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四宝姫伝  作者: 桃姫
2章
19/37

19話:紅と黒の炎が上がる時

 全力疾走と言う表現が相応しいくらいに全力で藍騎は、町の東側にある廃園になった公園に来ていた。警察が調べていたのだろう。立ち入り禁止の黄色と黒のテープが張り巡らされている。そして、幾人もの倒れた警官と野次馬の一般人。藍騎は、舌打ちしたくなったが、それすらも時間の無駄と、足を止めず、携帯を走りながら引っ張り出し、百十九番通報をした。これで時期に救急車と消防車が駆けつけるだろう。藍騎は足を止めずに、公園の森林地帯に踏み込んだ。携帯をポケットにしまい、相手の気配を探る。第六感と言う言葉が相応しい。あるいは虫の知らせだろうか。背後からの刃を寸でのところで転げ躱す。

「へっ!逢いたかったぜ、勇者っ!」

「こっちは二度と遭いたくなかったがなっ、ロゼ!」

会った瞬間には睨み合う二人。ちなみに、ロゼリアが使っている言語は、日本語である。彼女を含めた「四律魔典」は、通訳石と同じ概念のものを持っているためである。持っている理由は、様々な地域で悪事を働くため。

「はっ、行くぜ!『紅炎軌道(プロミネンス)』っ!『黒焔煉獄(ゲヘナ)』っ!」

ロゼリアは、己と一体の存在である、剣を取り出した。この剣は、ロゼリアそのものであり、普段は、彼女の魂の中に存在しているものである。

「やべぇ!」

藍騎は、二本の剣を的確に避けようとするが、如何せん、木が邪魔で避けづらい。地面に張られた根の出っ張りや草に躓きそうになる。その隙を突くかのように「ゲヘナ」が藍騎の首を刈りにかかる。


「我が祈りよ、天に届け!『天神王剣コールブランド・エクセリオン』!」


コールブランドとは、一般にエクスカリバーと呼ばれる剣と同じとされている。アーサー王伝説に出てくる剣。湖の精霊から授けられた、や、魔法使いマーリンに授けられたなど諸説ある。また、アーサーが王になる選定の時に抜いた剣がエクスカリバーであるとされることもあるが、どれも伝承に過ぎない。名前もエクスカリバー、カリバーン、コールブランドなど幾多もある。何が本当でどの名前が本当かも分からない。藍騎が呼び出したコールブランド・エクセリオンは、ロゼリアと同様に、魂の中に生まれながらに存在していたものなのである。これが藍騎の中にある「力」の片鱗だ。名の由来は、これを初めて抜いた時に関係するのだが、それは一先ずおいておこう。


 碧色の光とともに神々しく、また煌びやかに、それでいて、静かに顕現したその剣は、大振りな両手剣だった。ゲームなどでの分類を借りるならば、「バスターソード」と呼ばれるであろう剣。柄と鍔は黄金色に煌き、刀身は鏡の様な光沢を持つ。樋の周りには、古代シントラ語で文字が刻まれている。鋭き切っ先は、大樹でも切り裂けそうだ。


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