藍騎が遮る。

「いいから、やってくれ」

藍騎の言葉に、皆、詠唱と言うのをやり始める。いや、詠唱と言うより、許可なのだが。

「シンシア王国、姫、シルフィリア・イリス・シンシア」

「フェルキス王国、姫、セイリス・エデン・フェルキス」

「デルタミア王国、姫、リンテス・バルド・デルタミア」

「ディスタディア王国、姫、アルカディア・ヘル・ディスタディア」

「『四律魔典』、『赫灼紅魔(かくしゃくこうま)』、ロゼリア・バル・シェリクス」

「『四律魔典』、『氷結深蒼(ひょうけつしんそう)』、マリネス・エデン・フェルキス」

「『四律魔典』、『影牙魔忍(えいがまにん)』、ミーサ・ジン・シェイド」

「『四律魔典』、『風翠華迅(ふうすいかじん)』、フェルア・イーグ・プリズン」

八人が名乗りを終える。そして、藍騎が続く。

「我が魂の秘宝よ!

我が祈りよ、天に届け!『聖剣デフィトリア』

我が祈りよ、大地に轟け!『魔剣グラフィオ』

我が祈りよ、海風になびけ!『翼鳥レイベンネール』

我が祈りよ、魂に響け!『神奏にして神槍ロンギヌス』」

藍騎の持つ四つの秘宝が二重の円の中心に集まる。

「そして、

魂の調律よ!

夢の調律よ!

音の調律よ!

世界の調律よ!」

女神が告げた言葉と同時に、「空白」の世界は終わりを告げる。世界の破砕音とともに、藍騎は、皆とともに、藍騎の家の前にいた。そして、上を見上げると、そこには、天の向こうに、彼の異世界があった。

「今、世界は、非常に不安定な状態にあるのです。ですが、それも時期に終わりを告げ、世界の統合は果たされる。藍騎、これで、悲願が叶いました」

その言葉とともに、「虹色」の少女は、「虹色」の粒子となって消え去った。


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