30話:仮説→確信
龍であるが故、私生活も豪快にならざるを得ない。全てを大きなスケールで見ているのだ。そんな彼女が、今、藍騎の元にやってきた。
「なっ、何だ?紫藤、知り合いか?」
クラスメイトの声に、藍騎は、少々笑い気味に、
「まあな」
と、答えた。
「はぁ、先生。ちょっとコイツを家に送らなきゃならないんで、早退してもいいですか?」
呆気にとられていた担任教員は、「あ、ああ」と答えた。
「行くぞ、リン。ちょっと荒いが、」
そう言って、リンテスを抱えると、疾走した。
藍騎の家に着いたのは十数分後だろう。
「まあ、藍騎。また早く帰ってきたの?サボり癖でもついちゃ……藍騎、犯罪よ」
お決まりとなりつつある台詞を藍騎の母親が言ったところで、いつもどおり、リンテスを家に上げた。
「うわ~お、リンテ、来たの?」
「リン、久しぶりね」
「アルカディアにシルフィリアか」
三人の姫がここに集結した。残りは、一人。
「げっ、リンテス。テメェも着たのかよ。ただでさえ狭ぇのに更に狭くなるじゃねぇか」
「ん?ロゼリアか?ミーサは、一緒じゃないな」
そして、「四律魔典」との再会も果たした。
「ミーサ?何であの根暗野郎とあたしが一緒にいなきゃなんねぇんだよ」
「ふむ、捕らえてから知ったんだけど、従姉妹らしい」
従姉妹。親族である。
「ワタシの母である人間の家系だったらしい。だが、龍の一族に、人間の一族が親族にいることを否定され、滅ぼされたはずだった。ミーサはその生き残りだ」
「そうだったのか。だったら、フェルアはアルの関係者ってことになるな」
「え?フェルフェルが?知らないけど?てゆ~か、何で?」
アルカディアの疑問に藍騎は、ロゼリアの話から導き出した説を話す。
「ロゼリアは、シンシア王の親族。マリネスは言うまでも無く、元フェルキス王国姫。ミーサは、デルタミア王女の親族。となれば、残るフェルアは、ディスタディアの関係者だろ」
「おお~!凄い!藍騎流石ぁ~!でも、フェルフェルかぁ~。知らないなぁ~」
「まあ、今のところ、なんとも言えないな」
藍騎は、そう言って、一息つくためにコーヒーを入れに台所に行った。




